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隣の席の子が辛辣です…



走る

自分が新幹線だと思って

とにかく走る

朝から全力疾走している

なぜこんなに走っているのかというと

遅刻をしそうだからだ

〇〇:急げぇ!!

ガラガラ!

〇〇:セーフ!

先生:〇〇遅刻だぞ〜

教室ではすでにホームルームが始まっていた

〇〇:あぁ…間に合わなかった…

先生:なんで遅れたんだ?

〇〇:あ、あの…

先生:なんだ?言ってみろ?

〇〇:ね、寝坊です…

先生:しっかりしろよ

〇〇:はい…すいません…

しっかりと注意をされトボトボと席に着く

隣の席を見ると

じーっ…

なんかめっちゃ見られてるし

朝の先生からの話が終わり

準備をしていると

彩:〇〇くん?

ベイビーフェイスでかわいい隣の席の小川さんが

話しかけてきた

彩:寝坊したの?

〇〇:そうなんだよ

〇〇:アラームかけ忘れてて…

彩:〇〇くんは時間を守れないの?

〇〇:え?

彩:この前も遅刻してたよね

彩:何回も続くと信頼が失われるよ

彩:そうするとね

彩:〇〇くんの印象は悪くなるの

彩:しかもね遅れた理由が寝坊だよ?

彩:寝坊なんて社会じゃ許されないからね

〇〇:すいません…

彩:さっきもだけどすみませんね?

〇〇:す、すみません…

彩:次はちゃんと気をつけるんだよ

彩:〇〇くんカッコいいんだから

〇〇:はい…改善します…

というと小川さんはどこかに行ってしまった

〇〇:し…辛辣ぅ…



今の流れを見たら分かる通り

小川さんは少し?辛辣なのだ

言ってることは非常に正しい

正論パンチの大豪雨

1発が重すぎるんです…



この辛辣具合も僕だけ群を抜いていて

僕以外との会話を見ると

彩:え〜!

彩:課題提出忘れてたの!?

彩:も〜だめだよ?

彩:しっかりしないと〜

彩:むぅ…赤ちゃんって言わないでっ!

彩:可愛いからいいじゃん?

彩:えへへ…

こんな風にちょー可愛い

辛辣という言葉もなくなるくらいに

〇〇:いいなぁ…

僕もあんな状態の小川さんと話したいなぁ

と考えながら

1時間目の授業の教科書を探していると

あれ?

どこやったっけ?

ロッカーは無いし…

〇〇:家か…?

すると小川さんが自分の席に戻ってきた

〇〇:教科書忘れたぁ…

〇〇:どうしよう…

なんて小声で呟く

彩:え?〇〇くん?

彩:次は忘れ物?

と反応してきた

彩:寝坊したから急いで準備したんでしょ

彩:次の日の準備は寝る前にするんだよ

彩:これは小学生でもできることだよ?

彩:〇〇くん分かってる?

〇〇:はい…

〇〇:その通りです…

彩:さっきも言ったけど信頼に繋がるんだからね

彩:忘れたことをどうやって

彩:他の行動で取り返すかが重要なんだよ?

〇〇:そうだよね…

〇〇:じゃあ…咲月に借りに行くかな…

彩:待ってよ…!

彩:行かなくてもいいよ…

彩:見せてあげるから

〇〇:え?

〇〇:いいの?

彩:別のクラスの子に迷惑かけれないでしょ?

〇〇:でも咲月なら〜

彩:隣の人に見せてもらうことで

彩:周りの人に迷惑をかけてるという罪悪感が生まれて

彩:忘れ物を無くすってことが目的だから!

彩:別に〇〇くんのためじゃないからね!

〇〇:あぁ…小川さんマジ天使、神様、小川様

彩:ふへっ…へへ…

小川さんはなぜかニヤけてる

彩:よしっ…!

なんかガッツポーズしてるし

授業が始まり

教科書を見せてもらうために机をつける

隣の小川さんは

彩:えへっ…へへ…

なんかずっとニヤけてるし

可愛いな



そこからは忘れ物もしないで

問題なく過ごしていたのだが

ここで新たな問題が

〇〇:あぁ!

〇〇:弁当…ない…!

お弁当を忘れてしまったのだ

〇〇:うわぁ…昼なしかぁ…

と頭を抱えていたところ

彩:〇〇くん?

彩:また忘れたの?

〇〇:そうなんだよ

〇〇:今日は昼なしかな

彩:ねぇそのお弁当は〇〇くんのお母さんが作ってるの?

なんかまたアレが始まる予感

〇〇:そうだけど…

彩:〇〇くんのお母さんは〇〇くんのために

彩:早起きして作ってるんだよ?

彩:いくら急いでいても忘れちゃダメだよ

彩:感謝してるならね?

