人間関係の悩みに対する意思決定
こんばんは。今日もお疲れさまです。
先にお断りしておきますが、この記事は対人関係の悩みに対する意思決定について、体系的にわかりやすくまとめたものではありません。恐らく汎用的ではないレアケースですが、実際に私が経験して思ったところについて書いていこうと思います。ひとつの参考として、是非一度抽象化し、その上でご自身に当て込んで考えてみていただければと思います。
実際に相談があった話(差別的、人格否定的な発言)
つい先日、一緒に仕事をしているメンバー(Aさん)からこんな相談がありました。Aさんの相談内容は、その人の直属の上司(B課長)の日常的な差別的発言が許せない、耐えられない、なんとかしたい。というものでした。
この話をするにあたり、イメージしてもらいやすいよう少し環境や経緯について書かせてください。
私はメーカー勤務、31歳 男、独身(←どうでもいい)、2年程前からグループ会社の中国に赴任している状態です。Aさんは通訳や翻訳をメイン業務として働いている中国人、新卒の20代前半、女性。B課長は指導者として日本から中国に来ている私と同じ赴任者、50歳の男性です。
B課長の日常的な差別的発言について、私もそう感じる(本人がどう思っているのかは知らないが、少なくともそう解釈されても仕方がない)ところは多々ありました。例えば、中国人はレベルが低い。日本人はできるのになぜできないのか?中国人はここまでやってやらないと分からないだろうから、仕方がないからやってやる。といった具合です。
AさんはB課長の通訳として、現地で一緒に働いている中国人のメンバーに伝えないといけない。そんな中で日常的に発せられるこのような発言をどう中国語に変換して伝えればいいのか、ここ数カ月頭を悩ませていたそうです。伝え方が分からず言葉が詰まれば、B課長にそのままの意味で通訳しろと指摘されます。
問題があるのはどっち?
深く考えるまでもなく、問題があるのはB課長です。そもそも差別的発言のそれ自体が人とし良くないという話もありますが、管理職の立場としての仕事からも逃げています。逃げているという解釈について、この記事に書こうと思っていたのですが、脱線どころの話ではなくなってしまったので別の記事に書くことにしました。後日になりますが、記事を投稿したら下にリンクを貼っておきますので、興味を持っていただけた方はご覧ください。
解決案 3つ
話を本題に戻します。
どうすればAさんの悩みが解決されるのか?
私が思いついた解決案は3つです。
①B課長が今後このような発言をしないよう、B課長の上司(部長)に注意してもらう
②Aさんの環境を変える(AさんとB課長が組織上離れられるよう上に掛け合う、またはAさんが転職)
③今の環境でもAさんがストレスを感じないようにする
①のように上下関係の力を使ってB課長をコントロールしてもらうのか、②のように環境を変えるのか、③のようにAさんのマインドセットを変えるのか。
当然、どの選択をするかはAさんの今の仕事そのものに対する価値観や収入面、今の精神状態、ライフスタイル等の総合的な判断が必要なので、私が勝手にあれこれ言わないことは大前提です。しかし、私を頼り相談してくれた以上は何か力になりたい。私はAさんに上の3つの解決案について伝えました。
相手を変える
①(B課長をコントロール)は期待通りの結果を得ることは正直難しいと思う。部長に相談に行くことは簡単、私も同行して促せるし、きっとB課長に伝えてくれる。しかし、B課長が変わりたいと思っているならまだ良いが、本人はその意識がない。なぜなら彼は日本でも人格否定的な態度で度々問題になっており、何度か注意されているものの、現状が変わっていない。相談があった後日、私はそれとなくB課長に現状をどう思っているか聞いてみましたが、俺は丸くなったと自慢気に話していました。その時、この方法は難しいから無理へと確信に変わりました。
環境を変える
②(環境を変える)は最も早く結果がでる方法だと思う。今の会社で組織上変わるのは難しいと思うが(そもそも通訳目的で採用されているし、他の日本人をこちらに呼ぶにしてもコスト的にかなり難しい)本当に耐えられなくて精神的に病むくらいなら、転職をしてでも環境を変えたほうがいい。ただし彼女は通訳としての仕事が嫌なわけではなく、B課長以外の不満は特にないそうです。合わせて中国では就職難というタイミング。これはいじめ等の問題に対してもそうですが、被害者が環境を変えないといけないというのは、なんとももどかしい現実でしょうか。普通にムカつきます。
