当たり前に感謝
僕たちは大学生カップル
彼氏の僕は緑川〇〇
そして彼女の名前は井上和
高校2年から付き合って5年
僕たちは同棲をしている
仲も良くて性格の相性も抜群で
順調に進んでいた
現在はお互いの素を見せられる関係
適当でもあまり気にしなくなってきた
それが悪いのかもしれない
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はっきり言って今の和を僕は好きになれない
〇〇:ねえ和?朝だよ?
和:ん…ねむい…
〇〇:今日は朝早いんでしょ?
和:そう…
和を起こすのは僕
まだ眠そうな和を起こす
〇〇:ご飯できてるからね
ご飯を作るのは僕
和:うん…
支度をして和はご飯を食べにきた
和:え?今日はパンじゃないの?
〇〇:あ、ごめん間違えた今日はパンだったね
和:今日はパンが良かった…
〇〇:ごめんねこれからは気をつけるね
前だったらありがとうとか大丈夫だよとかは言ってくれていた
〇〇:ねぇ和?洗濯物はカゴに入れてよ
〇〇:ソファに置きっぱなしだよ
和:後でやろうとしてたんですー
〇〇:もうしっかりしてよ〜大変なんだから
洗濯をするのは僕
和の家事レベルはハッキリ言ってゼロなんならマイナスくらい
だから代わりに僕がやる
和:じゃあ行ってくるから
〇〇:いってらっしゃい
〇〇:はぁ…
最近の和は僕にあまり優しくない
ほんとに好きでいてくれているかもわからない
本当にこの暮らしが必要なのか
疑問に思ってきたこの頃だ
だけど僕は和が好きだから
一緒に暮らせることに満足している
和が出て行った後は
リビングの掃除に
トイレ掃除
ご飯の準備など
僕は基本的に家のことを優先させる
それが終わると
自分のやるべきことや
趣味などに時間を充てる
だけど時間は少ない
夜の9時くらいからが1人の時間だ
最近なんか忙しいな
過密日程な気がする
リーグ戦の途中にワールドカップがあるみたい
そんな生活が続いていた
_________
〇〇:ねぇ和?最近さ僕忙しくてさ買い物だけお願いしていいかな?
和:え〜まあ買い物くらいならいいよ
〇〇:ありがと
〇〇:じゃあ今日さここに書いてあるやつ夜まてに買ってきてもらっていい?
和:わかったよ
買い物くらいならできると思ってた
和:あ!ごめん牛乳買うの忘れた
〇〇:え!今日はグラタンなのに…どうしよ?
別日
〇〇:和〜?今日は買い物行った?
和:あ…忘れてた…
〇〇:じゃあ…今から僕行ってくるから
〇〇:うん…ごめん
また別日
〇〇:今日からは買い物じゃなくてさ
〇〇:食器洗いやって欲しいんだけどいいかな?
和:ん、わかった
流石に洗い物はできるだろう
パリンッ
和:あ…お皿割っちゃった
〇〇:大丈夫?怪我ない?
和:うん大丈夫…
次の日の夜
〇〇:和?洗い物溜まりすぎじゃない?
〇〇:これ朝からやってないしょ?
和:あー後からやる
〇〇:いいよ…僕やっておく
ダメだ何も出来ない
ていうかやらない
流石に限界はすぐそこだった
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遂に僕は噴火した
〇〇:和?
和:なぁ〜に?
〇〇:僕だけじゃ家事が追いつかなくなってきてるんだよね
〇〇:何か手伝ってくれない?
和:え?手伝ってるじゃん
〇〇:あれで手伝いって言えるの?
和:皿洗いに買い物だってしてるしょ?
〇〇:もっとちゃんとやって欲しいんだよ
〇〇:買い忘れだってあるし買い物だってしてこない
〇〇:お皿は割るし…
〇〇:全部、流石にこのくらいはって和が出来そうな事を頼んでるつもりだよ?
和:でも私はやってるもん!
僕はかなり我慢していた
和が好きだからこれが堤防だった
決壊した
〇〇:ふざけなるなよ!!
和:ビクッ!
〇〇:僕だって流石に限界だよ!
〇〇:毎日毎日和を朝起こして!
〇〇:ご飯作って!
〇〇:洗濯して!
〇〇:掃除して!
〇〇:負担が大きいんだよ…
〇〇:和が好きだからなんとかなったけど
〇〇:僕はもう疲れたよ
〇〇:少し距離を置こう
〇〇:これは僕のためでもあるし和のためにもなると思ってる
〇〇:しばらくはこの家から出ていく
〇〇:和はここに住んでていいから
〇〇:じゃあね…
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ふざけるなよ!!
