写真と思い出
「写真を撮ったらその瞬間のことは忘れてしまう」
というのは結構当たっていると思っていて、
実際一緒に行った旅行先で写真に収めた風景や君の顔なんてあんまり覚えていない。
ごめんうそ、くしゃっと笑う顔はちゃんと覚えている。
でもだから私は、あまり写真は撮らない。
どこにいっても、「あぁこの瞬間を忘れないようにしよう」って、五感で噛み締めるようにしている。
同世代の女子からはだいぶ浮く。
覚えていることといえば、
旅行先で喧嘩して別行動したときの歩いた道の風景とか、
家で机と椅子を並べてちょっかい掛け合いながら大学のレポートを書いたときのこととか、
セックスしようにもゴムが無くなってて手を繋いでコンビニまで歩いて買いに行ったこととか、
バレンタインのプレゼントに“好きなところ100”の小さな本を買って、100個しっかり書き込んだあの時間とか、
しょうもなくて、愛おしくて、凶器みたいな思い出ばかりである。
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