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御相伴衆~Escorts 第一章 第二十一話 忍んでおいで~柚葉と慈朗③そんなの、狡い
うーん、そうなのかな?・・・結局、柚葉、そうなのかな?
「大丈夫だよ」
「でも、これ、」
「何?」
「抱っこだよ」
「うん、だめなの?」
「なんで?こんなことするの?」
「色々、考えない方がいいかも」
「ダメだよ、二の姫は?」
「あーあ、一番、聞きたくない名前、今、出すなよ、慈朗」
「ああ、でも、そうだよね。柚葉、大ウソつきだから・・・」
「そうだよ、その上で、今は、とっても、正直なんだけど」
「二の姫のことは、やなのに、上からの命令とかで、そうだってこと?」
「まあ、そうだね。仕事だよ」
「えーっ、そんなあ」
前に、仮病してたぐらいだから、二の姫様とのことは、気乗りしてないのかな、というか、柚葉は、こっちだから、そもそも、女の子は嫌なのかな?高官の人と・・・だったっていうし・・・。二の姫様、可哀想・・・。って、柚葉には言いづらい。そう、柚葉も可哀想なんだ。
「何、考えてんの?」
今の状況、結局、僕は、大きな柚葉に抱えられて、膝に乗せられてしまってるんだけど・・・ちょっと、逃げるの、難しい。近いよお、顔が近い。どうしよう・・・。
「やなの?」
「・・・っていうか、ダメだよ、こんなことしたら」
「どうして?」
「僕は、お妃様付きで、柚葉は、二の姫様付きだから」
「残念ながら、それは、理由にならないんだなぁ・・・」
「なんで?」
「こないだ、数馬と慈朗、お妃様に、一緒に侍ったんでしょ?」
「だけど、それ、関係ないよ」
「あのさ、今だから、言うけど・・・あの組み合わせじゃなかったら、どうなる?」
「え?」
「俺ね、少し前に、打診されたの、お妃様に」
💚
「柚葉、ちょっと」
「はい」
「どうかしらね?慈朗と一緒に」
「それは、夜伽ということですか?」
「そう、別にいいのよ」
「え?」
「私は、見てるだけでも」
💚💚
「何々?わかんないよ。今の話、短くて」
「・・・バレてるんだ。俺。第二皇妃様に」
「えっ、じゃあ、なんで、二の姫様?」
「さあ、それは、わからない」
「えーっ、なんか、それ、お妃様・・・酷いのかも・・・」
うーん、ちょっとぉ・・・、ヤバいよぉ、これぇ・・・
「暴れるなって、まあね、皇帝陛下に黙ってるから、ってやつだと思う。それに、二の姫が、俺をつけてくれ、って、指名したらしくて」
「それで、条件付きで、そうなったってこと?」
「まあね」
「やっぱり、桐藤と一の姫様みたいのと違うんだ、そんなのばっかりな筈はないってこと?」
「桐藤はまともだし、まあ、あそこは上手いよ。スメラギ礼讃カップルだからね。すごい、考え方というのか、ロイヤル気質というのか、気が合ってるのが解る」
「皆が上手くいく、っていうのは、やっぱり、難しいんだね」
「そうだよ、偉いね、慈朗・・・でも、まあ、不服そうだね」
「数馬と三の姫様は、上手くいきそうだと思うけど」
「似てるからね。二人とも、思ったこと、そのまま話すしね、いいと思うよ」
「柚葉も、二の姫様も可哀想」
「出たね、慈朗の『可哀想』が、また。で、話がズレ捲ったんだけど、役付きは、免罪符にならないってこと。お小姓同志は、むしろ常識」
「ああ、そんなこと、数馬とのこととかも、あちこちから言われたり、まあ、するけど」
「だろ?」
綺麗な柚葉が・・・。なんで、僕なの?変に抵抗とかするの、ちょっと、違うし、あああ、困ったな。どうしよう。
「困った時に、そうやって、おでこに両手やるの、慈朗の癖だね、可愛過ぎるんだけど」
「柚葉は、女の人、嫌いなの?」
「うん、まあ、そうだね。身体がボコボコしてるじゃん」
「えーっ、どういうこと?胸とか、お尻とか?綺麗だよ、可愛いと思わないの?」
「そうだね。俺は、身体が、真っ直ぐ、すっとして、余計なものがない方が好き。あと、性格的にも、ダメだな。計算高いのが見え見えで」
「そうじゃない人もいっぱいいるよ」
柚葉、いつもは、あんなにクールで、女の人を紳士的に喜ばせる代表みたいなキャラなのに、なんか、すごい、裏切ってる・・・。
「まあ、はっきり言って、二の姫より、お前が好きだよ、慈朗」
「えーっ、もう、ダメだよ、柚葉、そんなこと言ったら・・・お妃様に・・あ」
「お妃様が、明白に、事実を捉えたら、俺たち二人のを見物なさりたいそうだから、って、言ったんだけど」
「あああ」
「どうする?皇帝陛下に、直訴でもする?」
「しないよ、そんなこと、でも、でも、ダメだよ」
「なんで?俺のこと、嫌いなの?慈朗は」
「嫌いじゃないよ、でも、なんか、違うから」
「違わないでしょ?」
「違うっ」
「そうか、お前は、お妃様が大好きなんだよな。でも、お前、ギリギリだからね、危なっかしいぐらい、ギリギリだよ」
「何それ?」
「自覚ないかもしれないけど、お前、どっちも好い筈だから、見てたら、解る」
「違うよ」
「第二皇妃様が、仰ったんだよ」
「えー、酷い、お妃様、そんなあ、」
「散々、尽くしてるのにね、可哀想、慈朗」
「もう、柚葉、面白がってるでしょ?」
「うん」
「もう、やだよ、柚葉、意地悪だ」
「じゃあ、膝から降りて、数馬の所に帰っていいよ」
「あ、うん、ごめん・・・うん・・・」
「・・・やっぱ、だめ」
わあ、もう、ダメな感じだよ。柚葉、声立てて、笑ってる。見たことない感じで。
「また、捕まえちゃった♡ あはは」
声、裏がった。♀味(メスミ)の感じってやつ・・・?女の子みたいになってる・・・、他の人が、こんな柚葉見たら、驚くだろうな・・・、
「明け方に、数馬が目を覚ます前に、戻ればいいじゃん」
甘えた声で、僕を後ろから抱き竦めて、身を捩らせるように揺すってる。
「ね♡・・・慈朗」
腰、押し付けてきた。あああ、ダメだよお、柚葉の・・・、そんなの、狡い・・・。
💚忍んでおいで④につづく💚
みとぎやのメンバーシップ特典 第二十一話 忍んでおいで~柚葉と慈朗③
「そんなの、狡い」
御相伴衆~Escorts 第一章
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