北海道の廃線跡探訪 第81回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)(2/10) 高島~本別間
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪第81回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)その2 高島~本別間です。
この区間は、岡女堂のホームや本別川橋梁、小鉄橋が残っていますが、勇足駅舎は姿を消しました。
これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.高島~勇足
高島のすぐ先の高島十五線川に橋の痕跡はなく、銀河線は国道242号とやや離れながらも並行していく。
路盤はところどころ農地への作業道として使われ、高島十六線川にもなにもないが、三線川や跡見川などには橋台が残っている。
五線にある大森神社から、路盤は作業道となっているが、大森手前の親牛別川は橋台をだけになっているので、駅までは通じていない。
大森も1968(昭和43)年10月設置の仮乗降場からJR発足時駅に昇格、道内時刻表には載るようになったが、当初は全国版には載っていなかった(88年3月号にはある)。
銀河線に継承された後も変化はなかったが、駅跡は空き地となっている。
大森を出ると池田町と本別町の境になっている北十線川にコンクリートの橋台を残し、路盤は次第に築堤となっていく。
この区間には赤いIビームの小鉄橋のほか、「CR○○」(○は数字)のプレートのついた通信柱や距離標が残っており、ここまでで最も鉄道路線の面影を感じさせるところだった。
池北線時代からの赤錆びた距離標と対照的な、コンクリート製の通信柱はまだ新しさも感じさせ、銀河線の意欲的な設備更新がうかがえる。
再び国道に近づくあたりで、路盤は少し消えているが、勇足排水川や勇足中学校近くにも、Iビームの緑川橋梁が残っている。
北海道の難読駅名のひとつだった勇足(「いさみあし」ではなく、「ゆうたり」)は、銀河線時代にコミュニティーセンターと合同の立派な駅舎になった。
正面の駅名表示もそのままで、裏側のホームにはワンマンカー用のミラーと列車停車位置目標や駅名標の枠が残っていた。
構内はホームと同一面まで埋められ、パークゴルフ場となっているが、駅前通りや南本別方の倉庫群には駅の雰囲気が感じられる。
この駅舎は、2017年9月に訪れたときにも、入口にはロープが張られ、あまり使われているようには見えなかったが、2024年に取り壊され、現在は更地になっている。
銀河線時代に新築された駅舎で、解体された第1号になってしまった。
3.勇足~本別
勇足を出ると、農道に並行して路盤が南本別まで続いている。
最初は農道が路盤だと思ったが、東側にバラストの残るヤブがあり、しかも踏切跡には単管の柵があったので、ヤブが路盤だとわかる。
やがて北海道糖業の工場裏手となり、南本別手前のホロナイ川にも勇足方がレンガ、南本別方がコンクリートの橋台が残っていた。
1962年12月設置された南本別の痕跡は、取付道路らしきものがあるだけだった。
南本別の先で路盤は再び国道とぴったり並び、岡女堂へ向かう。
今度は本別ジャンクションで分かれた、足寄インターチェンジへの道東自動車道や本別インターチェンジへの道路をくぐるが、ここでもきちんと国道だけでなく路盤も跨いでいる。
岡女堂の手前には、黄地に黒文字の運転用の駅名表示標「岡女堂」が残っていたが、2023年には路盤に重機が入り、表示標もなくなっていた。
岡女堂はその名のとおり、銀河線開業後、設置費用を岡女堂(豆菓子製造会社)が負担し、1995年9月同社本別工場に直結して設けられた。
駅は国道のすぐ横にあり、廃止後はホームなど一式が、岡女堂により保存されている。
駅を設置した岡女堂自体も経営破綻し、本別工場も苦難の道を歩んでいたが、現在は「合同会社豆屋とかち 岡女堂本家」となっている。
駐車場にはクルマが三々五々集まり、観光客が土産を買っていたから、銀河線と対照的にこちらは再生できたようだ。
駅跡は、駐車場からは本別町観光情報センターの裏側で見えないためか、関心を向ける人がいなかったのも対照的だった。
本別方には観光情報センターや駐車場のため、路盤はなくなっているが、すぐ整備された姿で現れ、本別まで続いている。
本別市街に入ると、路盤は次第に築堤となり、ところどころに勾配標や距離標、さらには通信柱や信号機まで残っている。バラストもそのままで、草もそれほど生えていないことや本別川橋梁の保存を考えると、町の手で整備されているようにも思える。
国道274号の跨線橋は撤去・平面化されている。
やがて運転用駅名表示標「本別」が見えると、本別川橋梁となる。
赤いガーダー2連の鉄橋は「百年鉄橋」として保存され、解説板も整備されているが、渡ることはできない。
せっかく、ここまできれいにしているのだから、岡女堂あたりまで遊歩道としたらどうかと思うのだが。
路盤は橋の先で道路化され、そのまま本別へと入る。
今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は本別から足寄へ向かいます。
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