少し距離を置こう
じゃあね…
井上和です
〇〇に怒られた
〇〇は出て行ってしまった
〇〇が怒ることは滅多にない
だから〇〇を怒らせたことの重大さは理解できる
私は〇〇に甘えすぎていた
しかし私は1人でもやっていける
意外と〇〇が居ない方が出来るかも
私は〇〇が帰ってくるまでに家事ができるようになって
〇〇今までごめんなさい
私〇〇が居ない間に家事ができるようになったよ!
これからは私も掃除に洗濯なんだって頑張るからね!
こんな風に仲直りしよう
そんな軽い考えで始まった
1人での暮らし
和:あ、寝坊だ!
いつもなら〇〇が起こしてくれていた
和:そうだ〇〇は居ないのか…
朝ごはんは勿論ない
朝ご飯も〇〇が作ってくれていた
支度をして家を出る
今日は大学へいく
仲の良い咲月に話した
咲:え!〇〇君家出したの!?
和:そうなの〇〇君に起こして貰ってたから寝坊しちゃったの
色々と話しを聞いてもらった
和:うん…やっぱり私が悪いよね
咲:そうだよ〇〇君が可哀想だよ
咲:そんなことなら私が〇〇君貰っちゃおうかな〜?
和:え!ダメだよ私の…〇〇…
咲:じゃあ早く謝ってこないとね
咲:早くしないとダメだよ
和:うん。わかった!
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あれから1週間が経った
〇〇とはまだ連絡が取れてない
LINEは既読にならないし
電話も繋がらない
どこにいるかも分からない
私はというと最悪だ
和:あー今日も時間に起きれてないよ…
朝は起きれない
和:朝ご飯はあったバナナでいいかな
朝ご飯なんて作れる訳ない
和:服は… もう!散らかってる!
掃除も出来ない
これを毎日やってくれてた〇〇に感謝してもしきれない
和:はぁー私って本当になんも出来ないじゃん
〇〇の言うとおりでやってこなかったのが簡単にわかる
自分に失望した
大学へ行く
咲月と歩いていると噂が聞こえてきた
女:なんか〇〇君って和さんと別れたとかなんとか
女:この前なんか和さんと違う女の子と歩いてたのめっちゃ美人だったよ
女:え〜やっぱりイケメンって綺麗な人はセットになる運命なのかな?
和: …
咲:和?〇〇君と仲直りしたの?
和:まだなの…LINEも電話も繋がらない…
咲:え?それってほんとにヤバくない?
和:うん…
泣きそうになってしまう
高校2年の時から付き合い始めてどんなに悲しい時だって嬉しい時だって
同じ時間を過ごしきた
〇〇とこんな形で別れるなんて嫌だし
別れたくない
この数日間で分かった
〇〇の凄さが
毎日私のことを考えて動いてくれていた
私を優先して考えてくれてた
家事の大変さが
今の私と
家の中を見ると簡単ではないのが
分かる
私は大切な人がいなくなってやっとその当たり前が1番の幸せだと気づいた
和:咲月私〇〇に謝りたい今すぐ
和:これからの生活に〇〇が居ないなんて考えられない
和:それに〇〇が大好きだから…
咲:うんそうしなよ
咲:早くしないと!あの噂本当かもしれない急ごう!
_________
私は家に帰ってきた
するとそこには〇〇の姿が
その瞬間
私の頬に涙が流れた
和:うぅっ〇〇ぅぅっ
和:ほ、本当にごめんなさい…
〇〇:和、久しぶりだね
〇〇:いきなり怒って出て行ってごめんね
和:ううん私が悪いの〇〇の気持ちも考えないで〇〇に甘えすぎたから…
〇〇:それでも僕のやり方は間違ってたよ
和:〇〇…私〇〇が居なくなってどれだけ私のために動いてくれてたか分かって
和:〇〇の存在の大きさに気づいたの
和:〇〇との生活が当たり前すぎて感謝の気持ちが薄れていたの
和:私も家のことやるし
和:〇〇のことが大好きだから
和:また一緒に暮らしていきたい…
〇〇:ありがとう僕も同じ気持ちだよ
〇〇:一緒に暮らしたい
〇〇:僕もこの家を離れて暮らしている間
〇〇:和がいなくて寂しかったしつまんなかったんだ
〇〇:やっぱり僕は和が好きだなって
〇〇:だからさこれからもよろしくね
和:うううっ泣 ありがとう…泣
〇〇:泣きすぎだよ
和:後さ、大学で〇〇が他の女の人と歩いてたって噂になってたけど
和:私のこと好きじゃなくなった?
〇〇:え?そんなわけないじゃん
〇〇:多分姉ちゃんかな?
和:そうなの?
和:嫌われちゃったかと思った
〇〇:和を嫌いになる訳ないよ
〇〇:和?大好きだよ!
和:私も〇〇が好き!大好き!
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家事をやってくれのは当たり前じゃないし
今、こうやって快適に過ごせるのは過去を生きてきた先人のおかげでもある
簡単のように感じる
感謝とかが意外と難しかったりする
『当たり前に感謝』
これが今の世の中では不足してるかもしれない
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