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こだわりとは。

こんにちは、珈琲日記の小林です。


珈琲日記は、材料にとてもこだわっています。
もちろん、どこの飲食店も食材にはこだわりは持ってらっしゃると思います。

しかし、「こだわる」というのは、決して「高い材料を使う」とか「本物だけを使う」とか、そういうことではありません。


こう言ってしまうと、少し語弊を生むかもしれませんが、悪いものも使うという意味ではありません。


例えば、コーヒー味のお菓子を作る時など、パティシエの大御所ほど、インスタントコーヒーを使うと言います。

私もコーヒー風味のお菓子を何度も作ってきましたが、本物のコーヒー液を使っても本物のコーヒー味のお菓子を作ることはとても難しいです。

「コーヒー味」を謳ったお菓子を販売するにあたり、注文してくださるお客様としては「しっかりとしたコーヒー味」を求めています。


エスプレッソでリストレットにしても、ドリップで濃く入れても、どうにもこうにもしっかりとしたコーヒー風味にはなりません。


やはり、フリーズドライや、スプレードライにして濃縮されたインスタントコーヒーの濃さには敵いません。


昔、あるお店にメロンミルクティーを飲みに行ったときに、本物のメロンにこだわるあまり、メロンが新鮮すぎて、「きゅうりフレーバー」になっていたメロンミルクティーを飲んだことがあります。

周りのお客様もざわついていました笑


どこにこだわるか。

何を本物とするか。

この場合、例えばメロンフレーバーを少しだけ強くするために香料を使ったフレーバーティーを混ぜる。
その時、化学香料のフレーバーティーを使うよりも、本物の天然香料を使ったフレーバーティーを選ぶ。

生の果実を入れた紅茶に、わずかな香りを足すだけなので、天然香料のフレーバーティーを少量混ぜるだけで、新鮮すぎるメロンでも、「きゅうり」にはなりません。

これが、本物の演出だと思います。

お客様が何を求めているか。

そのあたりをよく考えて、期待に応えることがお店のこだわりだと思います。


決して、こだわりの押し付けではなく、お客様に満足していただくためのこだわりであってほしいですね。


また、お料理だけでなく、お菓子も「塩」へのこだわりがあります。

しかし、お菓子作りで、塩を「岩塩」だけにこだわってしまうと、生地に対してまばらに散ってしまい、ところどころが極端にしょっぱくなります。

逆に、それを特徴としたいお菓子ならそれで良いと思います。

塩味をどう感じてもらいたいか。

満遍なく程よい塩味を感じてもらうには、安くて細かい天然塩の方がバランスよく散らばってくれます。

そういったいわゆる「普通の天然塩」にこだわるお菓子屋さんも多いです。

ですから、「こだわった岩塩を使っている」=「塩にこだわっている」というのも乱暴な考え方です。


美味しいと感じるものを作るには、
美味しいもの×美味しいものだけでもありませんし、
本物×本物だけでもありません。


お菓子や料理だけでなく、ドリンクも同じです。
シングルオリジンコーヒーやシングルオリジンティー以外のバリエーションなどは、全てレシピにかかっています。


配合ですね。

原料至上主義だけでは、美味しさは成立しません。

コーヒーはドリンクのうちの一つ。


カクテルも、シェーカーの振り方やステアなども大事ですが、味を決めるのは配合です。


お客様が満足してくださり、喜んでくださり、またお店に足を運んでくださるものを作ることにこだわる。


自分たちがプロ側になりきってしまうのではなく、常にお客様の立場で、美味しさを追求することが、私たちの課題です。


自分たちが美味しいと感じるものが、お客様が求めている美味しさとズレないこと。
それが、以前お話しした「珈琲日記らしい味」です。

万人ウケするものという意味ではありません。
万人にウケなくても全然困りません。

珈琲日記の味に期待してくださっているお客様を裏切らない味作り。

珈琲日記のファンの方々が、同じように「美味しい」と感じるお店は、共通していることが多く、横のつながりもあります。


私たちは、そのゾーンを常に維持するために、これからもこだわり続けます。


バランス。
食材と食材の相性なのだと思います。


やはり、全てはペアリングなのだと思っています。

お店のこだわりとは、お客様に喜んでもらいたいという思いへのこだわりであって、決して自己満足のためのこだわりではありません。


「こだわり」という言葉は、一歩間違えると自己満足のイメージを与えてしまいますが、お店としてはやはり全てにこだわるべきだと考えています。


食材だけでなく、そのお店を楽しんでいただく、お客様の笑顔へのこだわりも然りです。


お店とお客様のペアリング=笑顔、満足

でありたいですね。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

では、また。

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