エルヴィンの「ありがとう」
「夢をあきらめ、〇んでくれ」
エルヴィンをこう説得したリヴァイに向かって返したセリフがこれ。
この時、エルヴィンはほっとした表情を見せた。
なぜエルヴィンは「安堵した」のか?
このセリフの意味がなかなかピンとこなかったんだが、
つまり夢を追い続けるアルミンと違い、
エルヴィンは「酔っぱらわないとやってけなかった」。
エルヴィンが悪魔になれたのは「夢」を口実にしてきたからだろう。
アルミンは夢を見られるが、エルヴィンはただ酔っぱらってるだけだと。
そう理解した瞬間、リヴァイはエルヴィンの復活を断念したと。
エレンが言う「夢を観ている」アルミンとは違い、
エルヴィンは単に「夢を口実にしてるだけ」で、
「酔っぱらわなきゃやってられなかった」
自分を非情な悪魔へと追い込むために「夢」を言い訳にしていたのだろう。
そうじゃなきゃ大事な部下をあのような作戦に使えなかった。
だからその夢を否定したリヴァイに「ありがとう」と言った。
リヴァイはあの瞬間、エルヴィンの抱えた重責・罪悪感をくみ取って、
ようやくエルヴィンが楽になれた事を優先したのだろう。
彼を「夢」という「呪縛」から解放したのだ。
誰もあんな事をしたくはなかったハズである。
「夢」というニンジンがなければエルヴィンは兵団を動かせないのだ。
厳格な指揮官の本音と建て前は別の位置にある。
リヴァイもエルヴィンもその人間性ゆえに罪悪感を理解する。
特にあの作戦を決行した以上、エルヴィンの心は地獄に落ちるだろう。
だから生き返らせるより楽にすべきだと。
この辺もアニメ「進撃の巨人」が歴史に残る理由だ。
個人的にも歴代最高のアニメであり、諌山創は稀代の脚本家だ。
おしまい。