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そして、家には誰もいなくなった 話 

連載1
どこにでもある、誰にでもある、普通の話。

相変わらずに仲が良いけど、我が家はそれぞれ自立をしている。「自立」を目標に育ててきた子ども2人は26歳、22歳になって本当にいい大人になった。それぞれ仕事を頑張っていて、仲間にも恵まれ、精神的には私より大人かもしれない。
夫も、もともと自分でなんでもやる人だが、単身赴任を華麗にこなし、仕事に趣味に生き生きと過ごしている。私も子育てと同時に、やりたい仕事をやりたいようにやってきた。それでもしょっちゅう家族4人で出かけたり、遊んだり。いつも一緒だった。

転機
息子は勤務地が決まり、もうすぐ家を出ていく、娘も成長のために一人暮らしをしたいらしい。私も普段は家に帰るのは深夜。もともと家族にあてにされていないし、むしろ子どもたちに助けられている存在だ。だからこそ。家族といたくて、ベッタリしたがる私だったがそろそろ卒業しなくてはと気がついた。
気がつくと、子どもらは「ママと一緒にいてあげよう」とか「一緒に行こう」と優しさをもらっていることに気がついた。優しい夫も単身赴任先から「おはよう」「今日も頑張ろう」「帰った?」「おやすみ」とLINEを送ってくれる。みんな私が寂しがりなのを知っているから。これではあかん。

家族が一番大事なのは絶対に変わらないけれど、それぞれが1人ひとり輝いているのが我が家の凄さではないか。皆の成長を応援できる自分でいなくては。さあ、私も寂しいなんて言っていられないから。

(もうすぐ)55歳の密かな挑戦。旅に出よう。

8月10日は私の55歳の誕生日。
ちょっとフライングだけど、
家族を置いて、人生初めての1人旅に出ることにした。

きっとこれはごくごく平凡な家庭の話。
でも、私が主役のドキュメンタリー映画のスターになった気分。






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