自分を変える
③(Aさんのマインドセットを変える)は精神的にまだ余裕があり、仮にAさんが変わりたいと本気で思うのなら、ありだと思う。これはある意味残酷な意見かもしれません。ですが、私はこれが最も再現性のあるおすすめできるものだと思っています。(最もおすすめな方法にも関わらず、敢えて”ありだと思う”という表現を使ったのは、前述のとおり精神状態によるからです。)おすすめする理由としては、人は一定数、人格否定的・高圧的・差別的な発言をする人はいて、自分が優越感を得る安直な言い訳として、あたかも自分は悪くないという文脈で使ってきます。パレートの法則のように一定数いることが事実であり、受け入れないといけない現実です。大切なのは、そういう人と出会ったとき、自分がどう対処するかです。環境を変えて離れられるようにする、或いは距離を置くことができるなら、それは率先してやるべきでしょう。ただし、利益追求を最重要視している会社が多い中、組織を簡単に変えるなんてことは難しいでしょうし、転職するなんてことも簡単にできるものではない。環境を変えても、同じような環境になることもあるでしょう。下調べにも限界がある。これはギャンブル要素があり、再現性としては微妙です。
Aさんが変わるというのには、大きく2つに分けられると思います。
1つはAさんの社会的価値を上げること。端的に言えば、Aさんがやめるのはまずいので、B課長を移動させようと会社に判断させること。または入りたい会社に入れるように、Aさんのスキルを向上させることも同じ意味合いです。2つ目は今のような環境でも、Aさんがストレスを感じることなく仕事ができるようにすること。受け流す能力といってもいいかもしれません。受け流すのにも限度は当然ありますが、限度の幅を広くすることは可能です。客観的にそのような悪態をつく人の割合を減らことはコントロール不可能ですが、主観的にその割合を減らすことはできるという意味です。
ただし、どちらも年単位の時間がかかりますし、決して簡単なことではありません。マインドセットや日々の習慣を変えるために、例えばアドラー心理学の課題分離的な考え方や習慣化のテクニック等も取り込んでいく必要があります。ただし、その分再現性があり、効果は絶大である自信があります。なぜなら、私も7年程前はB課長の下で働いており、Aさんと同じような境遇で辛かった経験があります。その状況を脱出するために上に書いた2つを実行しました。今では、社内ではB課長より上の立場になり、指示されることも否定的な言葉を言われることもなくなりました。仮に言われたとしても、動物が鳴いているくらいにしか思わないでしょう。B課長以外から敵意を向けられたとしても、同じことです。そこには再現性があり、戦略的な必然があります。自慢のように感じられたらすみませんが、今回本当に伝えたい部分はここです。人間関係の悩みがあったとき、環境を変える他に、長期目線で自分が変わることに対しても考えてみて欲しいんです。
人それぞれ目指す山の頂上は同じでも、登り方は違うように、具体的な戦術は違うでしょう。私には習慣化や課題分離の思考法がスッと入ってきたので、手段として取り入れただけで、他の方法でもなんら問題はありません。自分を変える勇気を持って、時間がかかることを覚悟して、考えてみて欲しいと思います。
最後に
これでお伝えしたいことは以上です。
回りくどい表現もあったと思いますが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
彼女がどのような選択をするか、この話は絶賛進行中のためまだ分かりませんし、結果も当然分かりません。いずれにしても、私にできることは少ないです。今回は既に彼女に伝えましたが、求められたときに記事に書いたような選択肢を提示したり、客観的でも主観的でも意見を伝えることくらいでしょうか。或いは部長の説得に一緒に行くとか。
今後また何か気づきがあれば、また更新してみたいと思います。
彼女の悩みが解決がされることを願っています。