将棋の頓死001
数日前に将棋倶楽部24の六段同士の戦いで面白くて役に立つ「頓死」筋が出現しました。居飛車党の方には有名な手筋です。きっと振り飛車党の将棋ファンも楽しめるはずです。
長手数の実戦詰将棋ですので、上級者向き、中級者向き、初級者向きに章を設けました。
01.上級者は初手から考えましょう。
下の将棋は後手96手目6七金の局面です。後手の方は、勝利を確信したか、あるいは、多少危ない形なので詰まされても仕方がないと思ったはずです。果たして30秒将棋で先手が「詰み」を読み切れるレベルの実戦詰将棋でしょうか。
先手の方はここでたった25秒である決断をしてきました。もし読み切りでしたらとんでもない実力者です。ただし、長年居飛車党でしかも過去に数千局数万局将棋を指している人ならば、案外易しい局面なのかもしれません。
97手目は2四桂です。超有名手筋です。この手を正解した方は多いはずです。同歩は2三銀以下簡単です。5三とと7八飛の存在が詰みに役立っています。
上図以下、1三玉、3一角、2二金で100手目の局面です。先手はここで20秒考えました。やはり、読み切りではなかったようです。安心しました。
101手目の決め手は1二桂成でした。同香と同玉の変化をお考え下さい。
102手目で同香ですと、以下2二角成、同銀、2四銀、同歩、2三金以下詰みます。ですから、同玉が正しい逃げ方です。
「将棋上達の探求」の過去記事で、1一の香車を1二に吊り上げる詰将棋を何度もご紹介しました。あの手筋は実戦でも出現したり変化に隠れていたりするのです。初めての方や記憶が曖昧だった方は、今回この手筋を銘記しておきましょう。今後の将棋人生で目にすることや役立つことも多いはずです。
102手目同玉以下、2二成銀、同銀、同角成、同玉と続きます。107手目も例の手筋です。
02.中級者は107手目からどうぞ!!!
107手目は3一銀でした。やはり、有名手筋です。以下、同玉、7一飛成、6一歩、4一金、2二玉、3一銀、1二玉で下の局面です。
03.初級者は115手目からどうぞ!!!
115手目は6二龍です。以下、同歩、2二金、1三玉、2四銀、同歩、2三金の25手詰でした。
04.解答手順と考慮時間
05.まとめ
一連の手順を調べますと多くの基本手筋が含まれていることがわかります。それは多岐にわたる隠れた変化に関しても同様です。
将棋が強い人は、基本手筋の運用や応用が優れています。たった一つの「頓死」将棋からも我々は学ぶことが多いはずです。
なお、上の説明だけではわかりにくい部分も多かったはずです。盤駒を使った研究もよろしいかと思います。