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第一回 数馬編①                      「スメラギ漂着~転落奴隷」

            御相伴衆~Escorts 第一章より


 大道芸人の数馬は、諸国を回る、小さな旅芸人の一座に所属しており、船に乗り、東国諸島部を中心に活動していた。ある時、船が嵐に巻きこまれ、座礁し辿りついたのが、その北の大陸の他国、スメラギ皇国の浜だった。

 仲間である大人たちと共に、数馬が、その浜で彷徨さまよっていると、スメラギ軍の兵隊に捉えられ、その後、不法侵入の罪で投獄された。当時、長い歴史の間の軋轢あつれきにより、東国は、スメラギにとっての属国という捉え方をされていた。

 このままだと、恐らく、一座のものは、全て殺されてしまうだろう。その時、数馬は、咄嗟の判断で、芸を見せ、芸事で、この一行全員、ここで仕えるからと命乞いをする。以前、スメラギを舞台にした芝居を、諸島部で見せる際に、語学研修をしていたのが、幸いしている。そのくらいのやり取りはできた。

 看守は、数馬の姿を、頭の先から、脚の先まで、ざっと見遣みやる。

「年は?」
「16です」
「よし、じゃあ、お前の話を聞いてやるから、こっちへ来い」

 数馬は、その看守に連れ出された。暗い地下牢から、エレベーターに乗せられて、上層の階で降ろされる。皇宮すめらみやだった。そのことに、数馬は、気づかなかった。

 そこにつくと、数馬は、看守から、世話係のような、3人の女に引き渡され、汚れた服を脱ぐように指示をされた。

「騒がないで、牢屋に戻されたい?」
「その汚いままじゃ、上に上がれないのよ」
「お風呂に入ってもらうから、それだけよ」

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