将棋が強くなる桂香型必至001
将棋の格言には「長い詰みより短い必至(必死)」というものがあります。詰将棋がどうしても好きになれない方やどうも相性が良くない方には、こちらの必至の学習をお勧めします。
ただし、必至問題も結局は詰将棋手筋の運用や応用です。必至は原則2通りの詰めろをかけるので、あまりにも詰将棋が苦手ですと手間取るかもしれません。ですので、当NOTEでは易しい桂香型の必至問題を取り上げます。
問題のレベルはできる限り5級から2級レベルにする予定ですが、1級以上になることもあるかもしれません。あらかじめご了承下さい。
なお、必至(ひっし)は必死とも書きますがここでは必至で統一します。また、必至のルールに関してはここでは取り上げません。ルールがわからない方はネット上で検索して下さい。
01.問題のご案内
今回の問題は将棋世界(平成2年4月号)の付録「タイムトライアル56」からの出題で、初級第1番です。昔からある易しい問題で作者はわかりません。ご存知の方はご一報下さい。
02.問題図
今回は一手必至の問題です。飛車や龍王は非常に攻めが強い駒なので、今回は1通りの詰めろで必至がかかります。次の1手で受けがありません。少しだけ考えたら解答図に進んで下さい。すぐ下にあります。
03.解答図
解答は初手3一飛です。これで次の2一飛成が受かりません。仮に3二馬と龍を取られても、同飛成、2二合、2三角で勝ちです。また、9二飛や4二飛でも詰めろはかかっていますが、この場合2三金や3三銀で受かります。受けのある詰めろは必至ではありません。
04.補足
必至とは広義では「受けなし」のことです。将棋で自玉が詰まなければ相手玉に必至をかけて勝ちとなります。
前述した将棋の格言の意味は、「長い詰みでも勝ちだが必至でも勝ちならば後者を選んだ方が間違わずに勝ちやすい」ということです。自信がある方はできる限り「長い詰み」を選びましょう。その方がカッコイイです(笑)。
将棋が強い人ほど「長い詰み」と「必至」の能力が優れています。昨日の将棋で三冠王になった藤井聡太叡王・王位・棋聖は、この能力が非常に高く他のプロより傑出しています。
我々アマチュア将棋ファンは、現時点の棋力がどうであれ、「長い詰み」と「必至」の実力を少しずつでも上げていくことが望ましいです。私も常に心掛けています。
また、将棋の終盤では、詰み>必至>詰めろ(1手スキ)>2手スキ>3手スキ、4手・・・の順に寄せが強くなります。将棋が強い人はこれらの見極めが鋭いと言えます。私のレベルでも30秒将棋で2手スキまでぐらいは比較検討しています。将棋のプロならばこのレベルを遥かに越えているはずです。