反観合一、パラダイム、作用反作用、ハイエクの三角形

 これらの秩序と無秩序の並立を示唆する概念は、同時に二元論と一元論の表裏一体を示している。多元論的文化と言われる我々日本人にも、三浦梅園のような思考様式が可能であったことを考えれば、近代文明を受用する素地はあったわけだ。
 近代文明の開闢は、1をまず二つに分けることであった。XとYに方向性が分かれた時に、理性が無限や延長を認識したように。しかし2は3を志向せず1を思考する。統一的な抽象や具象を理性は求めるからである。1と2は常に相補的な形で、理性の領域を拡大させてきた。これはまた闘争を暗示する。
 ジンテーゼのない、しかし闘争と和合がこもごもに回転する。この際限のない形態は、現世の無時間性を思わせる。

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