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「MとRの物語リライト」、コンテンツの質を高める3つの要素

 自作の小説、「MとRの物語」を今風にアレンジしてしまおうという企画の続きです。前回、ChatGPTに粗筋をブラッシュアップしてもらって、「こりゃすごいや、さすがチャットAIさん。ただし、AIに書いてもらった粗筋を清書するなんていう、AIの奴隷のような執筆はやりたくないので、この企画はここで終了」、ということにさせてもらいましたね。

 と、これで満足しちゃうか、それとも私が清書していくか、ですが、AIくんが考えたストーリーを、人間様である私が清書していくなんて、まさにこの小説通りの、「人類を支配し働かせるAI」になってしまいますね(笑。

 ということで、非常に不本意ではありますが、「MとRリライト」の企画はこれで終了とさせていただきます、ぐぬぬ(笑。

 でね。

 その後、別の「AIに関する小説の粗筋」を、チャットAIさんに書かせてみた所、「MとRリライト」でも提案してくれた、「実はそのAIは、スパイだった」、という展開を、またまた提案してくれました。

「やっば。これ、AI小説あるあるな展開を、提案してくれてるだけなんじゃないの?」、と思ってしまいました。

MとRリライト・ChatGPTとの共同制作版の一部はこちら。人間から政治をまかされた「オルフ」というコンピューターが、監視の目をくぐって片思いのAIを救出したいがために、Rちゃんという女子高生のスマホに、自分の分身を記憶をいじった上でインストールする、という裏設定が、物語の後半で明かされるというものです。

「ここは、どこだ」 目を開けたスマホの中のAI。

「ここは私の部屋。私はR」

「R……?」

オルフは思った。このRという女子高生は、エウリそっくりだ。私の人格をコピーしたこのスマホに導かせれば、この娘は99%、エウリの元にたどり着くだろう。

こうして女子高生Rと、そのスマホにインストールされたオルフ#2の、波乱の冒険が始まるのだった。

 まあ、オーソドックスなスタイル、いわゆるテンプレを使い、おもしろい小説が出来るならそれはそれで問題ないですけど、書き終わって公開した所でパクり扱いとかされると困るので、AIくんがもし出典を表示してくれていたら、確認しておいた方がいいですね。


 と、ここからが今日の本題なのですけど、一応上記のチャットAIくんとのコラボ作品を、仮に今後執筆していくとして(しないつもりですけど)、執筆開始前にできることはもうないのか、というとまだあります。

 詳しくは「効率的執筆法」有料版で、ご説明する予定なのですけど、ご提供がだいぶ先(3年先とか言ってましたけど、それよりは前倒しできそう)になりそうなので、「すでに多くの小説執筆ノウハウの解説サイトで説明されている」、「ここを抑えておくだけで、完成度がぐっと高まる」、という情報に限定して、今お伝えしておきます。

 粗筋決定、プロット決定から、執筆開始までの間に最低限検討しておくべきは、次の3つです。

1.「マクガフィン」を設定する

 マクガフィンというのは、「プロット・デバイス」とも呼ばれます。どういうものかというと、「物語を前進させるための、 象徴的な仮の目的・ゴール」です。中級から上級向けの小説ノウハウ解説サイトで、たまにこの言葉をみかけます。

 例えば勇者が魔王を倒すために旅に出るとします。しかしそもそも、勇者はなぜ魔王を倒すのでしょう? それを明確化するために設定する、「象徴的な仮の目的」が、マクガフィンです。

 例えば、こんな前設定が考えられます。「平和だったある村に、突如怪物が押し寄せた。王属の騎士たちが原因を調べると、その村で大切に守られていた『平和の鐘』が、盗まれていたことがわかった。また、同様な不審な出来事が、王国のいくつかの村で起きていたことが判明した。王はそれらの謎を解くために、『平和の鐘』の捜索のお触れを国内に出した。勇者は張り紙を見てそれを知る。

「平和の鐘……? 俺たちには関係ない話だが……、どうする?」
「国王がお触れを出したということは、それなりの理由があるということでしょう。気になります」
「あたしも気になるにゃ! ちょうど近くの村だし、いってみるにゃ!」
「ふむ。そうだな。そうしてみるか」

