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【あの日のまつもとたくや】vol.2『きっかけと非言語的コミュニケーション』

先週末(2/28-Sun)に自身の独演会が地元で行われました。

主催は手話サークルで「松本くんなら4時間余裕でしょ!こちらはあいさつと講師紹介だけやっておいて後は任せる!」と講師に丸投げされたことをいいことに一人でずっと4時間お喋り(独演)してた松本です。

#ゲスト扱いが超雑過ぎ

その場において「きっかけ」や「非言語コミュニケーション」についてお話しました。

今日は「非言語コミュニケーション」にスポットを当てながらきっかけを諸々書いていきます。お付き合いください。

#私は言語の専門家では無いけれども自身の経験からお話しします

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▼クラウンをはじめたきっかけ

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ダイレクトに言うと「大叔父さん」と「ある2本の映画」がきっかけです。自分の祖父(ろう者)に弟(ろう者)がいて、その弟がかなりの映画マニアだったんです。

どれくらい映画マニアかというと洋画(VHS)がアパートの壁一面にずらーっと並べられていたくらいです。

#まるでレンタルビデオ屋さん #ドミノが出来るぞㅤ

今、DVDを借りると邦画・洋画関係なく、だいたいメニュー画面で「日本語字幕」が付けられることができ、昔より映画を楽しめることができるようになりました。少し昔までは邦画自体に字幕がついておらず、ろう者には不人気でした。

ㅤじゃあ、ろう者は「何の映画が好きで人気なの?」ってなりますね。それは大きく分けて以下3つです。ㅤ①洋画で字幕がもともとテープに書き込まれているやつ②洋画で音声がないやつ(=サイレント映画)③志村けん的なコメディアンが出ているやつ④動物系⑤トムとジェリーㅤ

祖父の弟はどちらかというと②のサイレント映画と⑤のトムとジェリーが大好き。私が幼稚部(3歳頃)の時にいつもながら祖父と共にアパートに遊びに行くと「これ見なよ。面白いぞ。」と勧められていた2つのビデオ。ㅤ

◆チャップリン◆ミスター・ビーンㅤㅤ

お察しのいい人や作品を見たことがある方はピン!と来たはずです。彼らは喜劇です。何かしら共通するコメディアンです。このビデオを3歳から見ていました。#他の同級生はアニメを見ていたのにㅤ

何に惹かれたのかというと「サイレント」です。ㅤ

「映画はもちろん聞こえる人が出ているのに。おまけに主役の彼は聴こえるはずなのに、なぜ喋らないんだろう…。オーバーな表情や滑稽な動作が面白すぎる!!!」ㅤそう、彼らは聴こえるのに、セリフを発さないで表情と身体表現(パントマイム)で表現している。それが聞こえない私に伝わっている。プラスして聴こえる人たちにも同様に伝わっている。平等だ。他の喋る出演者達と彼らのそのギャップや世界観、価値観の違いに驚かされ、そして、ハマりました。

#沼

あれ?待って逆に考えてみよう!表情と身体表現(パントマイム)でセリフを発さなければ、音声言語を獲得していない人でも出来るじゃん!ㅤそう、逆手に取ったんです。2人の共通点を見出したんです。表現の面では私も同じように出来る。みんなに笑いを届けることが出来る。

彼と私の違いは「聴こえる」「聴こえない」だけ。ㅤㅤ聴こえる人は「音声」が武器であり、それを使って売り込んでいくのが当たり前の映画業界。それに対抗していく感じがしててスゴイ斬新でした。ㅤそう思い始めたのが小4の頃(だったはず)。小さい時から親にサーカスやショッピングモールに連れてもらってそこにいたクラウン(道化師)と繋がって、そこから本格的に地元のクラウンサークルに通って小6(2007年)にデビューをしました。

#ざっと話すとこれです ㅤ疑問を持って、さらに逆の立場になって考えてみる。すると案外と新しい見方がどんどん生まれてきます。その生まれたアイデアを捨てずに活用していけば何かしら道が開きます。

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▼非言語的コミュニケーションの大切さ

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私たちが日ごろしているコミュニケーションは大きく分けて2つに分けられます。

♦︎言葉によるコミュニケーション→バーバルコミュニケーション

♦︎言葉を使用しないコミュニケーション→ノンバーバルコミュニケーション

みなさんは「バーバル・コミュニケーション」を主として生きている生物です。つまり、日本語という言語を獲得してその言語を使って、同じ言語を持つ者同士で会話したり文字にしたりする生き物です。地球上に存在するヒトはほとんどバーバルコミュニケーションをしていると思います。ㅤㅤ

