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秋の始まりに京都へ③イノダコーヒー本店

旅のごはん。
私は食いしん坊なので、旅でなくとも日々ごはんのことを考えている。
朝ごはんを食べながら昼や夕ごはんのことを考え、昼ごはんを食べながらおやつのことを考える。夕ごはんを食べながら、翌日のお弁当のことを考える。
食べることが好き。それだけ。好きでときめくというより、考えずにはいられない、いや、考えが常にそこにある、という感じ。

京都で食べたいもの。色々あったけれど、どうしても行きたかったところはここ。イノダコーヒー本店。
イノダコーヒーは東京大丸支店があり、たまに行く。何度も訪れているし、メニューも本店とそう変わらない。けれど、一度新婚旅行で京都の本店を訪れた時の感動がずっと残っていて、大好きな場所。

2日目の朝、お友達もOKしてくれてイノダコーヒーへごはんを食べに行った。
店員さんの丁寧でキビキビした気持ちの良い案内を受けて、1階の片側ソファ席へ。周りにはご年配の常連さんらしき方々が、モーニングメニューを慣れたように口に運んでいる。ああ、あのピンクの綺麗なハム!スクランブルエッグのまろやかな黄色!お皿の上に二つが並んでいる絵は、とっても美しい。そして何よりおいしそう!
それは「京の朝食」という1780円の豪華メニュー。大きなクロワッサンはいかにもバターたっぷりな感じ。隣の席の男性2人と女性1人は皆さん「京の朝食」を召し上がっていた。ツイードジャケットのおじさまがクロワッサンを片手で取り、わんぱくにかぶりつく。パラパラっとクロワッサンのかけらがテーブルに落ちる。わー!正しい食べ方。口についたクロワッサンのかけらを気にすることなく二口目を食べる。横のテーブルからそれをガン見。目が離せない。
胸が高鳴る!

その奥のスーツ5人衆はたまごサンドをシェアしていた。白いサンドウィッチ用のパンにクラッシュされた卵が絶妙な量でサンドされている。具のバランスがちょうど良い。多過ぎない。美しい王道のたまごサンド!

お友達と迷いに迷ってメニューを決めた。集中。感覚が研ぎ澄まされる時。
少食のお友達はトーストとアイスカフェオーレを。
私はヤサイサンドとアラビアの真珠という名のコーヒーを。

うきうき。

ヤサイサンドはポテトサラダと、きゅうりトマトホワイトアスパラの2種。銀のお皿の上にレース調のペーパーが敷かれ、その上に三角のサンドが陳列。パンとポテトサラダとアスパラの白具合が絶妙なグラデーション。きゅうりの薄ーい緑とトマトのほんのり赤が合わさって、それはそれは上品な佇まい。
それだけじゃない。写真を撮って見てみると、白と赤がほんと良いバランス。
テーブル、ソファの背のキルティング、コーヒーカップとソーサーの白、イノダコーヒーのマークの赤いポットにお友達の真っ赤なスウェットが仲良く集まっている。
自己満足。目にも美味しい、なかなか洒落た写真。

綺麗な三角。美しいサンドウィッチ。
スタンリー・キューブリック「シャイニング」のような美しさ。

コーヒーはガツンと濃い。私は甘いコーヒーが苦手なので、ブラックで。少しずつ苦味を確認しながら飲む。目が覚める。
サンドウィッチは、食感を程よく残したシンプルポテトサラダが思った以上にまろやかで美味しかった。普段あまり食べないホワイトアスパラが、特別感を出している。トマトの酸味ときゅうりのしゃき感(しゃきしゃきまでいかず)もちょうど良い。あっという間に四つをぺろり。美味しかった。

ちょこちょこ京都を感じる空間が。
ずっと見ていられるショーケース。
レトロな佇まいのケーキたち。
良いお天気。
また来るね。

クラシックでレトロ。上品なのに決してかしこまりすぎてない雰囲気。王道で正統派。けれどちょっと独特なメニューたち。ああ、やっぱり大好きなお店。
きっと、絶対、また行くよ。

今回の旅もたくさん食べた。居酒屋で生麩やお豆腐、ビーフシチューコロッケやさつまいものホイル焼き、「きのう何食べた?」に登場したカレーうどん(日の出うどん)、ホテル近くのパン屋さんでメロンパンなどなど。どれもこれも美味しかった。お友達と「美味しい」ときの眉間の皺を寄せあった。たくさん笑って、一緒に栄養を摂った。
「えい!」っと決めた弾丸旅行。たまにこうやって勢いで動いて、非日常を楽しみたい。美味しいはしあわせな思い出。

おまけ。

イノダコーヒーの後、速攻寄ったパン屋さんにて。
日の出うどん。わかめもりもり!
哲学の道。偶然たどり着いた。
猫。哲学の道には猫が数匹いた。みんな人が近寄ってもなかなか逃げない。
南禅寺。
南禅寺。上からの景色。
手すりが低めでちょい怖い。良い眺め。
若干足場が傾斜でちょい怖い。
急な階段。


自分用にイノダコーヒーで買った小皿。
ティーパックやチョコ乗せたりして使ってます。

東京でもきっと買えるんだろうけど。
旅の出会い。

センスが光る薪さんが行かれていたお店も行きたかった!教えていただいてお店も!京都で行った美術館の展示も、薪さんが行ったらどう感じるのかなあと思いを馳せました。

薪さんが行かれているお店の、餃子の箸置きが欲しい。切実に。

次の旅行は年末の帰省。それもそれで楽しみなのです。

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