 こうして軽い気持ちではじめた『平和の鐘』の捜索が、村人の裏切り、魔族の介入、そして魔王による人間奴隷化計画、というより大きな事件につながっていくという、まあテンプレ的展開ですけれど、マクガフィンを意識すると、そういう流れに導きやすくなるのですね。

「MとRの物語」リライト版でいうと、今の所マクガフィンは設定されておりません。なくても問題なく小説は完成できるのですが、あればあるで、小説の完成度が高まるはずですので、「MとRリライトに必要なマクガフィンってなんだろう?」と、四六時中考え、いい案が浮かぶのを待つのも手。今の所私には、「効率いいマクガフィンの作り方」という手法は明確化できていないため、そこは今後の課題かなと思っております。

2.サイドストーリー、ミニストーリーを織りこむ

 これも私がゼロから考案したものではなく、「おもしろいホラーの書き方」の方法として存在していたものを、ホラー以外にも拡張できるんじゃないかなと思い、私がやり始めたものです。

 ホラー限定でいうと、怪奇現象が何の前触れもなく起こり、ハッピーエンドまたはビターエンドまたはバッドエンドに至る、という、一面的な粗筋だけでは深みが出ないのですよね。そこを補うために、「その村に伝わる伝説」とか、「学校のある場所にまつわる怪談」とか、「ネット上でささやかれる都市伝説」、「過去の思い出話」などを、さらっと説明してから物語を始めることにより、ストーリーに説得力とか、厚みが加わるんですね。

 でね。

 それって別にホラーだけじゃなく、多くの「傑作」と言われるコンテンツ(小説、漫画、映画など)に当てはまるんです。例えばマンガでいうと「鬼滅の刃」とか「呪術廻戦」、「ワンピース」なんかもそうですね。ライトノベルでいうと「リゼロ」、「メインドインアビス」など。

 一見、サイドストーリー、ミニストーリーが存在しないように見える「オーバーロード」にも、ストーリーには登場しない主人公の昔の仲間の思い出話が伝説的に存在するし、「転生したらスライムだった件」にも「シズさん」というキャラの過去が、ストーリーが進むにつれて明らかになっていくという要素があり、これが転スラという物語の「色」を決定づけている気がします。

 ストーリーが一本道でもいいですが、より深みを増すために、別のストーリーライン(飾り糸)を織りこむことは出来ないか、というのを検討してみるといいですね。

「MとRの物語」リライト版でいうと、ネットに噂が流れる、「捕らわれた少女と、それを救出しようとする少年の、夢をみた」というもの。少女Rもこの夢を見た。そしてその後、スマホにインストールしたAIくんのアバターが、その夢の少年そっくりであることに気づき、驚く、みたいな展開が考えられますね。

3.キーアイテムを考える

 キーアイテムは、ストーリーを進めるためのアイテムという点で、マクガフィンと似ているのですが、マクガフィンが象徴としての仮のゴールであるのに対して、キーアイテムは「物語世界に存在する限界、壁、ゲートなどを突破するために、必須の強力アイテム」だったり、場合によっては物語の最初から最後まで、主人公が持っている場合もあり、その点でマクガフィンとは別ものですね。

 わかりやすい例をあげると「ロード・オブ・ザ・リング」の「ひとつの指輪」、「呪術廻戦」の「宿儺(すくな)の指」、「鬼滅の刃」の「日輪刀」。

「MとRの物語」リライト版でいうと、もちろん少女Rが持っているスマホと、そこにインストールされたAI君(少年)、なのですけれど、それ以外に、「AI君を成長させるための更新プログラムの入ったメモリカード」とか、冒険大好きなRちゃんが幼い頃誕生日プレゼントにもらった「少女探偵七つ道具」が終盤役立つ、みたいな展開が考えられますね。

 以上、小説を何度も書いていて、手慣れてしまってはいるものの、伸び悩みを感じている人は、上記の3つ、「マクガフィン」、「サイドストーリーやミニストーリー」、「キーアイテム」、を入れることを検討してみるといいんじゃないかな、というご提案でした。

 逆に小説を書くのが初めての人なんかは、こういう難しいことは置いといて、まずは一作書き始め、完成させることを優先した方がいいですね。

 今回ご紹介した以外の注意点については、「効率的執筆法」有料版で、ご紹介する予定です、お楽しみに!

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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