後輩は本気です…
ー
?:〇〇先輩〜…
?:〇〇先輩!!
彩:彩!〇〇先輩のお嫁さんになりたいですっ!
〇〇:ありがとうね
〇〇:でも厳しいかな…
彩:…でも!彩の気持ちは絶対に変わりません!
〇〇:ふふ…
〇〇:じゃあ彩ちゃんの気持ちが変わらなかったら結婚しようか
彩:はい!します!
彩:絶対に!
彩:待ってて下さいね!
ー
〇〇:う〜ん…朝か…
〇〇:またあの夢見たし…
〇〇:てかなんで中学生で幼稚園生とするみたいな約束したんだろ…
〇〇:まぁもう彩ちゃんはそんなこと忘れてるでしょ
今年で3年目の高校生活を迎えて1週間
クラスメイトは去年と変わらず
受験生という肩書が増えた
今日もまたいつも通り学校へ向かう
ー
中学生の頃よく懐いてくれていた後輩との約束
そんなのはその時の冗談みたいな
ちょっとしたおふざけだよなぁ
なんて思いながら登校していると
?:あ~!!いた〜!!
朝なのに大きな声が聞こえてきた
興味を示さず歩き続けていると
チョンチョン
肩をつつかれた
振り向くと
?:やっぱり!
?:〇〇先輩だ!
小動物みたいでとても可愛い女の子が
〇〇:えっと…誰だ
?:えぇ!〇〇先輩わすれちゃったんですか!?
〇〇:ごめん…
彩:小川彩ですよ!
彩:中学校の後輩ですよ!
〇〇:…あっ!
〇〇:あぁ〜!!
〇〇:彩ちゃんだ!
彩:もう!なんで忘れちゃうんですか!
〇〇:ごめんって凄い綺麗になっててさ
彩:えへへ…
彩:嬉しいです…!
彩:先輩のためにいっぱい頑張ったんですよ…!
〇〇:ん?僕のため?
彩:そうですよ
彩:あのとき約束したじゃないですか!
〇〇:や…約束…
〇〇:まさか…!
彩:〇〇先輩との結婚です〜!
彩:ようやく〇〇先輩見つけれましたよ〜
彩:もう早く結婚したくて!
〇〇:あれって本当だったの…?
彩:もしかして…
彩:先輩彼女出来たんですか…?
彩:だから結婚出来ないってことですか!?
〇〇:いや…あれはジョークとかさそういうのではなく?
彩:全く違います
〇〇:oh…全否定
彩:彩は本気ですよ!
彩:あの頃から気持ちの変化はありません!
〇〇:もう忘れてると思ってた…
彩:そんなわけないじゃないですか!
彩:〇〇先輩と結婚するために同じ学校に進学してきたんですから!
彩:忘れてたとか覚えてないは通用しませんからね!
〇〇:いやぁ…ちょっと…
彩:〇〇先輩結婚しましょう!
〇〇:でもさ僕は年齢的にもうすぐできるけどさ
〇〇:彩ちゃんはまだじゃん
彩:そんなの関係ないですよ!
彩:彩と〇〇先輩が結婚っていえば結婚です!
〇〇:わーお凄い考えだ
〇〇:まぁ…一旦さ結婚は保留して学校行こうか
彩:嫌ですぅ〜!
彩:結婚!
彩:結婚!
彩:〇〇先輩と結婚するの〜!!
なんと中学生のときの約束を果たしに来た後輩に
結婚を迫られてます…
ー
彩:ねぇ〜!
彩:〇〇先輩!
彩:結婚は!?
彩:〇〇先輩彩と結婚するって言ってくれたじゃないですか!
〇〇:おい…彩ちゃんいつまで着いてくるんだ
彩:先輩が結婚を認めてくれるまでです
彩:〇〇先輩!彩との結婚〜!
〇〇:ちょっと声でかい!
〇〇:周りに変な目で見られてるだろ!
