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#聴いてみた モーツァルト作曲「プラハ」

NHKFM「音楽の泉」のモーツァルト作曲「プラハ」を聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

交響曲 第38番 ニ長調 K.504「プラハ」
バイエルン放送交響楽団(管弦楽) 、 ラファエル・クーベリック(指揮)
作曲: モーツァルト
(25分40秒)<ソニー SICC1753>
🖊曲解説へ

ファゴット協奏曲 K.191から 第2楽章
ミラン・トゥルコヴィチ(ファゴット) 、 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団(管弦楽) 、 レオポルト・ハーガー(指揮)
作曲: モーツァルト
(7分6秒)<ワーナー WPCS22037>
故郷のザルツブルクで書かれた ファゴット協奏曲から第2楽章をお送り致します。
1774年の作品、モーツァルトこの時18才、ザルツブルクの宮廷楽団には優れたファゴット奏者が2人いましたが 、創作や初演にどう関わったかは例によって分かっていません。
これからお送りする第2楽章は歌劇「フィガロの結婚」の伯爵夫人のアリアを予告するかのような音楽です。

歌劇「フィガロの結婚」第4幕から 最後の場面
ミケーレ・ペルトゥージ(フィガロ/バス) 、 マリー・マクローリン(スザンナ/ソプラノ) 、 ルチオ・ガッロ(伯爵/バリトン) 、 カリタ・マッティラ(伯爵夫人/ソプラノ) 、 フィレンツェ五月音楽祭合唱団(合唱) 、 フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団(管弦楽) 、 ズービン・メータ(指揮) 、 そのほか
作曲: モーツァルト(7分21秒)<ソニー SRCR2737>
最後にオペラ「フィガロの結婚」の最終場面をお送り致します。
全部で4つの幕からなるこのオペラ、アルマヴィーヴァ伯爵夫妻に仕える平民のフィガロとスザンナが機転を利かせながら幸せな結婚式を挙げるまでの1日を描いています。
その過程では驚きの人間模様が明らかになり、誤解や嫉妬も生まれました。 貴族階級を皮肉る一方で、愛・平和・許しをテーマとした「フィガロの結婚」はウイーンで初演された後、プラハで大人気を博しました。
第4幕の最後の場面、スザンナと伯爵夫人はスザンナに下心を抱く伯爵を懲らしめる為に服を取り換えて伯爵を待っています。
その計画を知らなかったフィガロは混乱しますが、女性達の芝居に騙されたふりをし、実は声で分かっていたよとスザンナと仲直り、2人は愛を確かめ合います。
パーチェ、「平和を」という歌詞が聴こえます。
今朝はその場面からお送り致します。
一方伯爵は夫人が浮気をしたと怒りをあらわにしたまま、フィガロやスザンナ達はぺルドーノ、イタリア語で「許してください」と繰り返し、伯爵は許さんと大騒ぎになりますが、事の次第を知った伯爵は最後自分の非を認め夫人に謝ります。
コンテッサ ぺルドーノ 「伯爵夫人よ許してくれ」というシンプルなイタリア語の台詞とモーツァルトならではの跳躍音程が聴こえます。
そして最後は愛と大騒ぎの今日と言う日に感謝し、さあ花火を打ち上げて楽しいマーチの調べに合わせてみんなでお祝いに行きましょうと歌い、喜びに満ちたニ長調のアンサンブルでオペラは幕となります。

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

🖊今朝はモーツァルトの交響曲第38番「プラハ」をお送り致します。
(♪~)第1楽章、何か楽しいこと、素敵なことが始まりそうな感じです。
今の部分は構えの大きな序奏に続いて登場します。
交響曲第38番「プラハ」は1786年にウィーンで作曲され、翌1787年1月にプラハで初演されました。
モーツァルトこの時32才、曲が書かれた1786年はイタリア語のオペラ「フィガロの結婚」が作られウイーンで初演された年でもあります。
「フィガロの結婚」はウイーンの新聞にも「このオペラを傑作と認めないならばそれは陰謀か無知によるもの」と記されたほど評判になったのですが、上演は9回でストップ、 貴族階級をからかい皮肉ったフィガロの結婚はハプスブルグの帝都ウィーンで表情豊かな音楽の出来栄えとは関係なく問題視されたのかも しれません。
しかし、「フィガロの結婚」はその年の暮れ、音楽好きのボヘミア貴族や裕福な市民がいたプラハで大評判になります。
それでプラハの愛好家たちはウイーンのモーツァルトを招待することになりました。
1787年1月中旬、モーツァルトはプラハに到着、「フィガロの結婚」を上演していた劇場で舞台挨拶を行った他、別の日には自ら指揮 もしています。
そしてオペラの休演日に自作自演のコンサートを行いました。
そこで演奏されたのが祝祭的なニ長調で書かれた交響曲、すなわち交響曲第38番「プラハ」です。
この「プラハ」という愛称はモーツァルトが付けたものではありません。
当時のウイーンの交響曲は4楽章構成が一般的でしたが、「プラハ」は全3楽章、オペラを書いていた時期の作品、ということで、イタリアの器楽の様式美、或いはオペラとの接点を意識したのかもしれません。
第3楽章の冒頭を少し聴いてみましょう。
(♪~)颯爽とした音楽が聴こえて参りました。
この第3楽章の主題は「フィガロの結婚」の第2幕でスザンナと少年ケルビーノが大慌てで歌うデュエットの調べに通じるものがあります。


🖊モーツァルト交響曲「プラハ」を聴いてみて

モーツアルトの傑作、交響曲第38番「プラハ」。
この多幸感溢れる楽曲には、とびっきりの明るさだけではない「品」を感じる。
そしてより良いものを創っていこうとする「職人」モーツアルトの意気込みも十分に感じられる曲になっているとただただ感嘆。



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