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夢日記・「三本の手(ホラー)」2018.11.6(火) 6:30頃

私が見た夢を、さらさらっとつづってそのままお届けします。
夢の中独特の、浮遊感、不条理感をお楽しみください。

夢日記・「三本の手(ホラー)」

ある駅前のロータリーにとめられた車中で、私は友人としゃべっている。
つい最近、ある事情で引越し、会えなくなっていた人だ。
顔色は……、よくないが、前からこんな顔だったかな。

と、彼の向うに小柄な女性が見える。奥さんだろうか。
そういえば私は、彼の私生活は全く知らず、
結婚しているかどうかさえ、知らなかった。

彼がハンドルをさばき、車を動かす。
私は妙に車が狭苦しいことに気づいた。
彼が中央で運転をし、
私と、彼の彼女らしき人が、その左右に座っている。
前席三人乗りの、超小型な車だ。

そうだ、彼は、足を患ったのだったっけ……。
私は視線を落とし、彼の脚を見た。
その私の視線にすぐさま気づき、
友人は、「最近ね、こんなことになっちゃったよ」、と言い、
ズボン(?)のすそをまくりあげた。
途端、私は息を呑んだ。
右足のスネの当たりに、何やら手のようなアザがあったのだ。

「前にも話したことあったよね。足がおかしいって。
 それがこんなにはっきりと見えてきた」

アザは、ちょっと濃い肌色という感じで、
そうは目立たないものだが、
驚いたことにそれが、ゆらゆらと動いている。

と、その手の少し下あたりに、
もう一本の手のような模様が浮かび始めた。
私は全身に立つ鳥肌を感じた。

こんなことが……、あり得るのか……。

と、横からもう一本の手が浮かび上がり、
三本の手が、スネの中央にある何かを探すように、
激しく動き争った。
私はまだ、自分の目と脳を疑っている。
本当だとすればこれは、大変なことだ。

どうやら、友人宅についたようで、
扉が大きく開け開かれたプレハブに向かって、
友人は車を突っ込んだ。
6畳程度の小柄な小屋。
車の左前にベッドがあり、その左の壁に箪笥。
左後方には祭壇のようなものがあり、
さらにぐるっと回って右後方には、さっき入ってきた扉がある。

私は車から降りた。いつの間にか靴は脱いでおり、
「スリッパどうぞ」、という友人の声に、
私は白いスリッパをはいた。
床は濃い茶色の木製。白いほこりが浮かび、
物が乱雑に転がっている。

「どうもね、この部屋にある何かが原因らしいんだ」

そうだ、私もそう感じた……。

「ひとつひとつ見てみる。何か感じたら言うね」

私はそう言って、箪笥から左の方へと、
神経をとぎすましながら見ていく。

そんな私がぎょっとしたもの。

 祭壇の上の、なまなましい、人形のクビ。

「これは……」

「うん、それ。それね。
 俺もどうかな、とは思うんだけどね、
 母の形見で700万円するものだって」

「700万円!!」

ごろり、と斜めにおかれた、
大きめのリンゴくらいの大きさの首だけの人形。
これにどんな価値が……。

さらに左に見ていき、私は外に出た。
眼前には古い長屋のようなものが並び、
それぞれが何かを入口の前に並べて売っている。
どうやら緑おいしげる丘のふもとらしく、
ひんやりとした空気がおいしい。

「帰りは俺の車に乗っていきな」

いつの間にか現れた、別の友人が私に言う。
さらに友人は言う。

「原付にのって、あちこちさまようよりマシだろう?」

いや、私は原付に乗ってないから、
という突っ込みを入れたかったが、
私はそうしなかった。私も大人になったのだ。
無駄な議論はしない。

「うん」、とうなづき、暗いプレハブに戻った。

そこで、目が覚めた。

(おわり)

最近いろいろ、気になることがあって、
それが色々とごっちゃになっている感じの夢。
ほんと、夢って面白いですね。

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