彩:周りに変な目で見られても否定されても
彩:2人で支え合って生きてきましょうね
〇〇:困難の多い結婚生活じゃないか!
そんなこんなで教室に到着
〇〇:どこまで着いて来てるのさ…
彩:結婚できるまでです
〇〇:はぁ…
〇〇:なんかクラスメイトにめっちゃ見られるんだけど
彩:〇〇先輩のお嫁さん可愛いって思われてるんじゃないですか?
〇〇:そんなわけないだろ
彩:〇〇先輩結婚しましょ〜!!!!
〇〇:声でかっ!
〇〇:一旦喋るな!
手で口を抑える
彩:ムグッ
彩:モゴモゴッ!
彩:ンーン!!
〇〇:結婚って使わないで教室で
彩:ンーン!!
彩:ベロベロ
〇〇:うわっ!手を舐めるなよ!
彩:なんでですか!
彩:〇〇先輩が結婚してくれるって言ったんですよ!
奈央:なになに?
奈央:〇〇結婚するの〜?
〇〇:ね〜助けてよ奈央
〇〇:朝からずっと結婚してくれって言ってるんだけど
彩:誰ですか!
彩:女!?
〇〇:あ〜クラスメイトね
彩:〇〇先輩…なんで女なんてつくってるんですか…
〇〇:ちょい言葉遣い
奈央:え!〇〇の彼女だってさ〜
〇〇:ちょっと奈央くっつくなよ
彩:あぁ〜!?浮気だぁ〜!!
彩:ダメ…!
彩:〇〇先輩を取らないでぇ…
彩:そんなの耐えられない…
〇〇:なんか可愛そうだな…
〇〇:奈央やめてあげて
奈央:は〜い
〇〇:てか奈央どうしたら良い?
奈央:ん〜結婚しちゃえば?
〇〇:適当だなぁ…
奈央:彩ちゃん可愛い〜
ギュッ〜
彩:だぁ!やめてぇ!
彩:ライバル!
彩:敵!
彩:因縁!
彩:ほっぺすりすりしないでぇ!
〇〇:いや楽しそうだな
時間を見てみると
〇〇:ん?もうそろ時間だけど
彩:あっ!やばい!
彩:〇〇先輩!
彩:絶対〇〇先輩と結婚するんで!
彩:アピールしまくりますからぁ〜!
〇〇:足早っ
凄いスピードで教室を出ていった
奈央:彩ちゃん可愛いね
〇〇:まぁそうだね
〇〇:奈央変なことするなよ
奈央:分かってるよ〜
〇〇:疲れた…
ー
それから彩ちゃんの猛アピールが始まった
授業が終わると休み時間は毎回
彩:〇〇先輩!
彩:彩と結婚するんですから他の女なんて見たらダメですよ!
と注意と監視をしにくる
暇なのか?
友達は?
お兄さん心配になっちゃう
そんなことを彩ちゃんに聞いたところ
彩:友達とは仲良くやってるんで大丈夫ですよ
彩:もしかして…
彩:彩のこと好きになっちゃいましたか!?
彩:だから心配になっちゃったとか!?
〇〇:いや、普通に心配だっただけ
彩:もう〇〇先輩彩のこと好きすぎですよ〜!
なんかムカついたので
〇〇:もう心配するの辞めるね
と伝えたところ
彩:あぁ!ごめんなさい!
彩:調子に乗りました〜…
謝ってくれたので
〇〇:うん、僕ちゃんと謝れる子好きだよ
と言ってみると
彩:え…?
彩:好き…?
彩:へっ…へへ…
彩:好き…へへっ…
こんな気持ち悪い笑い方をしたので褒めるのは
しばらく辞めることに決めたのは内緒の話
お昼ご飯時間も同じ
彩:〇〇先輩は彩の料理か
彩:〇〇先輩のお母さんの料理しか食べちゃダメです!
〇〇:いや、もっと食べさせてくれよ…
彩:彩が美味しく作れるので問題なしですっ!
