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北海道の廃線跡探訪 第49回 松前線(3/4)茂山トンネル~渡島吉岡間
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪第49回 松前線木古内~松前間その3 茂山トンネル~渡島吉岡間です。
この区間もトンネルと橋梁が多く、とくに白符で海岸に出た後は、連続しています。トンネルはすべて残っていますが、橋梁は橋台すらないところもあります。
これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.茂山トンネル~渡島福島
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茂山トンネルの渡島福島方へは、福島川に沿った林道をさかのぼって行く。路盤は一部が林道となり、沢の手前で直角に曲がり、路盤転用区間は終わる。そこから反対側斜面を遠望すると、かなり高いところに鉄板で塞がれた茂山トンネルのポータルが見えた。
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沢に架かる掬沢橋梁は跡形なかったが、路盤を転用した道路には、速度制限標識などが残り、鉄道時代の面影を色濃く残していた。
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兵舞川を渡るところでいったん路盤は途切れ、橋の痕跡もないが、その先は林道に整備され、保線作業時の列車監視台や距離標(29㎞)まで残っていた(タイトル写真参照)。
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路盤に直角に突き出たレールもあった。軌間がほぼ1067㎜だったからトロリー置場ででもあったのだろう。
この区間は林業専用道桧倉線として整備が完了し、2022年にはゲートができていた。
路盤は第2福島川橋梁の手前で再び途切れ、橋や対岸の築堤もなくなっている。
平地になると、路盤は国道と少し離れたところをだいたい並行している。
茂山川にはコンクリートの基礎のようなものがあるだけだったが、コンクリート製の溝橋が残り、一部は農地への通路に使われている。
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コンクリート造の館ノ沢川橋梁は残っているが、この附近の路盤は濃いヤブでとても歩けない。
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渡島福島手前の第3福島川橋梁の痕跡はまったくない。
渡島福島駅跡には町役場が建ち、町役場の構内には鉄道を思わせるものはない。
白符方に松前線のものと思われる落石防止柵があるだけだった。
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3.渡島福島~白符
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渡島福島を出ると、路盤はしばらく舗装道路となっている。やがて路盤は道路から分かれていくが、第1白符トンネルの手前からヤブになる。
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トンネルに向かい切り通しになっている路盤には残土が捨てられたらしく、足元はデコボコで歩きづらい。
コンクリートで塞がれたポータルもほとんど埋まっている。
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第1白符トンネルを抜けた松前線は、林道と白符川を渡っていたが、橋の痕跡はなく、北側に築堤があった。
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上ってみると、案の定ひどいヤブだったが、切り通しの先に第1白符トンネルのポータルがあった。ここも路盤に対して斜めになっている。
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ここから白符川に沿って下り、やがて津軽海峡を望む海岸線へ近づき、第2白符トンネルを抜けると白符となる。
第2白符トンネルの渡島福島方ポータルは、神社の下のヤブのなかに残り、反対側は白符からすぐ見える。
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白符は1957(昭和32)年1月開業の旅客専用駅で、築堤上のホームは撤去されているが、道路脇にある元待合室を改装した物置?がある。
ホームへの階段や架道橋の橋台も残っており、2023年には階段入口に「白符駅跡」と書かれた立札が立っていた。
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4.白符~渡島吉岡
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白符を出るとまもなく澗内川を渡り、すぐ澗内・宮歌トンネルと続いている。
白符方の橋台は道路脇にあり、澗内トンネルのポータルも丘の中腹にかろうじて確認できたが、同じところにあるはずの橋台は見えない。
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澗内トンネルは住宅地の奥に抜けている。民家のすぐ近くだから、家の人にトンネルのありかを尋ね、入らせてもらった。トンネルまでの道は猛烈なヤブだったが、なんとかたどり着くことができた。
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澗内トンネルを出ると、築堤ですぐ宮歌トンネルに入り、途中に距離標(丙号)が残っていた。
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宮歌トンネルの渡島吉岡方のポータルは、目星をつけたところにはヤブが拡がるばかりで、路盤の痕跡もない。しかたなく道へ降りてみたが、集落をうろうろしていると不審者と思われかねないので、庭先にいた人にトンネルや鉄橋の話をきいてみた。
すでに廃止から30年以上経っているためか、はたまた廃線跡探訪への理解がない(当然だろうけれど)ためか、なかなかたいへんだった。
隣の人にも聞いてくれたが、松前線のことを話してくれたものの、「トンネルはもうないよ」といわれた。それでも、なんとか場所を聞き出して、さきほど断念した奥だとわかった。
築堤上はすごいヤブで、宮歌トンネルはその奥に残っていた。附近には継電のリレーボックスなど鉄道施設もあった。
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松前線は、宮歌川橋梁で宮歌の浜を一気に渡っていたが、撤去されている。橋脚のあったあたりには漁船が陸揚げされてから、やはり邪魔なのだろう。
鉄橋を渡った路盤は丘を切り取っているが、そこにも橋台は見えず、ただ、樹木が低くなっているところが路盤跡だと思わせる。
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豊浜の貝取澗川橋梁も痕跡はなく、路盤は丘の中腹を西へ向かい、再び内陸部へ入っていく。
渡島吉岡は砕石工場になっていて、外から見る限り駅を思わせるものはないが、構内に入る手前にコンクリート製の溝橋がある。
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今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は渡島吉岡から終点松前へ向かいます。