ひと握りという呪縛
ひと握りだぞ、一体その言葉にどのくらい苦しめてきただろうか、
おれはミブロ その日暮らしのしがない中年だ。
もちろん家族も恋人もいない。
ひとりぼっちだ。
やることなすと全て上手くいかず、
流れ流れて大都会東京に流れ着いた。
この土地で何か掴んでみたい。
そんな心だけでここに来た。
生活は決して楽ではなく、
290円の松屋メシで飢えを凌いだ。
日々不安を感じていた。
田舎で普通の仕事して、
生きてれば安定は得られる。
しかし、
どうしてもこんな言葉がよぎるんだ。
「飼われてていいのか?」
ってね、
毎日8時間程魂を売り渡せば、
飢えることはない。
だが、
自由は得られない。
だから、
なんか勝負してみようって飛び出してきた。
東京に来るまで、
日雇い労働生活でしのぎもした。
奴隷みたいな日々だった。
だけど、
なんか自分で考えて生きてるって実感はあったんだ。
俺は売れるまで行動し続けよう。
そう決めた。
形はどんな形でも構わない。
とにかくありとあらゆるオーディションを受けまくるんだ。
そんなこんな繰り返したら、
あるタレント事務所に合格した。
家族からは猛反対された。
歳を考えろ、
地に足をつけろ、と、
でも、俺はパッションに従いたかった。
自分を表現して世に出てみたかったんだ。
だから、
何も言わずに地元を出た。
毎日不安で不安で胸が張り裂けそうだ。
だけど、
もう逃げたくない。
俺が選んだ選択が、
あの時選んでて良かったって思える行動をしたい。
やらなかった後悔より
やってしまった後悔のがずっといい、
そんなこんなで
おっさんは日々光を目指して生きてます。