〇〇:はは…マック食べたい…
彩:彩がハンバーガー作ってあげますよ〜
彩:食べたいものがあったら言って下さいね〜
グゥゥ…
〇〇:あ…
彩:こちら〇〇先輩のための愛妻弁当ですっ
彩:食べさせてあげますね
〇〇:てかさなんで机挟んで対面なの?
彩:2人でテーブルを囲んで夕食みたいな
彩:こっちのほうが結婚してる感があるかなぁと
〇〇:横来なよ
彩:え?
〇〇:いや横のほうがいいんじゃない?
〇〇:別に結婚してないし
〇〇:来ないならいいけどさ
彩:い、行きますっ!
彩:せっかくの〇〇先輩からの提案なんで!
ちょこちょこと椅子を動かし隣へ
彩:おぉ…こっちのが近づけていいですね…
〇〇:やっぱり?
彩:〇〇先輩の言う通りでしたね!
彩:じゃあまずこれから食べさせてあげますね?
〇〇:いやぁ…彩ちゃん料理上手だね〜
〇〇:もういつでも結婚出来そうだね…
彩:〇〇先輩のためですから!
〇〇:おぉ卵焼き美味しそうだなぁ
〇〇:…
彩:で、いつになったらこの箸で掴んだお肉食べてくれるんですか?
〇〇:自分で食べれるからさ
〇〇:ちょっと割り箸取ってくるわ!
彩:もぉ!
彩:いいから食べろ!下さい!
〇〇:ムゴォ!
彩:さっさと食べて下さい!
彩:無駄な抵抗はいりません!
〇〇:…
〇〇:いや…美味いな…
彩:えへへ…嬉しぃ〜
放課後
〇〇:奈央〜今日は暇?
奈央:ん〜何もないよ〜
〇〇:じゃあ遊び行こ?
奈央:いいよ〜
奈央:どこに行く?
〇〇:じゃあ…久々ゲーセンなんてどう!?
奈央:お!いいねぇ
奈央:じゃあ行こう〜!
彩:ちょっと待ったぁ!
〇〇:おぉ!急にどうしたの彩ちゃん
彩:彩を置いて他の女とデートなんて…
彩:浮気ですよ!
彩:浮気!
〇〇:付き合ってもないしなぁ…
彩:それなら彩も連れてって下さい!
彩:彩も!
彩:彩も〜!
〇〇:奈央は良い?
奈央:良いよ〜
奈央:彩ちゃん可愛いからね〜
彩:やった〜!
彩:〇〇先輩とお出かけだ〜!
ー
彩ちゃんからのアピールを受け続け半年が経過した
彩ちゃんは諦めなかった
気持ちが変わることはなかった
今でもアピールは続く
朝家の前で
彩:〇〇先輩に会えない時間を少しでも減らす努力をしてるんです!
休み時間で
彩:浮気は許しませんよ!
お昼の時間で
彩:彩の料理しか食べられない体にしてあげますからね〜
彩:冗談ですよっ!
部活前で
彩:彩と結婚した〇〇先輩がお仕事に行くのをお見送りする練習ですっ!
部活後で
彩:お仕事から帰る〇〇先輩を迎える練習も必要なんでっ!
帰宅途中で
彩:〇〇先輩…手繋いでいいですか…?
メッセージで
彩📱:〇〇先輩が出張に行ってしまった時のためですよ〜
〇〇📱:限定的すぎでしょ
このような
何回もの何月にもわたる
熱血猛アプローチ
こんなに想ってくれる子はどこにもいない
僕が彩ちゃんに惹かれているのは確かだった
今日も彩ちゃんは僕のところにやってくる
彩:〇〇先輩〜?
彩:結婚式はいつがいいですか〜
彩:それより!まずは結婚!
彩:結婚しましょ〜!
なぜだろう今日はいつもと違う
〇〇:じゃあもう結婚しちゃう?
彩:はい!結婚しましょ〜!
彩:って…えっ…!?
本気な後輩と僕は結婚することになりました
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