スマートグラスを使うと、縄文時代の神明貝塚の魅力を最大限伝えることができるか?
◆実験の目的と背景
実験の目的は、国の史跡に指定された春日部市の神明貝塚の特徴や価値を、スマートグラスを使って、効果的に伝えることができるかどうか、伝えるためにはどうしたらいいのかを研究することです。
上記の目的を設定した背景は、現在、発掘調査は終了し、貝塚は埋め戻されており、貴重な発見の数々を、一般の人に伝えることが十分にできていないからです。
発掘調査で明らかになったことは、神明貝塚は3800~3500年前の縄文人の大規模な集落跡であることです。そこには、縄文人が住んだ家の跡や埋葬されたお墓があり、食べた貝の殻や魚・獣の骨、植物の破片が大量に残されています。
それらを分析、研究した結果、縄文人は各地域で環境に適応しながら、多様な生活を営んでいたことが分かりました。
そのため、当時の生活の様子を復元することができる重要な遺跡として認められ、国の史跡に指定されました。
国の史跡って、日本史を語るうえで欠かすことのできない遺跡、ということです。神明貝塚がなくなったら、縄文人の生活の多様性を証明することができなくなってしまいます(大分、話を盛りすぎました・・・)。
担当者としては、そんな神明貝塚の特徴や価値を、まるで発掘調査をしているかのような臨場感をもって、みなさんに味わってもらいたいのです。
◆検証したいこと
スマートグラスを使うと、ユーザーにどんな情報を伝えられるか?
スマートグラスを使うと、ユーザーはどんな体験ができるか?
上記の場合、どんなコンテンツやアプリが有効か?
◆活動の概要
大学のメディアテクノロジーの先生と協働で、史跡解説アプリの開発の方向性や、デバイス(スマートグラス等)、コンテンツを検討します。
◆アウトプット・成果
最終的には、先生と研究報告書をまとめますが、それ以外のアウトプットは検討中です。
スマートグラスを使った際に、日誌としてその日の活動をnoteに記録しようと思います。
◆実験の測定方法
スマートグラスをかけたまま、貝塚現地を何m歩くことができるか?(安全の範囲内でできることをやります)上記の場合、どれだけ快適か、もしくは不快か、5段階評価。
スマートグラスにコンテンツ(写真、動画、テキスト、3Dモデル)を表示し、その良し悪しを5段階評価。
スマートグラスに表示するコンテンツの動きの面白さを5段階評価(=どんなアプリを使うとよいかを導き出す)。
ユーザーがスマートグラスから得た情報量は、発信する側が伝えようとした情報量の何分の1か、クイズ形式で計測。
ワークショップ等を開催し、想定ユーザーが求めるコンテンツ、アプリは何かアンケート。
◆スケジュール・進め方
下記進め方は、スマートグラスを使った研究だけでなく、史跡解説アプリの開発の方向性や、コンテンツ、デバイスの検討などを包括した全体の流れです。スケジュール(所要日数)は検討中です。
史跡解説アプリの目的等の設定
1.1 使用目的の設定
1.2 制作、運用、更新期間等の設定
1.3 ユーザーの想定
1.4 使用方法、操作の想定アプリ開発ツール調査
2.1 既存ツール(プログラミング言語)の調査
2.2 表現力(視覚的効果)の比較検討
2.3 制作難易度の比較検討
2.4 更新難易度の比較検討
2.5 コストの検討実例調査
現地調査
4.1 現地調査
4.2 ワークショップサンプルテスト
5.1 サンプル作成
5.2 試行、検討デバイス(スマートグラスほか)調査(11月まで)
6.1 既存デバイスの調査
6.2 操作性の比較検討
6.3 汎用性(非特殊性)の比較検討
6.4 保守管理の比較検討
6.5 コストの比較検討基本構想案の作成(12月以降)
7.1 アプリ開発ツールの選択
7.2 デバイスの選択
7.3 コンテンツの選択
7.4 機能、操作性の選択
7.5 保守管理体制の検討報告書作成