[後半]東村山駅はいつできる? を聞きに行ったら、これからの東村山にワクワクした話
こんにちは、なかむらです。「高架化工事中の東村山駅、どんなふうに生まれ変わるの?」というお話の後半です。
前半はこちらから!
駅の高架化工事について話を伺った前半。後半では、市内各所で粛々と整備が続いている都市計画道路について、そして東村山をどんなまちにしていきたいのか、引き続き東村山市・まちづくり推進課の若林さんと、新妻さんにお話を伺いました。
道路整備率は、東村山市が都内最下位だった
な(なかむら):東村山は今、駅の高架化工事と一緒に、各所で道路開発が進んでいますよね。それもあってまち全体がすごく動いているなというか、“どんどん変わってます感”がすごくあります。
市(若林さん、新妻さん):そうですよね。本当に、こんな大きな開発が進むことはなかなかないです。
駅の高架化事業と一体的に、都市計画道路の整備も東京都や東村山市が主体となって行っています。鉄道を高架化して複数の都市計画道路と立体交差していく事業を「連続立体交差事業(連立事業)」といって、道路の整備、踏切の除却を進めることで渋滞をなくしたりだとか、ネットワーク整備を進めていくわけです。
連立事業は多くの区市で求められている事業ですが、実際にどこから整備を進めていくかというのは、国だったり東京都だったりが主導になるわけです。で、東村山が連立事業の実施対象になっているのって、結構異例なことで。
な:そうなんですか?
市:もともと東村山市は、都市計画道路の整備率が低いんですよ。20%行ってないくらいで、都内で最下位なんです。
な:最下位……。
市:ですので、踏切渋滞なども大きな要素ですが、このあたりも東村山が連立事業の実施場所として選ばれた要素ではないかと思います。今回、線路が上に上がるということで、それはとても大きいことです。それで一体的に道路の整備も進められています。
都市計画道路から、話はさらにマニアックな妄想の話へ
な:もともと、この道はどこにつながるのかとか、どこに道路が作られる予定なのかというのを都市計画図で見たりするのが好きなんです。それで妄想するんです。
な:たとえば、府中街道の郵便局あたりから第二中学校の方に通る道路(上の図の⑩番)が完成したら、立川造園や豊島屋酒造あたりがより便利になって栄えて、もっとお店ができそうだなとか、高架化工事で線路脇に道路ができるなら(上の図の②、⑤番)市役所から東村山駅へのアクセスがめっちゃ良くなるから、このあたり住みたいなとか。
市:素晴らしいですね。今、お話に出た豊島屋酒造さんも駅から離れていますが、たとえばそこを目的に歩いて行ってもらいがてらまちを巡って、途中にあるお店に気づいて寄ってもらったり、東村山市全体でそんなまちづくりをしたいと思っていまして。
市では「都市計画マスタープラン」という、都市計画やまちづくりの基本方針をまとめたものがあるんですね。で、そこにかかげた東村山駅周辺の将来像『「出会い」「ふれあい」があり、ぶらぶらと歩いて楽しいまち』というのがありまして。
な:それを目指して、まちづくりをすすめるという。
市:そうですね。国としてもそういうまちづくりの方針を掲げていて。まちのあちこちににぎわいの場を作って交流してもらう、歩きたくなる、街中ウォーカブルの推進といいますか、車中心から歩行者中心の社会になっていく。令和に入ってからは道路を作る上でもそういったことが重要視されるようになっています。
道路って本来厳しい制限があったりするんですが、それが結構柔軟になってきていて、お店を出しても良くなったりなど緩和されてきて、取り組んでいる都市もあるんですよ。
な:都市計画図を見ると、先ほどの豊島屋酒造方面への道、道幅22メートルで2車線ということは歩道が広そうでいいな、とかそういったことも想像しています。
市:自転車道もできたりするかもしれませんね。歩行者がゆったり安全に歩けるというのが、今風の道路ですよね。
な:高架化線路の脇の道路は狭い感じで。
市:6メートルなので、そこもまた使い方ですよね。あの道路は関係各所と使い方を相談していく必要があるのでまだどうなるかわかりませんが、歩行者専用道路にしちゃうっていうのも面白くていいなと個人的には思ったり。それで、高架下にはお店が並んでいて。
な:ああ、それ、いいですねぇ……ベビーカーを押している方でも年配の方でもゆっくり歩いて買い物ができて。夢が広がります!
