【おやじの革命8】
〜人は人を理解できない〜
人は人を理解することができないと思って生きてきた。
だから一人で生きて行くつもりだったし、結婚もしないつもりだった。
ましてや、親友と呼べる人は一人か二人でいいと思っていた。
その原因は子供の頃にあった。
福岡県の北九州市で生まれ育った。 幼稚園のころ親父の勤めていた八幡製鉄所の社宅に住んでいた。
社宅から幼稚園までは歩いて20分ぐらいで、幼稚園の先生と歩いて通園していた。
そのグループの中で越智というガキ大将がいて、自分に『家来に成れと!』といつも言っていた。
その答えは、「嫌だ!!」と言っていた。
母親からその理由を聞かれ、「越智は悪いことをするから、家来にならない。」 と言っていた。
あるとき、幼稚園で遊びの時間、そのガキ大将が馬乗りになって、胸ぐら掴んで上から『家来に成れ!』と言っていた。
その時、そばを園長先生が通り過ぎた。
「先生、助けて~!」と必死で言った。
園長先生は仲良くじゃれていると思ったのか、笑って通り過ぎた。
助け舟は行ってしまった・・・・・・・・・・ガク!!それ以来、大人を信用しなくなった。
とずっと思っていた。しかしその時、周りには一緒に通園していた仲間がいた。
馬乗りになられ苦しくて、「助けて〜〜」と言ったのに、仲間は助けてくれなかった。
それ以来人を信用しなくなり、『人は人を理解できない。』
一人で生きて行こうと、子供心に強く決めて生きてきた。
あれから60年”コネクションプラクティス”に出会い、人は人を理解できないかもしれないが、
自分の話を黙って聴いてもらった時、その人との間に暖かいハートの交流が生まれ、幸せな気持ちになった。
新しい生き方との衝撃的な出会いだった。
話しを聴いてもらう度に、心の中の何かが解けて流れ、濁った心がだんだん澄んでくるのを感じた。
今思うのは、人は人を完全に理解する事はできないと思う。でも、理解しようとすることで暖かく寄り添う事はできる。人を理解するとは、心が寄り添う事だと思う。