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福祉業界の人材難の裏話 #19

極度の人材不足


福祉職は総じて酷い人材不足。年を追うごとに加速している。
私の業種は直接介護や支援をする業務ではなく、当事者や家族から相談を受けて関係サービスのコーディネートをしたり必要な行政手続きの支援をしたりという間接支援をする事がメインで福祉や医療の国家資格保持者のみの職場。

年々悪化する状況

地域の他事業所の同職種の指導役も担うので専門性の高い人でないと務まらない難しい業務で、この業界この職種では花形の人気の職場で、採用されるのは狭き門で競争倍率は高かった。
年々、売り手市場感は強くなってはいたが、それでも募集をかけたら数人は応募があり面接して採用側にも選択肢があった。
ここ5年位前より、募集をかけても応募が1人しかなくなり適正が無さそうな人でも採用せざるを得なくなった。
更にここ2年は求人をだしても応募すらない。反応があるのは人材紹介会社の営業の電話だけ。
4月に人材紹介会社を介して1人につき100万出して2人採用したが、その紹介人材も酷いもので、1人は勤務態度が酷く、相談援助の適正も皆無で3ヶ月の試用期間終了で解雇をした。

クセ強キャラであふれてる

業界の人材不足の状況はかなりマズイ。人材不足なので質の高い人材は来ないので適正水準以下の人材を採用せざるを得ない。
クセ強め、コミュニケーションに難あり、前の職場で悪評がある曰く付きの人。そういう人しか採用ができないのが現実。
相談援助業務の基本はコミュニケーションであるがコミュニケーション能力に難があるというのは致命的であるが、そういう人で溢れている。

昔から、福祉職には弱者を支援することで自分の低い肯定感を満たそうとする層の人が一定数いる。
他の業界で通用しなかった人でも安易に感謝してもらえ自己肯定感が得られやすい。
感謝され褒められ自己肯定感が得られやすく心地が良いので、そういう人達の掃溜め的な場所になる。
個人的な感覚では人格障害、発達障害界隈の人の割合が他の業界よりかなり多い。
資格があれば年齢不問で採用するので年齢層高め。
子育て後のセカンドキャリアとして働き始め、資格を取得して業務している人が多いので女性8割男性2割。人材に偏りがある業界だ。

独特のメンタリティ

福祉業界はご存知のように待遇も低い。
業界の指導を行う組織の管理職の立場でも世の平均の3分の2程度の年収。(私の事だが)
待遇が低いので仕事のモチベーションを待遇よりやりがいに求める傾向が強い。
専門職はスペシャリスト思考が強くなり出世欲がない。ゼネラリストやマネジメント職には興味を持たない。
管理職になるのに昇進試験もなければマネジメント教育もないので適切な人材育成ができない。
サラリーマンという意識も低く、組織の利益より相談者の利益に重きを置く傾向が強く、組織のコンプライアンスに引っかかっていても、利用者の利益になるならそちらを優先する方が正義と考えてる人が多い。
営利や金儲けみたいな事を極端に嫌いコスト意識が低い。

私の職場の話し

ここまでは業界全体で共通する話し。
私の職場も状況は変わらずで
昼休みにイビキかいて寝る職員を注意する。
相談者に逆ギレしてマウント取った職員のクレーム処理。
発達障害界隈職員の合理的配慮への板挟み。
業務に取捨選択や優先順位が付けられずコスト意識がなく長時間、丁寧に働く事が正しいと思ってる職員の対応。
役所からの天下りで任期の終わる事を平穏に待つだけの上司のフォロー。

クセが強く、適正がなく能力も低いそんな職員を教育、指導するのは至難の業。
能力不足の職員が業務を行い、上手くこなせずフォローしないといけない。
もしかしたら私もクセ強にカテゴライズされていたのかもしれない。
どんどん負担が大きくなる悪循環。
フォローを自分だけじゃなく、職場全体で行う体制にできれば良かったのだが、私の力不足でそういう環境が作れなかった。
能力が低かったと言われればその通り。
それが管理職の仕事と言われればその通りなのたが、自分の能力の限界を超えた。

私の話し

移動もない、これ以上の昇進もない。ずっとこのまま、このポジションで働く道しか残っていない。
今の職場の今のポジションで働くのがイヤになった。もう無理、アホらしくなった。気持ちが切れた。
アホな職員の尻拭いしたり、フォローしたりするのが苦痛、苦行、罰ゲームにしか思えなくなった。
何も悪いことしてないのに何の罰ゲームだよ。もう仕事に対してそういう感情しか持てなくなった。

もう、こんな状況だから辞めていいよね。辞めても誰も責められないよね。
と思って辞めました。という業界の裏話に見せかけての自己弁護の話しでした。

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