Love&Smile+呼吸=システマ

2019年12月8日蔵岡さんセミナーに参加してきました。

テーマはヴラッドセミナーの復習。

蔵岡さんはもっともヴラッドの近くでシステマを習ってきた方の1人で、ヴラッドの動きや考えを高いレベルで理解しているので、とても良い復習になり、新たな学びを多く得られました。

ヴラッドに日本でシステマを広めるように言われているとのことで、これから東京に参入して来られるそうです。システマ界に大波が来るのではないかとの声も聞こえてきていますが、このタイミングで都落ちしてしまった自分としてはビッグウェーブに乗れずに無念としか言いようがありません。そこまで遠いとも言いませんが、なかなかクラス参加しにくい環境に追い込まれてしまっているので、なにか方法を考えなくてはいけないなと思っております。うーむ。

東京でのクラスについては蔵岡さんの方からアナウンスが入ると思いますので、お待ちください。

当日はセミナーももちろん面白かったのですが、アフターの飲み会も楽しかったです。

CACCスネークピットの宮戸先生が両方ともに参加され、アフターで仰っていたのが、「システマは、“Love&Smile+呼吸”ですね。」でした。曰く、システマに限らず、天才や、時代を作った人の見ている景色は同じなのではないか。ヴラッドの人間性が素晴らしいという話の時に、宮戸先生の師匠(アントニオ猪木さん、カール・ゴッチさんなど)の錚々たる方々もみな「優しい」と仰っておりました。そういった方々とシステマの共通点が“Love&Smile+呼吸”なのではないか。とのことです。

今回の蔵岡さんのクラスもハードなワークをやってるはずなのに、皆笑顔でお互いに成長している。そして、システマの極意である呼吸。極意をはじめに教えてしまうので、初心者もベテランも同じワークができるのも良いですよねとも言って頂きました。

宮戸先生は精力的にいろいろな武術、格闘技を学んでおられ、さらに自ら武術交流の主催者もやっておられます。そして何より、それらを宮戸さんご自身がとても楽しんでやっておられるという素晴らしい方です。武術交流を企画する際も、技術だけではなく、思想だったり、人柄だったりをとても大事にしているのだなと、話していて強く感じました。そのような方にシステマの良さを語っていただき、なぜだか自分も嬉しくなってしまいました。

今回の蔵岡さんセミナーで印象に残ったワークとしては、相手にスラップやストライク、プッシュされている状況下でいかに自然にナイフを取り出せるか。リラックスして自分の動きができるのかというワークです。

ヴラッドのエッジセミナーでも行いました。
このワークの趣旨をその時には理解しておらず、ふにゃけた感じでワークをしてしまい、ヴラッドに「違うよ」とのことで改めてデモを見せてもらうという、少し苦い記憶のあるワークです。

今回の蔵岡さんのセミナーでも、はじめは皆スラップやストライクをかなり控え目に行っていました。
ただ、それは自分達で作ってしまった小さな快適な場所(いわゆるコンフォートゾーン)にいるだけで、オープンではないし、チャレンジングでないとのことです。相手がナイフを取り出せるように気を使ってストライクをするのではなく、ストレスが加わった状態でもリラックスできるようにすることが大切なのであって、ナイフを技術的にうまく抜けるようにするための練習ではないとのことです。以前に蔵岡さんが言われてましたが、「ワークをうまくなってもしょうがない」のです。

なかなかトレーニングパートナーをハードにヒットするのは気が引けるという方も多いかと思います。しかし、そこはお互いに相手をトレーニングさせるために打たなくてはいけないのです。また、ハードに打つことによって、自分自身のトレーニングにしなくてはいけないのだと思います。

ヴラッドとのデモ中に、「ナイフで刺すことに緊張したり、恐れたりしてはいけない」と言われました。そうすることで、自分自身を制限して、自分を苦しめてしまう。結果として、動きがクローズになってしまい、動きの精度自体も悪くなってしまうのです。
今回のセミナーではあまり聞かなかった気がしますが、動画を観ているとよく聞かれる“Just Move”にはそういう意味も込められているのかなと思います。ただ動く。それが難しいんですけども。。
実際にヴラッドに言われてからの動きは軽く、なめらかに動けたように思います。(当社比)

最近、自分ではストライクを受けられるようになってきたかなと思っていたのですが、今回顔や首などを打たれると感情が出てきてしまいました。蔵岡さんが言うには、「感情が出てくるのは悪いことではないけれど、そういう時にはしっかりと回復させること。」

システマで大切にしている言葉の一つに “Know Yourself.”があります。「己を知る」。自分の弱いところに向き合うことによって、痛みや嫌な感情が出てくる、ストレスを感じる。などと、苦しい気持ちになりますが、弱い部分と向き合い、そこから回復するための杖となるのがシステマなのです。
ヴラッドも今年(2019年)の大阪セミナーでトラウマをなくすワークを見せてくれました。
それはトラウマから逃げたり、ないものにしたりするのではなく、痛みと向き合い、回復するワークでした。

また、蔵岡さんは、特にスラップについて、身体を起こす意味もあると言っていました。
エッジセミナーの時に、ヴラッドがナイフで刺しに来ても避けない方がいたのですが、その方に対してヴラッドはウィップで背中を叩き、身体の反応を呼び起こしていました。
その時は身体が浮き上がるように叩いていたとのことです。そうすると痛いので当然強い反応が出てきます。

ウィップに対してそれだけ反応が出るのだから、より恐怖を感じるべきナイフに対して反応が出ないのはおかしいのです。

実際に蔵岡さんのセミナーで、バシバシと叩いていくと全員身体が起きて、ナイフに対しても鋭い反応が出てきていました。

アフターの時には、参加者から「あれだけで30分や1時間ワークしてもいいですよね!」という意見も聞かれ、多くの方の印象に残っていたようです。

僕自身もそうですが、痛みというものをネガティブなものに考えすぎていることが多い気がします。そこに存在するものから逃げたり、ないものとして扱ったりするのではなく向き合うべきに向き合い、しっかりと回復をする。

僕自身は今年の8月にモスクワにて、スティックマッサージ(アプライド・システマ・コンディショニングとも:以下ASD)のインストラクターになったのですが、システマでマッサージをやる意味というものに悩んでしまっていました。
それというのも、ASDでは痛くしようと思えばかなり痛くでき、システマっぽさはあるけれども、本当にそれで意味があるのか。また、痛くしないようにしたときにマッサージの効果はあるけれども、それはシステマである必要があるのか。ということです。

マッサージとはいえ、システマのトレーニングの要素がなければいけない。ASDでなくていいのかもしれないけれど、ASDでできることもあるなと、今回のヴラッドからのセミナーを通して思いました。

最近ではありがたいことに色んな方からASDを受けてみたいという声も上がってきているので、なにか場を設けたいなと思っております。(だいぶ前から口では言ってるんですけども。。。)

とりあえず、12月15日、28日のシステマ東京の特別クラスではASDやらせていただきますので、よろしくお願いします。(告知)


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