ゆき

はじめまして。

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  • 13人のスクールランチレディ

最近の記事

これでいいのだ

これでよかったんだ。 すべてこれでよかった。 私の髪の毛は癖毛だし、 白髪多いし、 ガタイがいい。 ずっと髪の毛に矯正かけて まっすぐなフリしてた。 2週に一回白髪染めしないとすぐ白髪になるけど もう追いかけっこは辞めた。 だらしないって思われても そう思ったのはその人の心で 私の白髪は青空に浮かぶ雲のように 真っ白に輝いている。 美しいぐらいだよ。  女の人はいくら本気で筋トレしても ムキムキにはなれませんて言うから ガンガン筋トレして肩バッキバキ

    • 腸活夏休み終わり

      最近、腸活というのが流行ってるではないか。 なんだ? カスピ海ヨーグルトでも半永久的に作り続けることなのか? 朝はヨーグルトとバナナだけとかか? 薄目で見ていた腸活を、 しっかりお目目をおっ広げて見て見たら 侮れないことだ!! と思った話をしようと思う。 YouTubeで、栄養士の擬人化腸活の動画を見つけて とてもわかりやすく まずは味噌汁から始めることにした。 私は味噌に粉々にした干し椎茸と小魚、昆布、あの干した大根、なんだっけ? あれを粉末にして混

      • 別離の夜(完)

        「じゃあ、行ってくるから。自由を満喫しすぎ無いようになさい?うふふ。」 城ヶ崎さんを成田空港へ送り、 俺は3日間自由の身となった。 しょうこのことを今すぐ見に行きたい気持ちは山々だが この間の、車での再会が あまりに衝撃的すぎて俺は しょうこを見に行くことができなかった。 あまり近寄らないようにしていた。 ずっとそばにいてやれないのに たまに姿を見せるなんて しょうこが辛くなるだけだ。 俺はもう、亡霊として生きるんだ。 街を歩いていて気が付いたが 今

        • 記憶の夜

          「もしもし、店長、今日熱があるのでお休みしてもいいですか?」 「しょうこちゃんも熱??流行ってるのかな!お大事にね!店は任せて〜!俺がいるから大丈夫よ〜!」 店長はいつも明るくて陽気で心が広い。 ここ最近微熱が出ていた。 しばらく偏頭痛もしている。 薬を飲んでも効かなくなってきた。 疲れやすくてもうおばさんなのかな。 最近本当に体が弱い。 子どもの頃から体が丈夫なことだけが取り柄だったのに。 とりあえず病院に行かなくちゃ。 今日、先輩バイト来るかなぁ。

        これでいいのだ

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        • 13人のスクールランチレディ
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          再会の夜

          別れてから一年半は経っただろうか。 俺は京都にいた。 「東京に戻ってちょうだい。」 「はい。」 今から東京に行けば、日付が変わる前に着けるか。 無心で運転をしていた。 3回の休憩を挟み、ようやく東京に着いた。 この辺はしょうこの家の近くだ。 それより、今日はもう、休みたい。 信号待ちで俺はぼーっとしていた。 目の前にバイクが現れて右折して行く。 歩行者の方で手を振る人が見えた。 しょうこ? 俺に手を振ったのか バイクに手を振ったのか しょうこなのか

          再会の夜

          中華の夜

          「お疲れ様。初めてのお給料ね。そうだわ。言い忘れてたかもしれないけど、車代、スーツ代、ガソリン代、宿代、あなたのことはすべてあなたの500万から出てるから。うふふ。残りがあなたの給料よ。あとで秘書から連絡が来ると思うわ」 寝耳に水。 上手い話には裏がある。 俺の予定はかなり狂った。 話が違うと暴れるところだった。 現実は疲れすぎて落ち込みすぎて何も言えなかった。 後で秘書とやらから連絡が来た。 車の代金は分割にしてくれるそう。 ところで、城ヶ崎マリという人は

          中華の夜

          満月の夜

          「今日先輩遅いね。」 「あ?あぁ。」 さとしと別れて一年半。 ゾンビのように生きのびた私は 今日も今日とてバイトに明け暮れていた。 あれから私は何か目標が欲しくて バイトを増やしてお金を貯めていた。 引っ越そう。家具も変えよう。 ここにずっといたら、さとしをずっと待って ヨボヨボのおばあちゃんになって。。 それも悪く無いけど 今はとにかく何かに一生懸命になっていたかった。 先輩が来てない。 たまに少し遅刻はしてたけど、 なんだか今日は遅い。 森本も

          満月の夜

          台風の裏

          台風の夜 おれはしょうこの家の近くにいた。 城ヶ崎さんの用があるとかで また、理由もわからずここで待機している。 コンビニにタバコを買いに行くと サラリーマンが風に耐えて ただただ突き進んでいた。 学生たちはひっくり返った傘で笑っている。 みんな駅に向かっているのに 何人かは逆に歩いて行く。 その中に しょうこがいた。 気がした。 ここら辺に来ると たまにしょうこが見えた気がして 目を凝らすことがよくある。 一瞬泣いているように見えたけど 雨が凄すぎて

