好きな女の子が映画に影響されてしまいました…
あの子がこんなことをするなんて
想像出来ませんでした…
ー
学校はつまらない
学校に来てもすぐに帰りたい
勉強は好きじゃないし
先生の話を聞くだけの授業なんて寝ちゃうし
そんな学校だけど
学校での楽しみや嬉しいことはある
それは
僕のクラスの同級生の女の子と話すこと
その子の名前は
小川彩
この子のおかげで毎日が楽しい
ー
最近周りからよく言われること
あーやと仲が良いよねって
確かに自分でも最近いい感じだなと思ってる
教室にあーやが入ってきた
彩:みんなおはよ〜
可愛すぎて
クラス全体で守っていこうとなっているあーやの隣には
一ノ瀬さんがいる
話し声が聞こえてくる
別に聞き耳を立ててるわけじゃないけどね
美空:ねぇあーや?
美空:いつまで手握ってるの〜?
美空:そんなに離したくないなら接着剤でくっつける?
彩:くっつけないよ!
美空:そうだよね〜
美空:くっつくとしたら〇〇くんだもんね〜!
彩:ねぇ!
彩:美空!
こんな風にいじられることも増えている
美空:ほらぁ今日も〇〇くんのとこ行かないの〜?
美空:愛しの〇〇くんのとこ!
彩:ねぇ〜!
彩:いじらないで!
美空:ごめんって〜
美空:でも最近いい感じだからそのままくっついちゃうかも!?
彩:美〜空!!
美空:ごめんねあーや!
美空:ほら早く行ってきなよ
彩:もう…!
彩:じゃあ行ってくる…!
美空:は〜いいってらっしゃ~い!
そのままあーやは僕の席に来た
彩:〇〇くんおはよっ…!
さっき一ノ瀬さんにいじられたからか少し恥ずかしそう
彩:〇〇くん今日ね彩ね
彩:このリボンつけてみたんだけどどうかな…
くるりと1周し見せてくれる
ちょっと心配そうにして聞いてくるとこが可愛い
〇〇:かわいいよ
〇〇:リボンも可愛いし
〇〇:リボンを付けてるあーやも可愛い
〇〇:でもあーやが付けるからリボンも可愛く見えるのかな?
彩:ほんとっ…?
彩:彩もこのリボン可愛くて好きなんだぁ!
〇〇:リボンよりもあーやの方が可愛いけどね
少し身を削り恥ずかしいことを言ってみると
彩:えへへ…
彩:ありがとう…
めっちゃ照れてる
そこからは最近ハマっていることの話を
彩:彩はね最近スパイとか怪盗とかのね
彩:秘密の情報だったりお宝を盗んだりみたいな映画にハマってるの!
〇〇:へ〜僕もね結構そういうの好きだよ
彩:じゃあ…
彩:今度一緒に見に行かない…?
〇〇:うん…!
〇〇:いいね行こう…!
彩:やった…!
デート?の予定も出来て一旦話が終わり
お昼休みになる
彩:〇〇く〜ん!
彩:一緒にご飯食べよ〜!
〇〇:いいよ〜
最近はあーやがお弁当を持って僕の席に来る
彩:じゃあ!いつ映画見に行くか予定!
彩:決めよっ?
〇〇:いいね!
彩:あ、
彩:〇〇くんのお弁当トマトいっぱいある!
〇〇:あーやトマト食べたい?
彩:いや、〇〇くんトマト好きなんだなって
彩:彩と同じだね
彩:あ、彩もお弁当にいっぱい入ってるから大丈夫だよ
〇〇:僕トマトが一番好きでね
〇〇:よくお弁当に入れてもらってるんだ
彩:そうなんだ…
〇〇:どうかした?
彩:いやっ…
彩:あ!
彩:話がそれちゃったね!
彩:どうする?
彩:もしよかったら明日とかはどう?
〇〇:明日か…
〇〇:予定は…ないからいいよ!
