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長編文学小説・MとRの物語

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Mというのは、あの、三島由紀夫さんのことです。三島由紀夫さんが現代によみがえり、女子高生とともに小説を書いていく、というお話です。ファンタジーっぽいですが、純文学です。
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2018年1月の記事一覧

68「MとRの物語(Aルート)」第四章 4節 もう一人のR

悩みに悩んだ末の、この選択。これを第四章の最終節としよう! これはもう「サイコライティングの成果」などとは言えない。 主人公の一人であるRちゃん自身が、暴走している。 いわゆる「キャラの暴走」と、同じ現象なのか、違うものなのか。 私自身にもわからないよどういうことなの? 推敲なしのこの荒々しい文体。読みづらかったらごめんなさい。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第四章 4節 もう一人のR その頃Rは、夢の中で聡子と対峙せんとしていた。その場所は「豊饒の海・

69「MとRの物語(Aルート)」第五章 1節 少年M

私の期待をも、さらに裏切る超展開。 これぞサイコライティングの妙(自画自賛。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第五章 1節 少年M  公威(きみたけ)、それが少年の名前だった。後に天才作家、Mとして知られるようになる彼であったが、幼少の頃には祖母に育てられ、女言葉を喋る、いわば「あおびょうたん」であった。彼は今日も、祖母の部屋で折り紙を折ったり、おままごとをしたりして遊んでいた。  寝そべってお絵描きをしていた彼はふと、目をあげて障子を見上げた。その向こ

70「MとRの物語(Aルート)」第五章 2節 3つの願い

今回も推敲なし。できは二の次。いえーい。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第五章 2節 3つの願い  少年の頃のMと手を離したRは、次の瞬間、自分が薄暗い部屋の、赤く火のおこった火鉢(ひばち)の前の、座布団に座っていることを認識した。がら、と板戸が開いて、少年がお茶を運んできた。 「どうぞ」 「ありがと」 Rは温かいお茶をふくみながら思う。これもすべて夢。でも過去を書きかえることの出来る、重要な夢。私は現代のRの身体の中で夢を見ながら、過去のMさんの

71「MとRの物語(Aルート)」第五章 3節 銀色の青い雪の下で

まるでサイコロを振るかのように。 脳内でふったサイコロの、出た目に従い執筆するように。 執筆をつづける私。それはディーン・R・クーンツに学んだ手法の拡張版。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第五章 3節 銀色の青い雪の下で 時の流れを下るRは、周囲に目を向ける。きらきらと光る波や水筋(みずすじ)、荒々しい水の流れによって生じる気泡に、何かの映像が映っている。ゆらめくそれらに目を凝らすと、それは波間に繰り広げられる誰の人生が、反射し、屈折してRの目に届いたも

72「MとRの物語(Aルート)」第五章 4節 水底の竜

ちょっと展開が急すぎる気もするけど、 今は気にしない。このまま進めばいい。 (目次はこちら) 「MとRの物語(Aルート)」第五章 4節 水底の竜  Rは冷たい水に身を震わせた。この水の中では、急速に体力が奪われる。早く元の世界に戻らないと、とは思うけれども、その方法がわからないし、このあとMがどのような人生を歩んでいくかが気がかりである。Rには、Mの妹を救うことは出来なかった。残る2つの願いはどうなったのか。  ひとつ、妹を守る。  ふたつ、竜には気をつける。  みっ