          最愛の夜

          しょうことの家を出て俺は 覚悟を決めた。 なんとしてでも 金を返して なんとしてでも もう一度しょうこに会いに行く。 勝手だってことはわかってる。 しょうこが幸せなのかを見に行くだけだ。 大切な人を守ろうとして何が悪い。 すぐに城ヶ崎マリに電話をかけた。 「遅かったじゃない。これから迎えをやるわ。」 迎えの車に乗って 俺はスーツのサイズを計ってくるように言われた。 「あなた!股下長いじゃない!肩も張ってるし!いい体してるわね!さすが城ヶ崎さんだわ!よくこんない

          最愛の夜

          静寂の夜

          言ってしまった。 「別れて欲しいんだ」 だなんて 告白したあの日も 海を見ながら将来を約束したあの日も 仲直りしたあの夜も 絶対に言うわけなかったんだ。 そのあと俺はしょうこから目が離せなかった。 どんなしょうこも これで見納めかもしれないと思うと 目が 離せなかったんだ。 なんて言われるか怖かった。 理由を聞かれたら。 嫌だと言われたら。 2人でどこまでも逃げるしか無い。 そんな生活させたく無い。 だから俺は 別れに来たんだ。 別れるために この

          記憶の夜

          すべてが止まってるのに 時計の秒針の音だけが 1秒、また1秒。 さとしがこんな冗談を言わないのはわかってた。 だから 理由が聞けなかった。 真剣な顔で言うから。 怖かった。 この先、生きて行くことが急に怖くなった。 「わかった。」 私がそう言うと さとしは泣いていた。 泣いたわけも 聞けなかった。 泣いてるさとしを見たのは お父さんが亡くなった時以来だった。 「荷物は悪いんだけど捨ててくれるか?」 「うん。」 喧嘩も出来ない、理由も聞けない

          記憶の夜

          失恋の夜

          「さとし!お母さん、大丈夫だった?」 借金のことはしょうこには言ってない。 言えなかった。 「あぁ、まだうなだれてたよ。時間が必要だろうな。仕事お疲れ様。帰ろうか。」 「うん。」 バイトが終わって私はさとしのいる喫茶店にかけていった。 森本は残業する先輩と一緒に残るそうだ。 さとしの顔を見たら 元気がなくて 彼が弱っていることを肌で感じた。 帰り道、私たちは他愛もない話をしていた。 いつものようにポケットに入れてるさとしの手に 私は腕を組んで歩いていた。 で

          審判の朝

          城ヶ崎マリ。 名刺にそう書いてあった。 若いんだか若く無いんだから分からない名前だな。 胡散臭さが増してきた。 でも、背に腹はかえられぬ。 どうにかしなくては。 彼女の働く服屋の前の喫茶店で彼女を見ていた。 なんて話そう。 親父が実は借金を残してて 返すために働かなきゃいけなくて 返し終わるまで 待っててくれるか? こんなドラマみたいな話 あるかよ。 ドラマチックな雰囲気に任せて 待っててくれなんて 言えるかよ。 俺が幸せにしたかったんだ。 俺と幸せになって

          悲劇の朝

          「3000万ですか」 俺は気を失いそうだった。 これからの彼女との生活が 未来が 計画を立てていたのに 全てが崩れる音がした。 絶望ってこういうことなんだ。 父親の葬式から1ヶ月。 母親は毎日泣いていた。 「なんでこんなもん残したのよ!!死んじゃったら聞けないじゃない!!裏切り者!!」 全く飲めなかった酒を飲んで 毎晩叫んでいる。 俺の父親は借金を残して死んだ。 到底すぐに返せる金額じゃなかった。 俺の貯金、母親の貯金、合わせても 足りなかった。

          豪雨の夜

          コンコン ドアがノックされてる。 心臓が飛び出しそう。 全身にドクンドクンと心臓の音が響く。 さとしなのかな。 怖い。 嬉しい。 怖い。。 視界がスローモーションになっていく。 鍵を開けると あちらからドアノブが回った。 「なんだよ。その顔。幽霊がきたとでも思ったのか?」 森本だった。 ガッカリしたんだか 安心したんだか 分からないけど まだ心臓はドキドキしていた。 「これ、先輩がお前にって。あとちゃんと食べたかチェックするぞ。入れろ」 ああ、何も喋っ

          1人の夜

          「もう、迎えにこなくていいよ。私、幽体離脱やめたから。ありがとね。」 森本が迎えにきてくれるようになって2週間。 先輩に目撃されてなんだか先輩も満更じゃないみたい。 「ねえ!あんた最近森本のバイクの後ろ乗ってない?こないだ見かけたんだけど!なーに!できてんのぉ?」 先輩の目の奥に 「私に懐いてる森本に手出さないでよ」 が見えた気がして 「足として使ってるだけですよ。」 「えーひっど!!あんた彼氏と別れてから血も涙もない女になっちゃったの?笑森本可哀想に。今度慰