〇〇:じゃあどれ見るか決めないとね
〇〇:今日の夜に電話して決めない?
彩:うんっ!
彩:そうしよっ!
予定決めも一段落
お弁当に目を向けると
〇〇あ!あれ…?
〇〇:トマトが無い!
〇〇:最後に残してたのに!
〇〇:誰かに取られた!?
楽しみにしていたトマトを捜索していると
彩:〇〇くん!
彩:じゃじゃ〜ん見て!
あーやの箸に挟まれたトマトが
〇〇:トマト!
〇〇:え!?なんであーやがトマトを!
彩:お宝を盗むような映画ばっかりみてるからつい…
彩:彩も人の目を盗んで
彩:やってみたくて…
〇〇:可愛い理由…!
〇〇:なんだぁびっくりした…
彩:じゃあ!あーやが食べさせてあげる
彩:あ〜ん!
〇〇:うまっ!
〇〇:あーやが食べさせてくれたからより甘いなぁ…!
ー
その日の夜だった
お風呂を済ませ
あと少しであーやと電話の時間
〇〇:明日の予定決めきらないとなぁ
家の廊下を歩きドアの前に
すると
部屋の中から
ガサッガサ
ゴソゴソ
物音が
え…なんか音聞こえる…
〇〇:暑くて窓を開けていたけど…
〇〇:動物…?
〇〇:でも網戸してたし…
〇〇:家族は…
〇〇:多分違うな
〇〇:じゃあ…
〇〇:泥棒!!
泥棒の可能性を覚悟して部屋のドアを開けると
そこには
?:へへ…
?:ふふっ…
?:すんすん
?:す〜〜〜〜…
?:はぁ〜…!
?:いい匂い…!
やっぱり泥棒が
しかもタンスやクローゼットに収納されている
あらゆる衣服を取り出し匂いを嗅いでいる
恐怖はあるが一旦捕まえることに
〇〇:おいっ!
〇〇:何してるんだよ!
?:えっ…!
?:あの…!
?:これは違うの!
〇〇:何が違うんだ!
〇〇:こんな全身真っ黒の服着て!
〇〇:いかにも泥棒ですって格好!
〇〇:ちょっと顔!
〇〇:だせよ!
少し深めに被っていたフードを強引に脱がせ
顔を確認すると…
〇〇:え…!?
〇〇:あ、あーや…!?
なんとそこにはいつも学校で見る可愛らしい
あーやの姿が
〇〇:な…なんで!?
彩:あ、あ…やっほ〜…
彩:じゃあ帰るね…!
彩:バイバ…
〇〇:ちょっとまって!
彩:なに?
〇〇:いや…あーやだよね?
彩:違いますよわたしの名前は
彩:怪盗トマト!
〇〇:…無理でしょ
彩:でもあーやって証拠は何も無いじゃない!
〇〇:朝見せてくれたリボン…
〇〇:まだ付いてるけど…
彩:え!
彩:覚えててくれたの!
彩:あっ…!
彩:これはリボンじゃないです
〇〇:…無理でしょ
〇〇:とりあえず話聞くから
一旦あーや(自称怪盗トマト)をベッドの上に座らせる
〇〇:それであーやはなんでこんなことしてるの
彩:まだ彩って決まったわけじゃ!
彩:彩じゃないかもしれないし!
〇〇:自分のこと彩っていうの
〇〇:あーやしか居ないでしょ
〇〇:みんなあーやって呼んでるし
彩:あぁ…しまった…
そして怪盗トマトの正体を見破る
〇〇:改めて聞くけどなんでこんなことしてるの
彩:あの…
彩:スパイ映画に憧れて…
〇〇:えぇ…?
〇〇:あれガチだったのか…
〇〇:そういうのって小学生くらいで終わるでしょ
〇〇:ヒーローの真似して闘うとか
〇〇:プリキュアごっことかみたいなのは
〇〇:ちょっとしたボケだと思ったのに…
彩:1回だけでも経験してみたくて…
〇〇:でも勝手に家に上がるのはダメだよ
彩:ごめんなさい…
〇〇:なんで僕の家に入ったきたの
彩:〇〇くんの家だって知らなくて…
彩:美空のお家にすればヨカッタネ…
〇〇:そういうことじゃない…
〇〇:てかどの家でもダメだけどね!?
