北海道の廃線跡探訪 第82回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)(3/10) 本別~足寄間
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪第82回 池北線(北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)その3 本別~足寄間です。
本別駅舎や足寄駅舎は道の駅となり、今でも賑わっています。資料室が併設された仙美里駅舎も、バス待合室として利用されいます。
これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.本別~仙美里
本別は、1961(昭和36)年3月、開業時の「ぽんべつ」から、町名にあわせ「ほんべつ」と改称されている。
駅舎は銀河線時代の1991(平成3)年9月、本別町コミュニティーセンターなどが併設された「ステラプラザ」となっており、廃止後の2009年4月には道の駅「ステラ★ほんべつ」として再整備されている。
元の駅構内は駐車場や公園となり、大きく様変わりし、裏手にあった貯木場も宅地化されている。
鉄道関係では、復元された線路とともに跨線橋が残され、その内部には池北線蒸機時代から銀河線までの写真が展示されている。
跨線橋の脚元には半分以上埋められ低くなっている上りホームの一部が見られ、ほかにも柱が縮められた信号機・駅名標・踏切の道路標識などの実物資料や本別駅の歴史の解説板もあり、よく整備されている。
仙美里方のはずれには銀河線時代の気動車庫?が残り、その先も路盤は岡女堂方と同様、ほとんど草の生えていないバラストの残る築堤となっているが、市街地をはずれるとヤブとなる。
パンケフラツナイ川には小さなレンガのアーチ橋があり、並行する国道から見える。
ヤブとなった路盤は、農地のなかを一直線に仙美里へ向かって続いている。
フラツナイ川には赤いガーダー橋、Iビーム橋の狂川橋梁や遠見川橋梁も残っている。
仙美里手前には運転用の駅名表示標が立ち、2023年には近くの踏切の前後は草刈りがされていた。
3.仙美里~足寄
仙美里も銀河線時代、同じ本別町内の勇足とよく似た、コミュニティーセンター併設の駅舎になっていた。
現在はバス待合所として使われている駅舎には、正面、ホーム側ともに駅名表示も残り、仙美里鉄道資料室「仙美里鉄道物語」も設けられている。
仙美里地区や駅の歴史がパネルにまとめられ、実物資料はないが、本別駅跨線橋内より充実している。
ホームには駅名標の枠が立っているが、かつての駅構内はきれいに再整備されている。
仙美里の先のパンケ仙美里川には痕跡なく、第2利別川橋梁ではじめて利別川を渡る。
ここは本別町と足寄町との町境でもあり、国道の仙美里橋から仙美里方の橋台が見える。
利別川最初の橋なのに、「第2」なのは、すでに根室本線に利別川橋梁があるためだろうか。
橋の先で路盤は農地化され消えるが、仙美里ダムの第1号開渠には橋台が両側とも残っていた。
この先からしばらく国道と並び、信濃川にも橋台があるが、路盤はなくなっている。
道東自動車道足寄インターチェンジの先で、路盤はヤブとなって復活する。足寄市街南端の国道241号の跨線橋は撤去され、いったん消えた路盤は、国道西側に移り、やがて遊歩道となる。
遊歩道は旧足寄駅構内の手前で道路の歩道となるが、ここで路盤の痕跡は消えていく(たぶん道路か駐車場)。
4.足寄
足寄駅舎は2004年「あしょろ銀河ホール21」に改築され、現在でも建物はそのまま道の駅となっている。
内部のホームや路盤は売店などに改装されているが、線路が一部復元され、両端には実物大の写真を貼り、線路が続いているように見せている。
ほかにも駅名標や保線用具などの実物、銀河線の紹介パネルなどが、コンパクトに展示されている。
駐車場やバスターミナルがある北側には先代の足寄駅舎が復元され、食堂「ゆめ風ひろば」「足型工房」やバス待合室として使われている。
早朝(6時過ぎ)にもかかわらず、開放されていたバス待合室には、暖房も入っていたのには感心した。
この駅舎は、正面向かって右側だった車寄せ(出入口)が、なぜか逆(左側)になっているなど、厳密にいえば正確な復元ではない。
しかし、車寄せ上部の駅名標(実物?)や窓・扉も違和感はなく、とても現代の建築材料を使って建てたとは思えないほど、よくできている。
裏側にはホームこそないが、差しかけ屋根がある。線路や信号機さらには模造駅名標も設置され、壁にある縦型・筆文字の柱用の縦型駅名標は実物らしい。
レールも日本帝国鉄道発注・ドイツのラインスティール社1907年製を示す「R.S.W. 1907 I.R.J.」の刻印のあるものだった。足寄駅構内にあったものだろうか。
どちらかというと、鉄道駅としては2年足らずしか使われず、銀河線の駅というより最初から道の駅であり、将来に備えていたのではと邪推されるような!? 「あしょろ銀河ホール21」より、こちらのほうが足寄駅や池北線(銀河線ではなく)を偲ぶにはふさわしい。
今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は足寄から大誉地へ向かいます。
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