北海道 鉄道残照~失われた鉄道の遺産あれこれ
その9 国鉄キハ183系登場2
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
ことしからnoteをはじめ、「北海道の廃線跡探訪」なる、国鉄地方交通線の廃線跡を主にした記事を投稿しています。
ここでは車輌や遺構のことなど、つれづれなるまま、書いていこうと思います。
同世代のかたや先輩諸氏にとっては、ご存じのことが多いでしょうが。
今回もキハ183系の続きです。
2.キハ183系「おおぞら」
今はあまりないようですが、転勤や新婚旅行シーズンには、主要駅では、大勢の人たちが見送りをする光景が見られました。
ある日、札幌駅で列車を待っていると、キハ183系「おおぞら」が入ってきました。
これまでの行程で調子がよくなかったのか、停車中さかんにエンジンの空ぶかしをしています。
ただでさえ、やかましいといわれていた新系列エンジンですから、ホームでは会話もできないほどでした。
札幌駅独特?の録音した発車ベルが鳴り、ホームの人たちが万歳をし、デッキに立っている人がおじぎをし、ドアが閉まります。
タイフォン一声、発車するはずでした。ところが、このときはエンジン音だけが高まるものの、ちっとも動き出しません。
ようやく動いたと思ったら、数m先で急停車、おまけにあろうことかドアが開きました。
結局、それから数分間も停まっていたでしょうか。このときの双方の人たちのバツの悪そうな、困惑した表情が忘れられません。
釧路行きの「おおぞら」に乗ったときには、新狩勝トンネル内の上落合信号場で停車後、しばらくして発車。このときもエンジン音が高まるばかりでさっぱり動きません。
そのうち、乗っていた車輌がエンスト。ほかの車輌は動こうとするので、ぎくしゃくと前後にゆすられます。
何回か再起動をくりかえし、ようやくエンジンがかかると、しゃにむに加速し、新得へ向かいました。
キハ40形とはちがい、長時間高速運転をする特急型の新系列エンジンの保守には、かなり苦労があったようです。
3.キハ183系とキハ80系の保存車輌
安平町にある、道の駅「あびらD51ステーション」には、キハ183-214(←キハ183-14)が保存されています。
以前、D51 320が入っていた車庫には、キハ183-220(←キハ183-20)もあります(通常非公開)。
後年、安全対策で取りつけられた、窓ガラス破損防止のための無粋な枠も取り去られ、オリジナル塗装の美しい姿になっています。
キハ80系も北海道では、三笠鉄道村(三笠ゾーン)や小樽市総合博物館に保存されています。
181系以来の国鉄特急型電車の象徴であった、ボンネット型の481系でさえ、晩年には珍妙な塗装にされたのに、キハ80系は最後までオリジナル塗装を失いませんでした。末期にはJR北海道とJR東海にしかいなかったのが幸いしたのでしょう。
もうキハ80系はおろか、新183系すら走っていないのだなあと思うと、さらにJR北海道281系さえ引退しているとは、光陰矢のごとしと、つきなみな文句が浮かびます。
今回も、おしまいまでお読みくださり、ありがとうございました。
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