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【小説】ぷつぷつの正体
自分の家にはプツプツとしたなぞの小さい穴みたいなのがたくさん開いている。これが一体なんなのかは正直言ってよく分からない。
でもそれほど気になるほどでもなくて、目を凝らさないと分からないぐらいそんな小さいぷつぷつだった。
おそらく換気をするためにあるのかなーとか思っていた。
「さてと、部屋をキレイにしたし友達でも家に呼ぶかなー」
自分は友達を家に誘って遊ぼうとしていた。せっかく引っ越してきたばかりで誰かに早くこの家を御披露目したかったというのもある。
そして連絡を取ってみたところ、早速来てくれるということになった。
ピンポーン
「おお、キタキター!」
「あい、こんにちはー」
「いらっしゃい」
「おお、意外と良い家だね? 入っていい?」
「いいよいいよ!」
友達が家の中に入ってくる。
「今日は泊まるということでゲームとか持ってきたんだよねー。今日は楽しい1日にしよう!」
「ありがとう!」
早速、友達と一緒にゲームをすることになった。
「よーし始めるぞー」
「いいねいいねー!」
ゲームをピコピコと始める。なんやかんやでゲームを楽しんでいると30分ぐらいしてからかトイレに行きたくなる。
「ごめん、ちょっとトイレに行ってくる」
「あっ、オッケー。待ってる」
友達を部屋に残してトイレへと行った。
「ふぅー、スッキリしたー。さてと、戻りますかな」
部屋に戻った。
「おまたせー!」
「………」
「どしたの?」
「いや、なんでもない。それよりゲームの続きをしよう!」
「ふーん、まあいいけど」
なんか反応がおかしい。
そんな時だった。
「変なこと聞くんだけどさぁ」
「うん、なに? なんでも言っていいよ?」
「もしかして他にも住んでいる人いる?」
「え?」
「いやいやいや自分1人だからー! なに変なこと言ってるのー」
本当に言っている意味がよく分からなかった。引っ越してからずっと1人だ。
「いや、なんか妙にどこかから視線を感じるような気がしてさー」
「いやいや、ちょっと怖いこと言わないでよー」
「ごめん、今日泊まろうと思ったけど無理かも」
「え?」
「だって、絶対に誰か見てるもん」
「いやいやいや、他に誰もいないって」
「いやいる! なんで分からないの?」
「え?」
「分からないみたいだから教えてあげるよ」
「あっ、うん」
「あのプツプツみたいなのを見てみてよ」
「うん」
あまり気にも留めていなかったプツプツが一体なんだというのだろうか? 空気を通すためのプツプツだと思って気にしていなかったが、そのプツプツをよく見てみる。
「うそっ…」
「だから言ったでしょ! この家はやばい!」
驚愕な事実が判明した。そのプツプツは全て小さい目だったのだ。引っ越してから今までこの目に見られて生活していたことになる。
「うわぁぁぁぁぁ!」
「早く出よう!」
その日は部屋を飛び出して外で泊まることにした。そしてすぐにその家は引っ越した。今でもこのたくさんの目に見張られながら、違う誰かがそこで生活をしているのかもしれない。