スピカ ピンクになりたい
随筆のような、なんでしょうね。
軽い気持ちで読んでください
ピンクになりたいです。今も昔も
私は現在20歳の女子大生だ。厳密にいうと9月で21歳になる。大学の夏休みに入り、まわりからインターンシップや就活など将来についての話がちらほら出てきている。
積極的に活動している子もいれば、何もせず遊び呆けている子もいて、なんだか落ち着かない。当の私はというと、地元で働きたい(就活したくない)という理由だけで、公務員を目指し勉強をしているが、公務員試験のあまりの難しさに挫折中だ。
今は元気に実家で引きこもっている。
就職活動をしなければならない学年になると、面接対策セミナーや、就活生のための企業イベントの情報が掲示板に多く張り出され、いやでも目につく。なんだか急かされているようでやっぱり落ち着かない。
『自己分析で面接対策!』『地元中小企業で働こう!』『まずは企業について知ろう!』『インターン生募集中!』『この夏最高のガクチカを作ろう!』
圧がすごい、色とりどりの告知が所狭しと張られ、学内の一斉メールで大量に送られてくる。
もう何をしたらいいのかも、何を見ればいいのかもわからない。大学側が就活生のためにと送ってはくるが、一瞬だけ目を通してすぐゴミ箱行きだ。私の将来はどうなるんだろう。
私はむかし何になりたかっただろうか。
ふと考える。幼少期によくある質問。
「大きくなったら何になりたいですか?」
ケーキやさんやおはなやさん、まわりの女の子たちはそう答えていた気がする。
私はなんと答えていたか。思い出す。
「ピンクになりたい!!」
そう答えていた。そんなバカなともう一度記憶をたどっていく。
「おおきくなったら、ぴんくになりたいです」
やはりそうだ、ピンクになりたいと言った。
当時、笑われて先生から呆れられた記憶がある。ピンク色が好きで好きで仕方がなく、周りのもの全てがピンクであって欲しくて、自分自身もピンクになりたくて答えていた。
七夕の短冊や、保護者に配られるビデオメッセージでのインタビューでは、先生から却下され警察官になりたいと答えていたが。
なんでピンクが好きなんだっけ。なんでそんなこと言ってたんだっけ。考えるうちにどんどんわからなくなる。自分のことなのに。
思えば私は、私のことを何も知らない。
今何が好きなのか、誰に影響を受けたのか
本当は何がしたいのか、将来の夢はなんなのか
私のことが知りたい。
自分がどんな人生を歩んできて、何を思ってきたか、何を感じたか、何にハマったか。
幸い時間はある。私の過去を、たどっていこう。