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捨てられたって言わないで

『自由になりたい』と言って
そうして離婚した人の親御さんがね
私に言った
他に誰もいない2人だけのときに

『あなたにお願いがあるんだけど…
 子供たちには
 捨てられたって言わないで』


絶句した

そんなこと、言える訳がない
言葉にすればそうなるからこそ、そして、そう思っていたとしても、私の口から息子たちに…誰にも…言うわけがない


その人の立場で言えるセリフとは思えなくて、意味が分からなすぎて絶句した



なんだと思ってるんだろう?
とも思った


そんなに低く見られなければ
いけなかったの?


ここまで書いて、思い出した

いつか息子が、言っていた

「あの人は、正当化してる」


分かっていたのか
大人より、ずっと敏感に


ある時、息子が私に聞いてきた

「おばあちゃんが
 『〇〇ちゃん、可哀想に』って
 言ってたけど
 僕は可哀想なの?」


私は
「可哀想なんかじゃないよ」
としか言えなかった


もう離れられたし
会わなければいけない義務もないのに、何かのきっかけで時折、急に思い出す


無理に忘れようとすると、忘れられない自分を責めて疲れるから、ここに書いておこう


離れられて良かったんだ
そうでなければ、まだ言葉の矢が飛んで来ただろうから


良かったこと探しをしよう


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