賢くあきらめる マルガレーテ・シュタイフの人生
磐田市にある「香りの博物館」企画展に行きました。
「ドイツ・シュタイフ しあわせのテディベア展」初日。
シュタイフ社は熊のぬいぐるみで有名ですが、会社の創業者が身体障害の女性だったことを、今日初めて知りました。
19世紀中ごろ、マルガレーテ・シュタイフは南ドイツに生まれ、1歳半で高熱を出し右手と両足に麻痺が残り、2回足の手術を受けるも改善せず車椅子で生活しました。
母親が本人の自立のため学校に行かせ、裁縫、編物の練習を厳しくさせたそうです。この時代に貧困層に生まれていたら、道端に捨てられたかもしれません。『続あしながおじさん』を読むと、当時の様子が垣間見えます。
好奇心が強く活発なマルガレーテは、自分のハンデを克服する方法を自分で考え、頼るべきところは素直に人の力を借り、努力を続けて裁縫で身を立てるようになりました。それまでの経験から、「人生を賢くあきらめる」ことを受け入れます。
手に入らないもののことで悩まず、人生を楽しむ。
これは万人に必要な考え方だと思いました。だれもが年をとれば、いつか今までできたことが、できなくなります。すねて落ち込んでも、どうにもならないのです。
のちに起業家になり、世界中で愛されるぬいぐるみを創作したマルガレーテ。すごい人だと大発見の一日になりました。
ミュージアムショップで買った『世界ではじめでテディベアをつくった企業家 マルガレーテ・シュタイフ』は、小学館まんが人物館シリーズで児童書ですが、わかりやすくておすすめです。