未来は手の中

詳しくは省くがちょっとした少し関わりを持った方に対し、私の現在の研究について語る機会があったのだが、その時その方から以下の言葉を贈られた。

(前略)これからのお若い方にと、保存しておいたこれらのものがお役立てできるとしたら、こんなうれしいことはありません。

「(伏字)に関する研究」をされているとのこと。どうぞ次の世代に、そして新たな社会への構築に、一層のご活躍をされますよう、今は心より祈念しております。

元A国立大・全共闘議長代行

贈られた言葉

ほんの何でもないやり取りである、と直前まで私は思っていた。が、しかし不意に、とてつもなく熱い、余りにも熱い、身が溶けるかのような、累積している無数の人々のマグマそのものが発する熱風に直接当てられ私は…身が震えた。その時私は殺され彼岸へ行った。
私はこれまでそれなりに多くの人と出会い、触れ合ってきたが、ここまで心を震わされた一言を贈られたことは無かった。
これ以上の言葉を、喜びを私は知らない。

やはり私の存在意義とは現実を変革する所に集約されており、私こそが変革の主体そのものであり、階級闘争史に能動的革命的加害者の1人として名を刻みつけられる運命なのだ。
親族からも何かしらの変革を切に希望する遺伝子は着々と受け継がれ、私の本名はそれを雄弁に語っている。思想は私に現実を、自身を変革せよと叫んでいたが、雲も夜もあった。
彼から贈られた資料は心無しか非常に重く感じ、まるで惑星を持っているかのようで、気付けば私の心象風景でそれは未来となっていた。私は彼より未来を渡されたのだ。それは正に煌々たる輝きで視界が霞む程であり、正しく太陽であり、太陽は私を彼岸へと送った。これ程光栄な事が他にあるだろうか!私は多くの人々よりこれまで未来を託されて来たが、今回、輝く変革の意志そのものと未来の原石を託され、彼岸へ行く権利を獲得し主体を確たるものとしたのだ。真に変革の意志と権利を得たり。
最早私は私だけの身体では無い。私の身体は数多なる人間の意志と蠢きによって構成され、手には未来を握り締め、心には人々の変革の精神、明日の希求の結晶物たる太陽だけが存在しているのだ。もう雲も夜も存在しない。輝きを妨げる物は何も無い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?