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藤井聡太プロの1秒詰将棋0002

ご覧いただきありがとうございます。

記事タイトルは「藤井聡太プロならば1秒で解けるはずの詰将棋0002」の省略です。


前回に引き続き、青野照市九段の「最強の詰将棋 初段・二段120題」からの出題です。第2章の問題15の13手詰で、7分で二段となっています。

対象は将棋5級以上です。


今回の問題は良問です。個人的には名作だと思っています。実戦でも頻繁に出現する形で応用範囲も広いです。プロの詰将棋解説でも解答や変化の一部に現れます。解答の途中からは丸暗記しましょう。それぐらい価値のある詰将棋です。

詰将棋は人によって得手不得手がありますので、苦手な方は遠慮なく盤駒をお使い下さい。もちろん、得意な方は暗算で解きましょう。脳内将棋盤をフルに活用できれば、将棋上達やボケ防止に役立つことは間違いありません。

それでは、「藤井聡太プロならば1秒で解けるはずの詰将棋0002」にチャレンジしましょう。解けなかったり行き詰まったりしましたら、問題より少し下にある<ヒント>をご覧下さい。

第2章問題15 13手詰(青野照市九段作)

2・15 13手 01



いかがでしたか?

解答を見る前に<ヒント>をご覧下さい。詰みの手がかりや答え合わせ前の確認になるはずです。

<ヒント>

①初手は銀打ちであれしかありません。

②途中で駒取りがあります。

③前問(0001)に続き一間龍の手筋を使います。


解答と解説に進みます。

初手は2三銀です。初手1三歩は二歩ですので打てません。この手を短時間で発見しこれしかないと判断できたら最低でも将棋5級はあります。

2手目は1三玉です。

次の3手目が少し大変です。なぜなら、5手目の駒取りは読みの裏付けがないと決断しにくいからです。

<2手目1三玉の局面>

2・15 13手 02 2手目2三玉まで

3手目2二銀成や3四銀不成などは攻め方の龍が取られてしまいますので、すべて失敗です。

ですので、3手目は2二銀不成が正解です。この手で1四玉と逃げますと、以下3四龍、2四合、1五香で早詰みです。玉方の配置されている駒も大きなヒントになっています。


次の5手目が難所です。この手を短時間で発見できる方は、相当将棋が強いです。最低でも将棋三段候補でしょう。実戦で指せればそれ以上の実力者です。

<4手目1二玉の局面>

2・15 13手 03 4手目1二玉まで


2一銀不成を発見できた方、おめでとうございます!素晴らしいです。この手を見つけることができれば、将来性抜群です。絶対将棋と詰将棋が強くなります。

<5手目2一銀不成の局面>

2・15 13手 04 5手目2一銀不成まで


同玉が絶対手です。ここからは簡単ですので、できる限り自力で解きましょう。時間は無制限で問題ございません。

<6手目同玉の局面>

2・15 13手 05 6手目2一同玉まで


正解は2三龍です。前回同様「一間龍」の手筋が出てきました。たった1筋だけ龍が寄ればいいのですが、実戦では逃す方がいます。気が付かなかった方は、前回の記事でご紹介した本をご覧下さい。将棋の実力を比較的短い期間で将棋二段以上に引き上げてくれる名著中の名著です。

<7手目2三龍の局面>

2・15 13手 06 7手目2三龍まで 一間龍


8手目は2二金が正解です。それ以外の手は3三桂で早詰みです。残り5手です。3秒で読み切って下さい。

<8手目2二金の局面>

2・15 13手 07 8手目2二金まで


もちろん、正解は3三桂しかありません。

<9手目3三桂の局面>

2・15 13手 08 9手目3三桂まで


詰将棋の解答手順

2・15 13手 詰め手順


以下、3一玉、3二歩、同金、2一龍までの13手詰です。

<詰め上がり図>

2・15 13手 09 詰め上がり図


引き続き簡単な類題です。

後半の部分だけ類題を作りました。

解答は<総括>の下に書いておきます。

<類題1>

2・15 13手 類題角桂歩


<類題2>

2・15 13手 類題飛桂


<総括>

2・15 13手 01

今回の詰将棋は実戦形の良問でした。

この詰将棋は受け方の玉が1二の位置から1三、1二、2一と動くことにご注目下さい。こういう動きをする詰めは、実戦では見落としやすいです。上級者になるための壁は、こんなたわいもない手順の発見にあります。

また、5手目の駒取りも実戦的に汎用性があります。実戦では圧倒的に駒取りが多いです。そのため、詰め手順が複雑になり難易度が上がります。

そして、最後に、2一銀不成からの一連の手順の重要性です。頻出手順ですのでこの9手を丸暗記しましょう。いつか必ず使える機会があります。

なお、藤井聡太プロの推定解答時間は1~3秒と思われます。もしかしたらもっと早いかもしれません。管理人むとせは残念ながら10秒程度かかりました。


<類題1の解答>

3三桂、3一玉、5三角、4二合、3二歩、同金、2一龍までの7手詰

2・15 13手 類題角桂歩


<類題2の解答>

3三桂、3一玉、4一飛までの3手詰

2・15 13手 類題飛桂


類題から言えることは、受け方(玉方)の形が少し変わると攻め方の持ち駒もそれなりに変えないと途端に詰まなくなるということです。

類題の2問は両方とも受け方の「4二歩」がありませんでした。つまり、それだけ掴まりにくい玉形になったということです。そのためより強力な持ち駒(角や飛)が必要になりました。


以上です。

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