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うつ病は怪我であり炎症である
最近の研究では「うつ病の原因は神経細胞の炎症」だという考え方があるらしい。
これを聞いて、うつ病は病気というよりも怪我に似ているような気がした。
うつ病はスポーツの怪我と似ている
スポーツをしていると、無理をしすぎて怪我をすることがある。
それと同じように、私たちは考えることが好きで、深く探求するうちに、脳を痛めてしまったのではないか?
ストレッチせずに運動を始めたら、怪我をしやすい。
間違ったフォームで練習を続けたら、体を痛める。
スポーツが好きで長くやりすぎると、大きな怪我をする可能性も高くなる。
考えることも同じだ。
自分のこと、世の中のことを深く知りたい。
悪いことがあれば改善策を探したくなる。
人の言葉を頭で反芻して、真意に気付きたい。
それらは悪いことではないし、むしろ他の人にはできない長所ですらあると思う。
しかし安全な脳の使い方を知らないまま、自己探求に没頭しすぎてしまったのかも知れない。
だから、今必要なのは 「これ以上悪くしないこと」 だ。
傷口が開いていたら毎日消毒してガーゼを当てるように、良くなるまでこつこつと、ポジティブ思考を心掛ける。
無理せずリハビリをし、より良い考え方を身につける。
そして、前よりハンデがあることを受け入れて、自分の頭を大事にすることだ。
「黒い静寂」ではなく「赤い炎症」
私は今までネガティブ思考に陥ったとき、脳は黒くなると思っていた。
脳の一部分が暗く、黒く変色して、目の前のことに集中できなくなる。
動きがスローになって、思考が止まる。
胸や頭が痛くなり、動悸がして、涙が出る。
映像で言ったら、鬱蒼とした森林、深い海の底。
「鬱」、「死」は黒、青、深緑。そんなイメージだった。
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しかし、「うつ病の本質は炎症」という言葉を聞いて、イメージが変わった。
脳は黒く変色するのではなく、赤く爛れている。
目を閉じても暗くならず、チカチカ光るような刺激がある。
熱を持ち、痛く、辛い。
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つまり「ゆっくり沈んでいく死のイメージ」は、
実は「刺激から逃れるための、脳が作り出した癒しの空間」だったのではないか?
誰もいない静寂は落ち着くし、青や緑は癒しの色だ。
だがその前に、刺激だらけの真っ赤な時間があったかもしれない。
それを忘れるように、脳は癒しのための死を作り出して
そして今度は癒しを得るために、わざと自分をいじめて、炎症を起こすようになった。
架空の鬱に癒されず、炎症を治すべきだ
死の世界に逃げるのではなく、「脳の炎症を治す」 ことが必要だと感じた。
朝日を浴びて、バランスの良い食事をとり、適度な運動をして、しっかり睡眠をとる。
服薬をして、認知行動療法を取り入れる。
居心地のいい環境に身を置き、困ったら人に相談する。
何度も聞いていた対処法も、より深く納得できるようになった気がする。