これから数年、まちがどんどん変わっていきます
な:近い将来、まず大きく動くのは線路の高架化、新・東村山駅の完成ですね。
市:はい、まずは駅の全面開業というのがひとつ、大きなお披露目となりますね。
あの皆さん、駅の高架化が完成したらお店もできると思われているかと思うんですが、そこから高架下の開発って始まるんですよね。鉄道部分ができて、そこから3、4年かけて徐々にお店など商業的な部分ができて、駅周辺が整ってからまち開きになるというか。
な:そうなんですね。駅開業と同時に、一斉オープンのイメージがありました。
な:都市計画道路も進んでいるように見えますが、それはもう少し先でしょうか?
市:東京都の事業道路、都市計画道路3・3・8号線は令和10年度末予定ですね。ただ、道路は工事自体は粛々と進められるんですが、用地をお譲りいただいてという部分がありますから、それが一番大切で大きい。どうしても時間はかかります。すごく長いことやっているなという印象はありますよね。
な:あと、高架部分に東口と西口をつなぐ通路が沢山できたら便利だなと思ったりしているんですが、そういうものも駅の開業後に作るんですか?
市:あ、それはそこからだと遅いかな?(笑)でもたとえば、高架下を人が通れるようにしてみたり、お店を入れてお店の出入口を東側西側両方に作ったりだとか、そんなことはできますよね。そのあたりは西武鉄道さんで調整していくのかなと思います。市でも東西道路の整備を進めていきます。あとそれに付随して、東口広場のリニューアル、駅東口の再開発事業などといった土地の高度利用に向けた取り組みも進めていけたらという感じですね。
な:お、再開発事業なんてものもあるんですか?
市:駅周辺のエリアは商業施設が集まる市の中心核ですから、現在の土地利用、使い方については課題があります。建物も結構老朽化してきていますしね。
もともと東村山のまちづくりについては、多くの方に意見をいただいてワークショップなども重ねて「まちづくり基本構想」というのをまとめています。また、令和3年度には連立事業とあわせた駅周辺のまちづくりを推進していくために、「まちづくり実行プラン」をまとめたのですが、その中で、特に東口側ですかね、駅周辺については今回の連立事業を機に、地権者の皆さんとも共同で整理していきませんか、という投げかけをしながら進めています。
な:おお、それはまた。今の東口近辺、もっとお店が増えて賑わっていったらすごく嬉しいです。
市:1人の力では資金的には建物の建て替え、出店など難しい場合でも、複数でまとまって施工することで補助金が出たりだとか、何かお困りのことがあれば市も協力しながら。これも市が、行政が主導で「ここにこういう建物を作ります」という形で開発を進めるのではなく、地権者の方、市民の皆さんのこういうまちにしたいよねという思いを形にするというやり方で、よりスムーズに再開発を進めていけるのではと。機運を高めているところです。
東村山市、これからのまちづくりのカタチ
な:市民参加のまちづくり、今日伺っていて本当にワクワクしました。私も機会があれば参加したいですし、市民の皆さんも他人事でなく、アンケートなどで意見を出したりだとか何か少しでも関わったら、より東村山に愛着が出るのではと思いました。
市:今回やっていただいた地域ライターという試みもね、その一環ですから。
な:はい、嬉しいです。でもそもそも、こういう方針でまちづくりをしていこうとなったのは、市長の声が大きかったんでしょうか。
市:いや、僕(若林さん)ですね(笑)まぁもちろん、トップの決断あってこそで、今、いろいろなところで市長が前に出て、こんな風にまちづくりを進めようという話をしていて、東村山の市長はすごいね、こんな風に話してくれる市長はあまりいないよねという声はいただいています。いやでも、ざっくばらんにこういう話をするのって、楽しいですね。
な:こちらこそ、本当にありがとうございます。今、めちゃくちゃ楽しいです、私。
市:これからのまちづくりは、行政がこういう箱を作ったからどうぞ使ってね、ではなく、まちの人たちがこういうものを作ってくれ、こういう風に使いたいぞって、自分事として関わっていく形に変わっていくと思うんです。使って使って使い倒して、それでもっとこういう基盤整備をしてくださいよ!と市民から声が上がって、市が応える。そういうサイクルになっていったら……。そういう風に思っているということ、もっと市民の皆さんにアピールしていきたいと思います。
な:本日は、ありがとうございました!