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#聴いてみた Mozartオーボエ協奏曲

NHKFM[「音楽の泉」のMozart作曲オーボエ協奏曲を聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

「オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314」
モーツァルト:作曲
(オーボエ)クリスティーナ・ゴメス・ゴドイ、(管弦楽)ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団、(指揮)ダニエル・バレンボイム
(20分59秒)
<ワーナー 9029507760>

「オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370」
モーツァルト:作曲
(オーボエ)マルティン・ガブリエル、(バイオリン)ライナー・ホーネック、(ビオラ)ハンス・ペーター・オクセンホーファー、(チェロ)フランツ・バルトロメイ
(15分43秒)
<ポニーキャニオン PCCL-00252>

「セレナード 変ホ長調 K.375から 第5楽章 アレグロ」
モーツァルト:作曲
(管楽合奏)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団管楽合奏団
(3分32秒)
<東芝EMI TOCE-55788>


曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

「オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314」

(冒頭の音楽♪)第1楽章オーケストラの序奏に導かれオーボエのソロが始まったところ、これぞモーツァルト、これがモーツァルトという音楽ですね。作曲家が管楽器の為に協奏曲を書く、室内楽やソナタを書く場合、たいていの場合、名演奏家がその創作の背景にいる。そしてその名演奏家は、大抵の場合、作曲家の友人である。
モーツァルトのオーボエ協奏曲は1777年夏、モーツァルトが21歳の時に故郷ザルツブルクの宮廷楽団のオーボエ奏者だったジュゼッペ・フェルレンディスの為に書かれたと考えられている。イタリア人のオーボエ奏者である。
モーツァルトは曲を書き上げた後、その楽譜を手にドイツのマンハイム、パリへの長期の演奏旅行に出発する。マンハイムのオーケストラは当時ヨーロッパ有数の実力を誇り、管楽器の名手が何人もいた。その1人にフリードリヒ・ラムというオーボエ奏者がいた。モーツァルトは彼の演奏に魅了され、ザルツブルクで作曲したばかりのオーボエ協奏曲の楽譜を渡した。ラムはマンハイムで5回ほど演奏した。モーツァルトはそのことをお父さんのレオポルトに報告している。その時ラムが演奏したオーボエ協奏曲は別の作品だったという説もあるが、ラムが大変なオーボエの名手でモーツァルトがとても気に入っていたことは確かである。
一方、モーツァルトはマンハイムで優秀なアマチュアのフルート奏者からフルート協奏曲とフルート四重奏曲を何曲か委嘱されている。
何曲依頼され、何曲完成したのか、例によってよくわかっていないが、協奏曲に関しては既に完成していたオーボエ協奏曲ハ長調をそのままフルート協奏曲ニ長調に編曲したと言われている。
モーツァルトに新作のフルート作品を依頼した依頼主は話が違うと委嘱料を約束通り支払わなかったという話も伝わっている。
1つの仮説だが、モーツァルトにフルート作品を委嘱したアマチュアのフルート奏者はオーボエのフリードリヒ・ラムが演奏したモーツァルトのオーボエ協奏曲を聴き、新作ということで受け取ったフルート協奏曲と同じじゃないか、話が違うと憤慨したのかもしれない。さて、このオーボエ協奏曲は謎が謎を呼ぶ作品である。この曲、長らく楽譜が行方が分からず、何と1920年にザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学でパート譜のセットが発見される。モーツァルトのオーボエ協奏曲、そしてフルート協奏曲創作の背景は複雑で謎が謎を呼ぶ展開になっているが、両方とも素晴らしくオーボエ奏者、フルート奏者、そして私たちにとって宝物であることは間違いありません。オーボエ協奏曲の第3楽章を少し聴いてみましょう。
(第3楽章♪)心も踊るロンド形式のフィナーレ、素晴らしいですね。今朝はベルリン国立歌劇場管弦楽団シュターツカペレベルリンのソロオーボエ奏者、1990年スペイン生まれのクリスティーナ・ゴメス・ゴドイの演奏でお送りします。

「オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370」

先程も少し名前を出したモーツァルトの友人フリードリヒ・ラムの為に書かれた作品。
フリードリヒ・ラムは1744生まれ、モーツァルトより12才年上である。
ラムはマンハイム宮廷楽団とパリで活動した後ミュンヘン宮廷楽団、そしてウィーンで演奏を行い、モーツァルトの他、若き日のベートーヴェンとも共演したようである。モーツァルト時代のオーボエは今とは音域も機能も異なっていたが、モーツァルトは友人で名手のラムの為に、
当時のオーボエ奏者にとってとても難しかった高いファの音を第一楽章と第三楽章の最後に書いた。ただやはりその音は演奏するのに難しかったのでしょう、モーツァルトは前の音とは繋げずに休符をはさんでその音を書いている。さあ、難しいところが来ましたよ、というモーツァルトの洒落っ気でしょうか。

「セレナード 変ホ長調 K.375から 第5楽章 アレグロ」

最後に管楽器のアンサンブルをお楽しみください。
 ハルモニア・ムジークと呼ばれたアンサンブルは、モーツァルトの時代、ウィーンでとても人気があった。基本的な楽器編成はオーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2の8重奏、これにコントラバスが加わったり、管楽器が増えたりした。

Mozartオーボエ協奏曲を聴いてみて

部屋中がオーボエ天使で一杯に✨✨✨✨
流石神の子Mozartの作品である。
このオーボエ協奏曲とフルート協奏曲第2番が同一曲である「謎」。
しかし、奥田先生もお話しされた通り真相がどうであれ、そのどちらもが素晴らしい宝物。
「謎」は「謎」のまま残しておくとしましょう。
 


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