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絵になる美しい街並みを創造する為の粉本/竹田(たけた)/大分県竹田市/路地空間が心地よい街並み
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私の思い描く竹田は稲葉川に接する「たけた城下町」と呼ばれる範囲だ。この城下町は文禄3年(1594)に志賀氏に替わって移封してきた中川秀成により構築されたが、他の城下町と違うのは城と城下町が離れていること、また街路は格子状に敷設され城下町特有のT字路やL字路が無いこと、居住区が身分によって分けるのでは無く武家屋敷が町家を取り囲むように配置されたことだ。これらの要因は川に囲われた要害に城下町を築いたことによるものだろうと思われる。
今のたけた城下町を探索すると、格子状の町割がほぼ残っており、加えて平成17年に竹田市伝統的建造物群保存地区保存条例が制定されたこともあって江戸期や明治期、大正期の伝統的建造物を保存、修復、追加する整備事業も進んでおり、往事の面影が偲ばれる。
特に姫野一郎商店や小早川洋一郎邸、山本種店等の伝統的な町家が見所だが、竹屋書店は明治32年の建築で外壁は漆喰塗り、腰の部分にはなまこ壁が施され、更には庇の雨押さえを菱形にする等、より迫力があって見応えがある。また建ち並ぶ町家で形成される最も魅力的な街並は八幡川横町と呼ばれる白壁の塀に囲われた茶房御客屋の東側から塩屋薬局の北側に沿って東側に抜ける路地部。路面は石畳、スケールも良く、街路の先には塩谷荒物店がアイストップになっているし、路地北側には用途替え利用されている銭湯や青果店が建ち並ぶ等、伝統的建築物で囲われた普段着のたけたの街並を感じることができる。私にとってはここがベストな景観スポットだった。