「アナログ絵師」について
アナログ度の強い絵師はいばらの道だと思われます。
その対極は記号、パターン絵、ハンコ絵と呼ばれるものでしょう。
アナログ的で代表的なのは「原哲夫」先生でしょう。
この人がおそらく少年漫画の絵柄に劇画以上の物を持ち込んだと。
当時の他作品と比べ、作画密度が異様に高かったはず。
またサウザー編を観ると、この時期だけめっちゃ線が綺麗になってる。
この線は原哲夫ご本人じゃなく、おそらくアシスタントだと思われる。
似た線の単行本をどっかで観たが、この人の方が安定した線を描けたはず。
なら「このアシスタントの方が上手いのか?」 と思いがちだが、
そもそものベースが原哲夫の造形な訳ですよ。
原先生は自分のスタイルをず~~っと試行錯誤を繰り返し、
そのせいで線も迷いがあり安定しない、当時も成長過程だったハズ。
で、その上手いアシスタントは既に手本となる正解を得ていたと。
これがアナログとデジタルの差な訳です。
こんな風に到達地点がどこになるかで正解は先送りになり、
原先生の結論に近いのってやはり「花の慶次」じゃなかったのかと思う。
まぁ、いろんな感情を一つの作品にオリジナルで落とし込んでる。
登場人物の感情表現がおそらくそれまでの全ての漫画を上回っていた。
ああこの人も「遠回りしたのだろうな」と思ったり。
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もう一人、カプコン絵師の「西村キヌ」という人も、
作画をよく観ると細かい線が輪郭以外に大量に入ってる。
パターンで描いてるんじゃなくその都度「造形してる」という事でしょう。
明らかに輪郭に至るまでの作画の情報量が多い訳ですよ。
重心に整合性が無ければいけない、筋肉は骨にどうついてどう伸びるのか?
そんな事を考えながら描いていた気がします。
そもそもゲームのキャラクターは動かさなきゃいけないので、
クオリティを上げるほどにごまかしが利かなくなる。
1~9までの労力と9~10に至る試行錯誤の量は同等だったりする。
やはりこの人もすごい。
記憶が正しければこの人の字もめっちゃ汚かったような?
多分これ、文字をその都度アナログで書いてるから安定してない気が。
きっとパターン化したくないんでしょうね。
パターン化するとそれが正解として固定されてしまうから、
それ以上の伸びしろが消えてしまうと。
自分を追求し始めると限界が無いので永久に満たされない、
で結局はピカソみたいに全部ぶち壊してしまったりするんでしょう。
あ、先鋭化なんて結局情報量のオーバーフローで起きるものなので、
あんなペラッペラのしったかぶったカスが、
(*'▽') <ルイスブニュエル? 好きですよ?
とか笑わせんな、アニマル俳優が何かを語ろうとすんじゃねぇと。
「天才ぶるな!」とはお前のことやで?、欲太りの大ぼら吹きが。
人の言葉を喋る前にまず動物園を卒業しろと。
そういう話。