〇〇:ご、ごめんなさい…

〇〇:その通りです…

彩:ちゃんと背景まで読み取ろうよ

〇〇:はい…

〇〇:ごめんなさい…

〇〇:帰ってしっかりお弁当食べます

〇〇:なので今日のところは

〇〇:購買で買ってきます…

と席を立とうとしたら

彩:ま、待ってよ!

〇〇:ん?小川さん?

彩:お、お弁当あるよ…

〇〇:でもそれは小川さんのでしょ?

彩:いや!ちょっと多くて!

彩:食べて欲しいなぁ…

彩:だから!

彩:一緒にどうかな〜

彩:なんて…ね?

〇〇:いいの?

彩:別に一緒がいいわけじゃないからね!

〇〇:分かってるから

〇〇:こんなダメダメな人と好きで食べることないの分かってるから

彩:そんな事いいの!

彩:ほら!早く!時間なくなっちゃう!

小川さんにお昼を分けてもらうことになった

のだがここでまたまた問題

彩:〇〇くんの箸ないから食べさせてあげるね

〇〇:え?

彩:じゃあまずは卵焼きとかからかな?

彩:あ~ん

〇〇:いやいや!

〇〇:なぜ!?

彩:いいじゃん!

〇〇:でも…

彩:彩のご飯なんだよ?

彩:彩の気分でお昼抜きになっちゃうけどいいのかな〜?

〇〇:あぁ…

〇〇:素直にいただきます

最高の笑顔で

彩:うんっ!

と僕が見たかったちょー可愛い小川さんに大変身

彩:あ~ん

アムッ!

〇〇:う…うまっ!

彩:えへへ…

彩:次これも!

なんかさっきまでの正論ぶっ放す大砲みたいな

小川さんはいなくなっていた

てかさっきから

最後に優しくしてくるのは何なの…!?



お昼の後の小川さんは

彩:ふふっ…

彩:えへへ…

という具合で

ずーっとニヤけていた



放課後

忘れ物を取りに誰もいないはずの教室へ

近づくごとに

?:〇〇くんっ…

?:好きっ…

?:〇〇くんっ…

と僕への好意が声となり

聞こえてくる

教室の入口付近に着き

教室をコッソリ見ると

彩:〇〇くん…

彩:好き…

彩:結婚したいなぁ…

彩:養いたいぃ…

この声は…

〇〇:小川さん…!?

そう僕にたいして辛辣な小川さんが

僕と結婚したいと言っていたのだ!

彩:あぁ…今日は少し言い過ぎちゃったかな…

彩:〇〇くん凄い反省してたなぁ

彩:本当はもっと優しくしたいのに…

ツンデレタイプなんだなぁ

と聞いていると

彩:でも〇〇くんに自立してほしいから

彩:厳しくしちゃう…!


見たことないタイプのツンデレ!

自立してほしいって…

彩:〇〇くん自分のことダメダメって言ってたなぁ

彩:全然ダメダメなんかじゃないのに

彩:自信もってほしいなぁ…

彩:明日はもっと褒めてみようかなぁ…

彩:あ、教科書返しておくね

という小川さんの独り言を

聞いていると

ドゴッ!

ドアに足をぶつけてしまった

彩:え!?

ビックリして様子を見に来た

小川さんとバッタリ

彩:あ…

〇〇:やっほー…

一旦落ち着き教室へ

彩:〇〇くん…?

彩:盗み聞き…

彩:盗聴だよね?

彩:人の話勝手に聞くとかさ…

〇〇:いやいや!

〇〇:もう無理だよ!?

〇〇:聞いちゃったからね!?

〇〇:養いたいとか聞こえたけど…

彩:うぅ…

彩:仕方ない…

彩:〇〇くん!!

〇〇:は、はい!

彩:彩に養われない!?

彩:どう!

彩:悪い話じゃないでしょ!?

〇〇:いやっ…

〇〇:え?

〇〇:でも…養うっていっても

彩:彩は自立できてる人がタイプだから

彩:それまでは彩といっしょに同棲かな?

〇〇:同棲も養うのもほぼ同じじゃ…?

彩:そこはいいの!

彩:彩は〇〇くんが好きだから!

彩:更に人間力に磨きをかけてほしいの!

彩:どう!?

〇〇:えっと…

彩:返事がないのは同意と同じ!

彩:よし!

彩:〇〇くん!

彩:行くよ!

彩:まずは〇〇くんのお母さんにご挨拶

彩:そしてそのまま愛の巣に直行〜!

彩:〇〇くん?

彩:結婚しようね〜!

〇〇:えぇ!?

〇〇:さっきまでの厳しかった小川さんは!?

彩:早く〜!!!!


辛辣厳しめベイビーフェイスは

僕と結婚したいようです

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