遅い!!
25歳の頃、福岡県北九州市の木屋瀬(こやのせ)と言うところで、八幡インターチェンジの高速道路の現場にいた。本線が3本、それをつなぐランプが13本ある、複雑なインターチェンジだった。
この工事はボタ山と言われる炭鉱の土捨て場の山を崩して、遠賀川まで盛土するものだった。
用地の問題で半年工事が着工出来なかった。工期も半年延期になるはずだったが延期されず、超突貫工事となった。
そのため、残業が150時間以上を11ヶ月続けることとなった。
日の出と共に現場に行き、夕方事務所に戻り竣工書類を作った。
新聞・TVは見たことがない。酒は寝る前に気を鎮めるため、少しだけ飲んだ。
ただ唯!仕事の生活だった。
突貫工事の始まるとき前の事務所にいたTという女の子とデートした。
夜焼き鳥屋で飲んだとき、年末だったので初詣の約束をして宗像大社に初詣に行った。
一眼レフを持って行って、ポートレートを撮るファインダーの中の彼女が可愛かった。
11ヶ月の突貫工事を終え竣工検査を終えて一息ついた時、彼女を飲みに誘った。
お酒を飲みながら、
「突貫工事で寮で寝るのも寂しいし、目の前の彼女と結婚でもするか?」
と思い、ちゃんと神様の前でプロポーズしようと、近くの神社に歩いて行った。
「俺と結婚してくれない?」と言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『遅い!!』
と返事が来た。
???????????頭の中で100万ボルトの火花が散った。
その後の記憶がない。
なんと彼女、結婚が決まっていた。しかもその相手はよく知っている、ひとつ下の後輩だった。
いろいろあり、その後3人で食事をした。すると目の前で、二人で喧嘩しだした。
勝手にしろ!!と言いたかった自分であった。