絆に守られる
三つ編みは、祖母にしてもらっていた。
授業参観も保護者会にも来てもらった。
仏壇に向かって祖母が毎日、お経を唱えている後ろ姿を、とても良く覚えている。
私も真似をして唱えていた頃もある。
小麦粉とバターから作ってくれたシチューと、豚汁が激うまだった。何度作っても同じ味にはならないんだなぁ。
祖母から何度も聞いた戦時中の話がある。
空襲のとき、
子供だった父と若かりし頃の祖母は、2人で押し入れに身を隠し
でも、
気が変わって一緒に走り出した。
強い母だ。
父は晩年、その話を他所の人に
「だから母のことが大好きなんです」
と話したそうだ。
祖父は、毎日、お弁当を作ってくれた。
卵焼きに入れる砂糖と塩を間違えたらしく、しょっぱすぎたこともあった。
母と喧嘩をして、家を飛び出した私を迎えに来てくれたのも祖父だった。
亡くなった弟も、
祖父のことが大好きだった。
祖父が作るラーメンと焼飯も絶品だった。やはり同じ味にはできないが、我が家のお昼は麺類が主役。
今、暮らしている
この場所は
祖父母と父が、必死で守った場所。
今度は、私が守っている。
祖父母の初曾孫と一緒に。
でも、だから、
守っているようで、守られている。
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