〇〇:あとこんなにタンスにクローゼットに荒らして
〇〇:何か盗もうとしてたんでしょ
彩:別に…
彩:何も盗まないもん
〇〇:じゃあなんでこの袋に僕の衣類が沢山入ってるの
彩:盗もうとしてないもん!
彩:違うから!
彩:この袋に入ってるのは逃走するために変装で使うんだもん!
〇〇:どうやってこれで変装するのさ
彩:被ってとか?
〇〇:袋の中にパンツがいっぱいだけど?
〇〇:僕のパンツは変装用だったのか…
〇〇:変わった趣味だね…
彩:そんな趣味ないもん!
〇〇:なんでこんなことしたの…
彩:だって…
彩:怪盗はお宝を盗むんだよ!
彩:やってみたくて…
〇〇:ちなみにこの部屋のお宝は何だったの?
彩:〇〇くんの制服と…パンツ!
〇〇:…あーや大きな声でパンツとか言わないの
〇〇:あと!
〇〇:僕が部屋に入ってきた時に何かの匂い嗅いでたね!
〇〇:なにを嗅いだのか理由もちゃんと教えて
彩:えぇ…言わないとダメ…?
〇〇:ちゃんと言って
〇〇:そうしないとあーやのこと許せなくなっちゃうから
彩:分かった…
彩:え〜っと…〇〇くんのパンツを嗅いでました…
〇〇:なんで恥ずかしがってるの
〇〇:さっき大きな声で言ってたじゃん
〇〇:なんで嗅いだのかここ重要だよ
彩:〇〇くんが好きだったから…
〇〇:……
彩:何か言ってよ!
〇〇:ちょっと聞こえなかったかも…
彩:〇〇くんが好きだったの!!!
彩:だから匂いを…嗅いだの…
彩:相手の匂いが好きっていうことはその人の遺伝子を本能的に求めていることになるみたいなのがあるじゃん!
彩:止まらなくて…
〇〇:シチュエーションが最悪だぁ…
〇〇:本来なら嬉しいのに…
〇〇:好きな女の子からの告白…
〇〇:嬉しいのにぃ…
彩:え…!
彩:〇〇くん彩のこと好きなの!
〇〇:いやぁ…ちょっとまってよぉ…
〇〇:なんでこんな場面で両思いなのが発覚するんだ…
〇〇:素直に喜べないって
彩:じゃあ明日の映画はもっと楽しくなるね!
〇〇:あぁ!明日映画行く約束してるんだった
〇〇:衝撃的すぎて忘れてた…!
〇〇:今のあーやとスパイ映画?
〇〇:無理だよ!
〇〇:この場合はなんだ?
〇〇:警察か?
彩:ちょっとまってよ!
彩:警察はなしだよ!
彩:彩盗んでないよ!
彩:匂い嗅いだだけだもん!
〇〇:結構アウトだけどなぁ…
〇〇:う〜ん…どうすれば…
〇〇:あっ!
〇〇:僕が逮捕すれば良いのか!
彩:どういうこと…?
〇〇:あーや…2度とこんなことができないようにしないとね
彩:え…?
〇〇:好きな女の子が泥棒だなんて
〇〇:僕は嫌だよ
ジリジリとあーやを壁際へ
〇〇:問題を起こさないようにしないと
あーやが完全に壁に追い詰められ
壁ドォン!
〇〇:え…?
〇〇:あーや現行犯逮捕…!
〇〇:明日は映画デート?だったよね
〇〇:明日はお家で取り調べデートだよ…?
〇〇:逃さないから
彩:は…はいぃ…!
こうして泥棒は僕が逮捕をして
僕の側から逃げられないようにしました
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