では、自分が獲得している言語と異なった言語を持つ者(異言語の人)と会ってコミュニケーションをしなきゃいけない場面に遭遇したら、どうコミュニケーションしますか?ㅤそれは簡単です。言語を用いるバーバルコミュニケーションの反対。言語を用いないノンバーバルコミュニケーションをすればよいだけです。

顔の表情、リアクションの大きさ、視線、身振り手振り、ジェスチャー、絵によるコミュニケーション…。お察しの良いヒトはお気づきかもしれません。全て「目で見る」ことから始まるコミュニケーションです。自分は海外旅行にまだ行ったことなく自分と異なる言語を持つ者が暮らす町にまだ飛び込んでいないのでわかりませんが、きっとその国の言葉が分からなくても、買い物ができたり、地元の方とコミュニケーションができるのも非言語的な部分でコミュケーションをしているからです。

昔、知的障害を持つ素晴らしき画家 山下清さんをモデルとした裸の大将というドラマを見たことあるんですね。これも字幕がありませんでしたが、主人公を担当する俳優・芦屋さんの表情やコミカルな動きが面白くて見ていてストーリーもなんとなーく伝わっている感じ。で、ストーリーとしてはその日本語オンリーかつ頑固な山下清さんが日本に住んでいる病気の母、そしてスペインに住んでいる娘さんを会わせるために山下さんが娘さんを探すためにスペインに旅する!という内容。山下さんはスペイン語が話せない。スペインにいながらも自分の言語である日本語を使って話す。確かスペインの人たちは日本語は分からないので「この人は何言ってんだ?」という感じで、でも「彼は身体で何かを伝えようとしてる。読み取ろう」という描写がありました。(と思う)

身体で何かを伝えようとしている。つまりこれはジェスチャーです。お腹がすいた。怒っている。何かを食べる。これは世界で共通するキーワードです。世界で共通する言葉やキーワードがあれば、それを身体で伝えることによってコミュニケーションが出来る。

例えば、ジェスチャーゲームで誰もがわかるバナナとかゴリラとかを出すとおそらく、みなさん。バナナを剥く動作、ドラミングするゴリラを表すと思うんですよ。それは〇〇だからコレ!という共通認識があるから。ナスカの地上絵で鳥のようなものが描かれているのにも関わらず、「これは間違いなく猿だ!」という人なんて、まずいないじゃ無いですか(笑)これも同じで鳥というものをそれぞれの国で見て、それを知っているから。手話という言語はまさにこれから派生したもの。だから、「目で見るコミュニケーション」はろう者は得意なのです。

さらにいうと、ノンバーバルコミュニケーションは音声言語を用いないため、事情により言語を発することができない方、乳幼児の方でも出来るコミュニケーションの方法なんですね。私のパフォーマンスはノンバーバルコミュニケーションを取り入れた内容となっており、国籍関係なく、老若男女が楽しめる構成となっています。

パフォーマンスの中で私が非常に大事にしていることは「アイコンタクト」なんですね。アイコンタクトでお客さんとコミュニケーションを取りながらパフォーマンスを進めていく。アイコンタクトとノンバーバルコミュニケーションは切っても切れない関係だと思っています。これは子育てでも非常に有効的なので次回は子育ての観点からアイコンタクトの大切さ・重要さを書いていきたいと思います。

-▼#バディウォーク東京2021forall でこんな企画をやります

【手話を知らない方限定】ドラマチックアカデミー

2021.3.21(日)16:00〜オンライン

-STORY-あなたたちが出演者。「?」から招待された部屋は「声が使えない部屋」。声が使えない部屋で「声」以外をフル活用しながら、タクとタッキーのびっくりワクワクのドラマに出演してお互いに協力しながらドラマを盛り上げ、完結させよう!何がドラマチックか?それは当日のお楽しみに…。

〜〜〜〜〜このイベントは 「音声言語」を完全に排除した部屋で進めるということがポイントになります。つまり、ノンバーバルコミュニケーションで協力してどこまで進めれるかがミソ。ぜひお申し込みくださーい!


バディウォーク東京2021 for all クラウドファンディング公開中でhttps://camp-fire.jp/projects/view/382781

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