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第2話:ありのままの声

翌朝、目覚ましの音が鳴るよりも早く、美咲は目を覚ました。

重たいまぶたの奥で、昨夜の考えがまだ渦巻いている。

スマホを手に取ると、無意識のうちにSNSアプリを開いてしまっていた。

タイムラインには、相変わらず誰かの完璧な朝食、笑顔の自撮り、旅行先での眩しい風景が並んでいる。

だが、美咲の心はどこか冷めていた。

tomokichi860の言葉が、頭の片隅にこびりついて離れない。

 『完璧じゃなくていいのよ。ありのままの自分で勝負しよう!』

 「ありのままの自分、か……」

ふと、美咲はスマホのメモアプリを開いた。

これまでなら、誰かに見せるための言葉を慎重に選んでいただろう。

でも、今日は違う。

彼女はただ、心の中のもやもやを吐き出すように指を動かした。


「最近、SNSで完璧な自分を演じるのに疲れてきた。
誰かの『いいね』がもらえないと、自分の価値が無いように感じてしまう。
でも、本当はそんなことないんだよね?」


書き終えた後、美咲はその文章を見つめた。

これを本当に投稿していいのか?

心の中で葛藤が生まれる。

けれど、昨夜のあの言葉が再び脳裏に浮かんだ。


『失うものなんて無いのにさ。なんでビビる必要あるん?』

心臓がドクンと鳴る。

美咲は一瞬目を閉じ、深呼吸をした。

そして、恐る恐る投稿ボタンを押した。


投稿を終えた後、美咲はスマホをバッグにしまい込み、通勤の支度を始めた。

電車に揺られる間も、仕事中も、頭のどこかで投稿のことが気になって仕方がなかった。

 「きっと誰も反応しない……」
 「もしかしたら、批判されるかも……」

そんな不安が美咲の胸を締めつけた。



昼休み。

美咲はいつもなら楽しみにしているランチの時間を、今日はどこか憂鬱な気持ちで迎えた。

同僚たちの会話も耳に入らず、無意識にスマホを手に取る。

 通知:15件のコメント、30件の「いいね」

 「え……?」

 驚きで目を見開いた美咲は、指先を震わせながらコメントを開いた。


「私も同じ気持ちです。」
「完璧を求めすぎて疲れたこと、私もあります。」
「こういう正直な投稿、もっと見たいです!」



美咲の胸にじんわりと温かいものが広がった。

知らない誰かが、自分の言葉に共感してくれる。

そのことが、こんなにも心を軽くするなんて思ってもみなかった。

 フォロワー数や「いいね」の数に振り回されていた自分が、まるで遠い存在のように感じられた。

大切なのは、数字ではなく、自分の本当の声だったのだ。


その夜、美咲は再びスマホを手に取った。

でも、今回は違う。

完璧な写真や気の利いたキャプションではなく、自分が本当に感じたことを、そのままの言葉で投稿した。


「今日はたくさんの人が共感してくれて、本当に嬉しかった。
SNSは誰かに認められるための場所じゃなくて、自分を表現する場所なんだって気づいたよ。」



投稿ボタンを押した後、美咲は深く息を吐いた。

初めて、SNSの向こう側に「人」を感じた気がした。

完璧でなくてもいい。

むしろ、不完全な自分こそが、誰かの心に届くのだと美咲は実感していた。


第3話へ続く…

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これは、私のThreadsでの投稿内容を
お玉ちゃんのGPTs(物語工房)に読み取ってもらって書いた物語です。



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