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【発表】2024年ミスキャンパス流行語大賞

ミスコン超会議が選ぶ2024年度ミスキャンパス(大学ミスコン)の流行語大賞。ノミネートワード5つが選定され、X/Twitterで投票が実施されました。

ノミネートワード

候補① ロマンス詐欺

「ミス&ミスター東大コンテスト2024」のミスファイナリスト公式アカウントなどを使用したロマンス詐欺が行われていたことを被害者を語る当時「ろ」(現在「う」)氏が告発したことでミスキャンパス界でも一大バズワードとなりました。当該ミスファイナリストは公式アカウントを使用した詐欺行為が行われていたことを認めたものの自身の関与は否定。他者による不正アクセスと説明。(この他者とは「木」氏のことだと言われています。)ミス東大運営(東京大学広告研究会)はミスファイナリストに対し、詐欺(不正行為)に関与していない旨の誓約書および虚偽だった場合の損害賠償覚書を書かせ、ミス東大を中止させることなく開催を強行。不正アクセスだったとしても公式アカウントが詐欺に使用された事件の全体像と責任の所在はあやふやなまま真相は藪の中となりました。過去のミス東大不祥事、例えば数年前にはライブ配信審査(ミクチャ)で学内3位に終わった途端、運営にセクハラされたとファイナリストが訴え出した際には第三者機関が加わっての続行となりましたが、今回は第三者機関が関与することすらありませんでした。

ミス東大ファイナリストによる声明(2024年10月18日1/2)
ミス東大ファイナリストによる声明(2024年10月18日2/2)
東京大学広告研究会による声明(2024年11月22日)

候補② 課金ゲーに堕としてたまるかよ

①に呼応してか、タイムリーにミス東大ファイナリストがつぶやいたことでプチ炎上しました。残念ながら、現在のミスキャンパスは課金力勝負の様相が現実です。

候補③ 男女交互受賞差別

SDGsの目標5「ジェンダー平等」に向けた動きの過剰反応としてミス & ミスターキャンパスコンテストからユニセックスキャンパスコンテストに移行する大学コンテストが増えてきました。しかし、実質が伴っておらず、表面的・形式的に男女混合コンテストにしただけのため、むしろグランプリや準グランプリ、審査員特別賞など正賞の受賞者を男女交互に選出するという明確な男女差別に陥ってしまいました。さらには男女カップリングで正賞を選出するというユニセックスコンテストでありながら性的少数者を排除する男女混合コンテストまで登場。以前までは性自認など自己申告によって出場できるミス & ミスターキャンパスコンテストが拡大傾向にあり、性自認が女性でセックスが男性の候補者や性自認は不明だが女装の男性(男の娘)がミスキャンパスのファイナリストに選出されて出場したり、あるいは男装をする女性がミスキャンパスに出場してそれぞれの「私らしさ」「自分らしさ」を打ち出して活動していました。しかし、ユニセックスコンテストになったことで逆に男女差別が鮮明となったせいか、性的少数者のコンテスト出場が見られなくなったようにも見受けられます。ユニセックスコンテストにしたことでジェンダー(gender)の多様性がむしろ失われてしまうという異常な結果を招いてしまいました。ユニセックスコンテスト移行したキャンパスコンテストには投票結果を開示するなどより一層審査プロセスの透明化が必要です。

候補④ なんでこの人がグランプリ?

純粋な疑問の発露、心の叫びです。特にSNSで人気があった訳でも、ライブ配信審査で上位だった訳でもなく、まして容姿的には他の候補者の方が優れているのになぜかグランプリを受賞したファイナリストが今年2024年度は特に目立った印象があります。

候補⑤ 三大美人戴冠ならず

反ルッキズムのイデオロギー信奉者(woke mind)からミスコンはルッキズムを助長するという根拠なき批判にさらされていますが(パブリックアイビーのウィスコンシン大学は在学生の「Miss America」出場を大学ホームページで応援、また日本でもDEIを尊重する大学は公認でミス & ミスターキャンパスを開催している)、ミスキャンパスの実態は美人劣勢です。かいつまんで言えば、古くは大学サークルの勢力図による学内組織力で容姿とは無関係に組織票によって決定され、現在では容姿とは関係なくWeb投票、ライブ配信審査での課金力・集金力で選出される構図と言えます。大学非公認のミスキャンパスがほとんどですが、公認・非公認にかかわらずミス & ミスターキャンパスはその大学の「顔」を決めるコンテストなのが実情です。故にステークホルダーにとってベネフィットが最大となるようFBTI(face-based trait inference)で好感度を与えられる美しさが追求される一方、「マルチポーラーの罠」(multipolar trap)に陥って美人がグランプリはおろか準グランプリすら受賞できないことが結構多いのが現実です。近年では特に2022年度にその傾向が顕著でした。2022年度はとりわけミス慶應・八木梨早(グランプリ受賞)さんとミス福岡大学・甲斐なずなさんが「二大パーフェクトビューティー」と評されましたが、甲斐なずなさんはグランプリも準グランプリも受賞できず無冠に終わりました(ただし、今年リベンジでミス福岡大学2024グランプリを獲得)。今年はミス福岡大学に再挑戦した甲斐なずなさんとミス青山・村吉姫さんが「二大ビューティー」と評され、それぞれグランプリ、準グランプリを受賞。今年こそは「正統派美人」代表と評されるミス同志社・澤葵衣さんを加えた「三大美人」全員の戴冠が期待されましたが、残念ながら澤葵衣さんは無冠に終わりました。ミス同志社は現在では珍しく審査員を置いているので受賞を逃すことはないと思われたのですが、ここでもミスキャンパスにおける「美人のガラス天井」が立ちはだかりました。

審査・選定方法

投票結果

ミスキャンパス流行語大賞

なんでこの人がグランプリ?

大賞は多くのミスキャンパスで採用されている投票結果などを参考にしつつ運営が密室で決めるブラックボックスシステムにしようかと思いましたが、公明正大に投票結果通りとします。2024年度ミスキャンパス流行語大賞は「なんでこの人がグランプリ?」に決定です。ミス & ミスターキャンパスコンテストおよびユニセックスキャンパスコンテストは投票結果(得票数)を公開するなど選考・審査プロセスをオープンに透明化することが必要です。

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