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北海道の廃線跡探訪 第24回 留萌本線留萌~増毛間(2/2)
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪第24回 留萌本線留萌~増毛間(増毛線)その2 阿分~増毛間です。
なお、これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.阿分~信砂
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※地形図上の丸囲み数字は、写真キャプション冒頭の数字に対応しています
阿分の先のタントシナイ川にはコンクリートアーチの小橋があり、小さなコンクリ橋も残っている。
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増毛線唯一のトンネル、阿分トンネルは、金網で塞がれたポータルが、国道のすぐ横に見える。
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増毛線は、ここから海岸を離れ少し内陸へ向かう。
阿分トンネルの信砂方ポータルも同じ形だったが、手前には小さなIビーム橋もあった。
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信砂の手前の線路沿いには、大きな石碑が建っている。
「遭難之碑」と刻まれた石碑は道路側を向き、裏面には犠牲者の名と建立年月(昭和21年11月)と建立者(札幌鉄道局旭川管理部)だけで、遭難の経緯はなにも書かれていない。
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文献などによると、事故は1946(昭和21)年3月、満員の列車が信砂川橋梁を進行中、最後尾の客車が脱線し河中に転落、18人が亡くなる惨事だった。事故からさほど時間が経たずに慰霊碑が建立されたことからも、関係者の衝撃の大きさが伝わってくる。
この附近の線路は撤去されているが、信砂川橋梁の手前で復活する。
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信砂川橋梁は1992年11月竣功と銘板にあるPC桁3連だが、阿分方の橋脚はあきらかに沈降し、線路も波打っているのがはっきりわかる。
営業末期の写真でも少しそうなっているようにも見える。
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信砂も仮乗降場からの昇格組で、信砂川橋梁架け替えと同時期に、道道94号の反対側に移転している。
跡地には開設時、移転後ともなにも残っていない。
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3.信砂~増毛
信砂を過ぎると再び海岸と国道へ近づいていく。
舎熊は広い空き地になっており痕跡はない。
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朱文別手前にある朱文別川には橋台があるが、朱文別駅跡にはなにもない。
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丘と国道に挟まれ、海岸に沿って増毛へ向かう増毛線は、箸別手前で再び少し内陸へ入る。
小さな切り通しを抜けると箸別川橋梁となるが、橋の手前にはなぜか土盛りがしてある。
ここもPC桁だったが、廃止後比較的早く撤去され、現在は両側の橋台が残るだけになっている。
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橋を渡ると築堤上の箸別となるが、ここにもなにもない。
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集落南側の築堤は歩きやすかったが、線路は撤去されていた。
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箸別を出ると国道の跨線橋をくぐり、その先から線路が復活する。
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増毛港をまわるように、旧国道に沿い、台地のすそを増毛へ向かう途中には、短いIビーム橋やコンクリ橋があった。
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4.増毛
増毛は末期には1線突っ込みとなり、側線や貨物ホームの跡地は、駐車場や空き地になっていた。
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開業時に建てられた駅舎も、事務所部分が解体され、待合室部分だけになった一方、正面入口横に大きな公衆便所棟がつけ足され、開業時の面影はあまりなかった。
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2018年、駅舎は観光の拠点として、増毛町の手で事務所部分を復元するなど整備され、側線跡も駐車場になっている。
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旧駅構内には、ホームや線路も残されているが、車輛の保存はない。
もっとも、駅舎整備は開業時の姿を想定しているので、気動車などがあってもかえって違和感があるだろうし、長期にわたる車輛保存にはそれなりの維持経費もかかるから、賢明な選択ともいえる。
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増毛駅とその附近は、1981年公開の映画「駅 STATION」ロケ地として知られ、駅正面の富田屋旅館や丸一本間家(今の国稀酒造創業者)をはじめ、歴史的建造物も多く、シーズンには大勢の観光客で賑わっている。
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増毛町の人口は、廃止時の2016年でも、最盛期(1950年代:1万5千人)の1/3以下になっていたが、2023(令和5)年4月、現在3,700人になっている。
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今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は久びさの大物、羽幌線です。