直進3億km
バスケオタク生後7年ですが、ずっと私の中で「推し」という存在は、遠藤祐亮ただ1人でした。BREXを応援している身としては、在籍選手の活躍は嬉しいことに変わりはないというスタンスでした。
きっと今後も推しはただ1人であり、変わることも無く、増えることもないと思っていました。
そんな私の見通しをへし折るほどのスピードで現れた男がいました。笠井康平選手です。そんな彼のことを応援するきっかけになった過程を綴ります。
第1印象
2022-23シーズンを控えた夏、笠井康平選手が入団することが発表されました。「群馬の子だよね?ガードか〜!」という認識でした。
また、ティップオフイベントの際に、遠藤の隣に座っていたこともあり、写真に映り込むことが多かったのを覚えています。当初は、「めちゃくちゃ真面目で大人しそう」という印象でした。
そんな漠然とした意識が変わったのは、プレシーズンゲームやシーズン序盤の試合でした。試合後、いつも辛そうな顔が何故か印象に残りました。もしかして彼のやりたいことが、十分にできていないのだろうか?一体それは何だろう?と感じていました。
その後、1ヶ月ほどロスターから外れ、何故出ないんだろうと毎度疑問に思っていました。
きっかけ
そんな矢先、バイウィークが明けの11月。アウェイ三河戦で、強烈なディフェンスでハッスルする彼の姿がテレビには映っていました。何度倒れても、直ぐに起き上がりマッチアップ相手に飛びつき、ルーズボールに恐れることなく突っ込んでいました。その1つ1つのプレーに、心が熱くなりワクワクが止まりませんでした。彼のハッスルプレーが起きる度に湧くベンチを見て、思わず口角が上がる自分がいました。
この活躍を現地で見届けたい、そう感じた私次週の京都戦が楽しみで仕方ありませんでした。
そう思って間もない頃、私は新型コロナウイルスに感染してしまいました。大学受験を控える妹の存在を考慮し、療養施設で1週間ほど過ごすことになりました。小さな窓のついた狭い部屋に1人。食事を取りに行く時にのみ部屋から出る生活。圧迫感や、得体の知れない不安から気が狂いそうでした。
そんな中、部屋にあるテレビで見た京都戦。一向に良くなる兆しのない体に毛布をまとい、ケホケホと咳き込みながら見たのでした。
懸命にボールを追い、出力300%のようなアグレッシブなプレーから目が離せませんでした。ブザービーターを決め、ベンチに戻り、仲間からもみくちゃにされてる中心で目を細め嬉しそうに笑っている彼を見た時に、なぜか涙が溢れてしまいました。療養で心が弱っていたのもあるかもしれませんが、彼が報われた喜びと安堵だったのだと思います。
惹かれたところ
今思えば、初めてアグレッシブなディフェンスを見た時から笠井康平という男の虜になっていたのだと思います。相手に圧をかけ、まるで獲物を仕留めるかの如く追い詰めるスタイルが大好きです。
時に、コートに身が転がるほどハッスルする姿勢も同様です。怪我を連想させ、ヒヤリとする場面もありますが、彼の一挙一動にワクワクが止まらないのです。
また、プレーとは裏腹に謙虚な姿勢と言葉にも惹かれたと思います。インタビューやBtalksでは、等身大の丁寧な言葉が何度も見られました。 プレーと謙虚な姿勢の相互作用も相まって、魅力が増しているのだと思っています。まるで映画のエンドロールの後、席から立てないほどの余韻に満ちた没入感があるのです。
終わりに
私が今見ているのはBREXの笠井康平です。社会人経験を経て、実業団、そしてプロの道に行ったといいます。車線変更はあったものの、まるで彼は、夢を一心に追い続ける真っ直ぐ続く道なのだと思います。
合流という形になるかもしれませんが、私も背中を追い続けるように笠井康平という男を応援したいと思っています。
BTalksでは、「コート上の指揮者」というタイトルでインタビューが公開されていました。熱風を巻き起こすような激しいプレーも、お日様のような暖かな言葉も、笠井康平の奏でる旋律のなかで何度も見届けていきたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?