ショートストリー:マウイオニオンくんとハイビスカスッコちゃん No.1
ある日、マウイオニオンくんは、
街を散歩していました。
ちょっと上を向きながら、トッコトッコトッコ。
大きく手も振って、元気に歩いています。
街には、たか~いたてものがあり、
その間にきれいなお花が咲いています。
それは、大きなお花でとってもきれい。
人間様がそのお花の写真を撮っています。
マウイオニオンくんがそのお花のそばにいても、
人間様は、マウイオニオンくんの写真を
撮りません。
マウイオニオンくんは、
そのきれいなお花に声をかけてみました。
こんにちは、、。
返事をしません。
聞こえないのかな?
もう一度、こ・ん・に・ち・わ~!
ハイビスカスッコちゃんは、振り返るけれど、
こちらを見ているだけ、、、。
おじぎをしてみました。
でも、おじぎもしません。
マウイオニオンくん、おっかしいなぁ~。
とっても不思議でなりません。
だって、マウイオニオンくんの
お父さんもお母さんも
いつでも、こんにちは、ってあいさつするしね。
だれがおじぎをすれば、おじぎをするんだ。
でも、ハイビスカスッコちゃんは、
あいさつしないし、おじぎもしない、、、。
これは、問題だ!っておもった。
ちょっとはなれた場所に
ハイビスカスッコちゃんのお父さんがいた。
その町では、とてもえらい花。
ハイビスカスッコちゃんのおとうさんに
皆、あいさつするけれど、
ハイビスカスッコちゃんのおとうさんは、
あいさつしない、、、。
だから、ハイビスカスッコちゃんも
あいさつをしない。
だから、ハイビスカスッコちゃんは、
あいさつを知らない。
マウイオニオンくんは、思った。
ぼくは、
おとうさんとおかあさんをやっていることを
いつもみている。
だからおとうさんがやっていることを
ぼくもしている。
やっている。
おかあさんがやっていることを
ぼくもしている。
やっている。
近所のおばあさんにだって、おじぎする。
街のお店屋さんでお買い物をしている時だって、
お店の人が、
こんにちは、いっらしゃい!って言ったら、
こんにちは!っていうのがふつうのこと。
でも、ハイビスカスッコちゃんの
おとうさんやおかあさんは、
しないんだ。
だから、ハイビスカスッコは、しらないんだ。
なんだか、、かわいそう。。。。
と、マウイオニオンくんは、思った。
つづく。