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虹になりたかった君達へ


夏の余韻に浸ってる場合では無い
癒えぬ傷を冬まで運んで
もう俺の肉眼はクリスマスを捉えて居る

トナカイに乗って出勤してる

だが、自分にトドメを刺す為に
語らなければならない傷もある

カラフルな衣を纏った虹色の戦士達が
ボロ雑巾の様に敗北したあの夏の夜の事だ。



仲間達はBBQという名のチャーハンを頬張りながら
夢を語って居た

『俺は大きくなったら自動車の整備士になるんだ』


オオキンタマヒトモドキ(ピンク)



30オーバーのピンクはウィスキー片手に夢とキンタマを膨らました

そんなキンタマの戯言を夜空に流し
風と虫の音でリズムをとってると

叫び声が聞こえた

『アントォーーーン!!』

声のする方(南南西)を向くと
グリーンの顎に矢文がぶつかって居た


ロンドンパスタ(グリーン)



なぜぶつかって居たと表現したかについては言うまでも無い。

その矢はグリーンの顎に負けて
鉄の部分が欠けて、床に落ちて居た


その矢文を開いて読んで見た。


『東ノ方角ニ、敵陣アリ、大群ノ宴ガキコエル』

虹色の戦士達の目の色が変わった
グリーンを除いて(奴はカラコンをして居るからだ)


そこに血の匂いあれば
向かわずして漢ではない

窓ガラスに映る戦士達はみな立ち上がって居た


オレンジは水を一口飲むと
声高らかに宣言した


自称菅田将暉東(オレンジ)


『コレは殺し合いじゃない!一方的な殺戮ショーになるであろう!!』

何を言ってるのかよく分からなかったが、
とにかくその声を合図に皆、敵陣に足を運んだ


皆と言うのは語弊だ、
グリーンは山へ芝刈りに レッドは本陣で南米の大砲と姿を変え 鏡に向かってウインクの練習をして居た


ディル斗(レッド)



敵陣につくと
皆の足は震えて居た

そこにそびえ立つ砦は
我らを拒むかの様に高く そして雄大に立って居た

中から鬼達のドンチャン騒ぎが聞こえる

『ええい!すくむな!!幾度となく我らは荒波を越えて来たでは無いか!』

そう鼓舞したのはカナヅチのアイツだった


ノーホワイトはやと(ホワイト)


通称28番が先陣をきり
監獄で習ったであろう、お憔悴をすまし
その砦の門を開けた


『な、、なんだこのフルーツの香りは』

そう呟くのはアリゾナのスズメバチの異名を持つアイツだ


マンハッタンボーヤ(イエロー)



砦の中は華やかな彩り
テーブルにはお紅茶とオシャレな茶菓子
とどめにチヂミとキムチが置かれて居た

まるで不思議な国のアリス

あとチャーハンさえあればこの国に永遠に閉じ込められていいとすら思った


だが、、そんな華やかな国だが
空気は違った

凍てつく様な冷たい殺気
シアターDでも感じた事の無い重い空気

我らを一撃で沈めれるであろう大砲を構える兵隊
みなナイフを握りしめ
『いつでも玉とったんで』そんな表情で虹色の戦士達を見て居た。


震える手、動かない足
なんとかしてくれ!そんな思いでブルーを見ると


酒豚(ブルー)


白目剥いて居た。


なんとか口を開いたイエロー


『いっ、いっっ、、、1ニョッキ!!』

急に戦火は落とされた
戦争は始まった


虹色の戦士は息を吹き返したかの様に攻撃を続ける


『2ニョッキ!!イェーイ!!』

止めるな!攻撃の手を止めるな!!
攻撃こそ最大の防御、手を休めたら喰われてしまう

それは肌で感じて居た

『ほーれんそーほーれんそー!』

間髪入れずほうれん草の呪文を唱えるもの


笑い声など聞こえるハズも無く
ピリついた空気と時間だけが流れる

一か八か、チヂミをいきなりケツから食べたろかい

そう思った

本気で思った。

チヂミに手を伸ばすと ブルー ホワイトと手がぶつかった

同じ事を考えて居た、そして手をゆっくり戻した

(焦るな、そんな自殺行為をしてどーするんだ!)

自分に喝を入れる為にチヂミを食べるであろう爪楊枝をももに突き刺した


そして、相手の大将が一言

たった一言呟いた

『ヤレ』

それを合図に虹色の戦士達は
無数の銃弾 心臓にはナイフ
ズタボロに喰らった

俺たちは逃げた

必死に逃げた…

命からがら砦から逃げ切った


終始無言だったライムパープルが口を開いた

ラブランナー頭(ライムパープル)


『あのロリ2は今頃何をしてるのだろうか?』

急に出て来たロリ野郎
コイツはもう、次の戦を見て走り出してる


月の下 ボロ雑巾達が蝉達に笑われながら
自分達の城に逃げ込んだ


芝刈りから戻り、城を守って居たグリーンはその変わり果てた虹色の戦士達を見て口を開いた

『よく生きて帰って来た、、それだけでいい』

1番悔しいのは、刀さえ握れなかったグリーンなのかもしれない

その無念を胸にしまい込んで
戦士達は深い眠りについた


輝きを失った虹色の戦士達
だが、その深い傷口は虹色に光って居た


夏が来るたびにその癒えぬ傷と
決して虹の様な思い出では無い思い出を
思い出すであろう。。。




時は現在に戻り


トナカイに跨り
少し冷たくなった秋の風を感じ
帰ったらクリスマスツリーを出そうと閃いた


にんじんや玉ねぎ
色とりどりの装飾をぶら下げ
もちろんてっぺんには星の代わりにグリンピースを添えようと思う



チャーハンの出来上がりだ。



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