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北海道の廃線跡探訪 第91回 白糠線(1/5)白糠~茶路間
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪 第91回 白糠線その1 白糠~茶路間です。
白糠線は戦後建設の新しい路線のため、橋はほとんどコンクリート橋ですが、第1~23茶路川橋梁をはじめ、その数は多く、一部を除き現存しています。
駅舎や保存車輌はないものの、見どころの多い廃線跡です。
ただ、地形図からはもちろん、現在の航空写真や現役当時の空中写真でも、小さなコンクリート橋はその存在がはっきりわからないことがあります。
以前はなぜか真夏に行ってしまったので、今年主要なところを再訪してきました。
なお、これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.白糠線小史
白糠線は、根室本線白糠と池北線足寄を結ぶ路線として、1958(昭和33)年9月着工、1964年10月7日白糠~上茶路間25.2㎞が開業した。
この区間が先行開業したのは、沿線で開坑が進められていた雄別炭鉱上茶路礦の石炭輸送のためだった。
上茶路礦は1966年出炭開始、D51形牽引の石炭列車が走り出し、同年には上茶路~釧路二股間が着工されている。
ところが、1970年2月雄別炭鉱は倒産、上茶路礦の閉山で石炭輸送がなくなった白糠線の貨物輸送量は激減、上茶路の炭鉱集落の消失により旅客輸送量も減少する一方となる。
着工2年後には竣工していた上茶路~釧路二股間は、ようやく1972年9月8日、上茶路~北進間7.9㎞として開業した。
開業が遅れたのは、輸送需要が見こめない延長区間開業に国鉄が難色を示したためといわれる。
開業祝賀列車には、祝意を表し急行形が使われることも多いが、この延長開業では一般形のキハ22形だったのは、国鉄のせめてもの抵抗だったという話も聞いたことがある。
上茶路礦閉山により開業区間だけでは存在意義のなくなった白糠線は、国鉄再建法による第一次特定地方交通線に選定。足寄、さらには北十勝線として新得へ延びることなく、1983年10月23日廃止された。
これは特定地方交通線で最初の廃止であり、上茶路~北進間は開業からわずか11年という、国鉄営業路線として最短の生涯だった。
3.白糠
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根室本線白糠駅構内は、白糠線営業当時からさほど変わっておらず、かつて白糠線が発着していた、島式ホームの北側の3番線は根室本線の列車が使っている。
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2017年8月撮影
元から本線のホームだった1・2番より短く、かさ上げした部分はさらに短いが、普通列車しか使わないので、これで充分足りているのだろう。
白糠線の代替バスは採算が見こめないため、当初から町営でせざるを得なかった。
運行開始にともない、駅舎右手にバスターミナルがつくられ、待合室には白糠線の関係資料が展示されていた。
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開通記念ポスターなどの貴重な資料や、営業当時や廃止時の写真、それに通票閉塞器やタブレットキャリアーなどもあった。
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しかし2022年、バスターミナルは老朽化のため廃止され、駅待合室内に移転している。
白糠線の終点北進がある二股地区までの町営バスは、現在では予約制となり、平日3往復、土曜日2往復、日祝日運休となっている。
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4.白糠~上白糠
白糠線は駅構内を出るとすぐ北へカーブしていた。
国道392号の跨線橋の先まで線路が残っているが、その先には住宅が建ち、町道踏切跡からは遊歩道となっている。
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遊歩道には路盤の雰囲気が色濃く残り、第一号沢橋梁もそのまま使われているが、ちょうど直線となるあたりで道路となる。
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道路から分かれると西茶路さくら公園となり、やがて国道とクロス、ヤブとなった路盤が現れる。
ここで市街地は終わり、農地のなかを進んでいく。
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路盤の一部は農地への作業道に使われ、カリショ川などに架かるコンクリート橋が残っている。
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やがて路盤は西へ大きくカーブ、国道に近づく。
その手前に第1大曲沢橋梁があるが、その先で路盤は農地化され、消失している。
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上白糠は、無人駅には分不相応な駅前広場があり、今でも空き地となっているが、駅自体の痕跡はなく、一隅に錆びた街灯が立っているのがかつての駅の存在を物語るようだった。
2024年には草地整備工事の現場事務所が建っていた。
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今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は、上白糠から縫別へ向かいます。